土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

歴史 史実より事実

2013-05-26 10:47:54 | 歴史の読み方

さて前回、
『歴史を読見とるには、つじつまが合うことが重要だ。』
と、述べたところで終わりました。

歴史というのは文献、すなわち史実を研究するものです。
史実ではないものを対象とするなら、歴史ではなく、考古学や神話研究など、他の分野になるはずです。

実は元史料(史実)の方には、後世の者にとって大事な情報というのは、
欠落していることが多く、はっきり言って、あまり役には立ちません。
先の記事で書いたように、肝心な所が、わからないことが多いのです。

日常的過ぎて、当たり前すぎること、至極当然過ぎることは、人は書く必要すら思いつかないからです。

史実をもっとキツイ言い方をすれば、雑史料なのですね。
まあ、流れと登場人物だけは、はっきりとしている・・・。そんな程度であります。

史実につじつまを合わせようとすれば、つじつまが合わないことだらけになるのが歴史・・・
そういうものなのます。

なぜなら、歴史は勝者が書くものだから です。

勝者に都合の良いように、書かれているのが史実だからです。
ですから、どうしてもつじつまが合わなくなるのです。

つじつまが合わないことは、歴史的真理ではありません。
真理はいつ何時、誰から見てもすっきりシンプルに、整合性を持っているものなのです。

歴史であっても、そのことに違いはありません。

では、何が大事なのか?
何に、そのつじつまを合わせれば良いのか?
ということですね。

それは・・・
【事実】につじつまを合わせることをすれば、色々なものが見えてくるのです。

歴史は史実の研究であり、史実の連続のように誤解され勝ちですが、そうではありません。
事実の連続が歴史なのです。
ですから、追求するべきもの、目で追うべきものは、事実のみです。

たとえば、よく左翼的な歴史観で言われる言葉として、

「日本は明治の開国以来、近隣諸国と戦争ばかりしてきた、好戦的な国家である。」

というフレーズがございます。

確かに、日清戦争~太平洋戦争終結の期間というのは、ほんの数十年の出来事ですが、
その間は、大正時代の前後を除けば、ほぼ戦争の歴史でした。

しかし他の期間は、戦争は全く行っておりませんね。
先の大戦からでも、もう60余年経過しておりますが、それだけの期間戦争や、
軍事的衝突のない国家というのは、日本以外に果たして存在するのでしょうか?

そのような長期間、軍事的衝突すらない国家というのは、日本以外には、ほんの数カ国しか世界に存在いたしません。
大国では、日本のみであります。

日本人が本質的に好戦的な民族であるならば、そのような長期間に渡って、
果たして平和を、享受することで満足できるのでしょうか?

ましてや自衛隊という、はばかりながらも軍事力を持ちながら、その現実的な兵力を、行使しないでいられるのでしょうか?

昭和20年8月15日に、昭和天皇の詔(みことのり)があり、日本は敗戦した・・・
となっております。
ですがそれは、日本の天皇が一方的に、自国民に対して、戦闘終結を呼びかけたに過ぎません。

実質的、歴史的な終戦は、調印式が行われた翌月に入ってからなのです。

しかし、全アジアに散っていた日本軍は、昭和天皇の詔を聞くや否や、ただちに戦闘を終結し、日本に帰還し始めました。

これは凄いことですよ。
見事な、そして歴史的な撤退です。
普通はどこかで、戦火が続くものなのです。

また、連合軍総司令官としてマッカサー元帥が来日し、そして長期滞在した後も、テロ騒ぎ一つありませんでした。

今も止まない、イラクの自爆テロのようなことは、日本では皆無だったのです。

好戦的な民族、血に飢えた野蛮な侵略者たちが、このような規律正しい行動を、国軍挙げて実効できるのでしょうか?

私は、無理だと思います。

これは、史実がなんであろうと、左翼的なイデオロギー組織がどんなキャッチフレーズを作ろうと、
戦前の日本軍には、きちんとした秩序と、礼節と分別があった証です。

これが、事実につじつまを合わせる・・・の例ですけど、むしろ、当時そして明治以降の日本においては、

本当は戦争など、したくなかったのではないか・・・

と思われる節があるのです。

それは私のある仮説からきている、いわゆる『つじつま合わせ』なのですけど、
日本と、その他の国々では、戦争に関する一般的な見解が、そもそも違うのではないか・・・
と、私は思っているのです。

日本と世界には、戦争観の見解に、大きな相違があるのですね。
でないと、つじつまが合わないのです。

このことを、多くの日本人は気付いていないと思います。
なぜなら、日本にいると、日本の考えが当たり前過ぎて、わからないからです。

その違いとは何か。それは・・・

世界の国々にとって、戦争とは即ちビジネスである・・・日本とは違っている・・・ということです。


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2 コメント

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歴史とは事実の連続です (核心)
2014-08-14 00:11:08
「歴史とは事実の連続です。」と書き込みをして、グーグル検索したらここに来ました。

「さすがの揚子江も真っ赤になった。」でグーグル検索すると65連隊の下関での2千人斬首の父(栗原利一)の証言に行きます。

「森松俊夫氏の二度目の犯罪 思考錯誤」でグーグル検索すると私自身が被害者となった2006年の森松俊夫氏による資料破壊工作の事実に行きます。

返信する
コメントありがとうございます。 (土佐のくじら)
2014-08-18 11:04:43
核心さん、コメントありがとうございます。

いろいろ検索方法を教えてくださいり、ありがとうございます。

一度、トライしてみます。
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