喚起するもの

2008年10月16日 14時17分00秒 | B地点 おむ

 

遠い街から戻ってきた私を、おむさんが出迎えてくれた。

おかか先生も急ぎ足で。
私は疲れた体を「社長のイス」に沈め、その膝の上に、おむさんが乗る。
何もかも元通りだ。
おかか先生はイスの脇に陣取る。
毛布にも慣れてきたようだ。
川面にはカモたちが浮かぶ。

この懐かしい風景の中に、私は帰ってきた。



何気ない日常が実は、至高の浄福なのだ。月並みなたたずまいこそが、希有の僥倖なのだ。

つまるところ、平凡そのものが、端的な奇蹟なのである。

このシンプルな真理を、私達は普段、けろりと忘れている。「死」に接した時にだけ、思い起こすのだ。苦い悔恨の情と共に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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