昨夜から今朝まで雨が続いた。朝にようやく雨が止むと、午前中から青空が広がって来た。高い空にはもうすじ雲やうろこ雲が広がり、すっかり秋の空になっている。つい数日前の晴れ間には夏の入道雲が出ていた。日射しを浴びた職場の裏山では久しぶりにミンミンゼミが鳴き、メジロやシジュウカラの群れがやって来た。残念ながら午後には再び雨雲が空を覆い、雨が落ちて来た。 各国の経済規模は国内総生産GDP(Gross Domestic Product)で比較されるが、一般に、そのGDPは米国が世界一で、昨年度で見ると、18.6兆ドルである。続いて中国の11.2兆ドル、日本の4.9兆ドルで、ドイツ3.5兆ドル、英国2.6兆ドル、フランス2.5兆ドル、インド2.3兆ドル、イタリア1.9兆ドル、ブラジル 1.8兆ドル、カナダ1.5兆ドルと続く。しかし、経済力はその国の物価とも関係し、その物価を考慮した各国通貨の為替を基にした購買力平価でのGDPを見ると、中国はすでに米国を超え、世界一となっている。購買力平価でのGDPは中国21.3兆ドル、米国18.6兆ドル、インド8.7兆ドル、日本5.2兆ドル、ドイツ4.0 兆ドル、ロシア3.8兆ドル、ブラジル3.1兆ドル、インドネシア3.0兆ドル、英国2.9兆ドル、フランス2.7兆ドルの順となる。2000年以後経済発展して来た国々をBRICsと呼ぶが、ブラジル、ロシア、インド、中国を指す。このBRICsだけで、購買力平価で見たGDPは世界のほぼ半分を占める。米国、日本、ドイツを合わせても購買力平価ではBRICsの76%しか満たさない。要するにより現実的な経済力で見ると、一般に考えられている以上に新興諸国の経済力は大きくなっている。2013年以来の日本の円安政策は対外的には日本の経済力を貶めて来た。日本が従属し続ける当の米国自体は通貨であるドルが実質的には低下し続けているにもかかわらず、必死に見かけ上は強いドルを維持しようとして来た。これまで世界はエネルギーを抑える国が強い国とされて来た。そのため米国は1971年に金本位制を離脱したドルの価値を維持するため、産油国と協定し、世界の石油取引をドルで行うことを決めた。しかし、近年、中国やロシア、イランなどはドル以外で石油を取引し始めた。各国の中央銀行は外貨建て債務や為替の調整のための資金として、外貨準備を持つが、これまではそのほとんどを各国ともドルを使って来た。この外貨準備についても中国やロシアはドルに替えて金(きん)を増やしている。過去は経済規模が最大の国の通貨が基軸通貨であった。現在の基軸通貨であるドルは1995年頃を境に実質的な実効レートは下がり続けている。裏付けのないただの紙切れでしかないドルを増刷し続けて来たためだ。ドルで外貨準備を持つ限り、その価値は失われて行く。ロシアや中国は金が本来の通貨の裏付けと考えている。保有する金の量に合わせた通貨の発行が経済をこれまでよりは安定させると考えている。
早くも紅葉して来た楓