土佐のくじらです。
本日も、先般発表になった「安部談話」の話題に触れてみたいと思います。
昨日投稿した記事では、「首相が願う平和の理念を、現実的に具体化する術が必要だ。」ということが言いたかったのですね。
でなければ、パリ講和会議で日本が訴えた、理想主義的な提言、「人種差別撤廃提言」の後、日本がじわじわと孤立化していったときの、二の舞になりかねないからです。
日本人は平和を好みます。
「和を以って尊しと為せ」の聖徳太子の精神は、しっかりと国民の価値観として、心に染み渡っております。
しかし「和」の精神と、現実的な「平和」とは、決して同じではないのですね。
また、「平和」には、具体的努力が伴うのです。
これは、絶対に必要です。
戦前日本の孤立化は、日本が大正デモクラシーで、のんきに平和を享受している最中に起こり、着実に進行しているのです。
日本人は草食系思考の民族で、「自分がケンかをしかけなければ、相手もやらない。」と思いがちです。
しかし世界は、悲しいかな、そうはなっておりません。
「日本から一歩出れば、そこはまだ、戦国時代である。」と思った方が良いです。
そして、「どこまでちょっかいを出せば、相手が報復してくるか。」ということを仕掛けてくるのが、世界的標準だと思っておいた方が良いです。
ですから、警備機能的な軍事装備、そしてその装備が実質的に使える状況つくりは、世界が日本的価値観に染まりきるまでは、絶対に必要です。
でなければ絶対に、やられ放題になってしまうのが、今の世界の悲しい現実です。
それは、やろうとしていることが良いことだからといって通用はしないのです。
たとえば、学校には校則がありますよね。
学校内で校則に違反すると、生徒には何らかの罰則が適応されます。
タバコを吸うと、停学何日・・・とかです。
もしも、
「タバコを吸うのは、健康に悪い」「だから大人であっても、この学区内に適応しよう」「これからは、タバコを吸ったら、大人であっても、自宅謹慎3日」
と、生徒会の会長さんが提案したら、さあ、学区内の大人たちは、生徒会の方針に従いますでしょうかね?
従うはずありませんよね。(笑)
なぜならば、そもそもその校則に従う道理がないのは確かですが、最も大きい理由は、罰則を実行させるだけの現実的な力が、生徒会にはないからです。
つまり校則違反を摘発しようにも、警察力がなければ、一般市民は言うことは聞かないわけですね。
しかし、学校の生徒で、柔道の有段者などがいて、タバコを吸った市民の摘発などに尽力すれば・・・、致し方なく生徒会に従うかも知れませんね。(笑)
このように、何かを実行しようとすれば、必ずそれをかなえるだけの実行力、平和を実現しようとすれば、必ず警備機能としての軍事力というのは、絶対に不可欠なのです。
前置きはこの位にして、それを踏まえた上で、先の安陪談話を検証してみましょう。
「子や孫、子孫まで謝罪させ続けるわけにはいかない。」と言いつつ、その返す刀で、「先の大戦で、過ちを犯したことは、真摯に受け止めなければいけない。」と言っていますね。
将来の日本人は、謝らなくても良いけど、日本の悪の歴史は代々伝え、教え続けられるのでしょうか?
精神衛生上、とてもよろしくないのではないでしょうか?
それでは将来の日本人は、卑屈になるか居直るかしか、選択肢はありませんよね。
また、憲法の文まで引用して、「国際紛争を解決する手段として、武力は一切使わない」と言っています。
これはまるで、共産・社民・民主などの左翼政党が言っていたフレーズです。
ならば仮に、シナが武力を行使して、「かつての大戦の報復で、領土をよこせ」と言って来たらどうするのか・・・という疑念が湧いてまいります。
「国際紛争を解決する手段として、武力は一切使わない」ならば、外交努力だけで解決でしょうか?
それでは、学校外で、一般市民に喫煙をやめさせる行為に等しいです。
安保法案で、右極化を懸念されていますので、左翼支持者にもりっうサービスし、中国や韓国に不要な警戒心を持たせない配慮があるやも知れませんが、全方位リップサービスだと必ず隙が出ます。
失礼に当たるかも知れませんが、首相は、兵法を知らないかも知れません。
だとすれば、陸・海・空自衛隊の三軍の長をして、その資質が???ですね。
意外ですけど。
「これもするけど、反対のこれもするよ。」というような為政者の公的発言は、むしろ有事の際に、手かせ足かせとなるのではないでしょうか?
この安倍談話が持つ隙は、この談話を機軸に、今後反対勢力や反日国家などが、仕掛けや揺さぶりをかけてくると推測します。
また、コアな安倍支持者は、今回の談話を、決して心の底から喜んではいないと思います。
この談話が有効な限り、日本の誇りを取り戻すことも、英霊の名誉を回復することもできないからです。
相変わらず日本悪玉説を堅持し、「先の大戦は間違いであった論」を継承しています。
そして何より、安倍談話が有効な限り、憎っくき9条のフレーズが、国際社会で有効だからです。
私自身、少し引きました。
河野・村山談話は反吐(へど)が出ますが、安倍談話でも嘔気がしますね。
旧社会党や民主党など、左翼政党で政権の座についたところは、政権に就くや否や、急激に支持率を落とし、解党または、解党寸前まで行きました。
それはそれまでの持論を撤回し、現実路線を行わざるを得なくなることで、コアな支持者が離れたからです。
安倍政権は今回の、全方位リップサービス的な談話を発表したことで、ここ1ヶ月の間に、急速に窮地に立たされると思います。
だとすれば、集団的自衛権の行使容認が危うくなり、日本の安全保障の前提が大きく揺らぎます。
首相の談話には、実行不可能な矛盾を多く含んでおり、それがネックになって、安倍首相は身動きが取れないはずです。
首相が何かをしようとすれば、必ず矛盾点を突かれます。
その釈明と弁明に、膨大な時間と労力が費やされるでしょう。
それを解決する術は、今回の安倍談話を撤回し新談話を発表するか、それでもだめなら、憲法9条改正を機軸に、衆議院解散総選挙をする以外は、おそらく手立てがないと推測します。
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