釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

クルミ

2017-08-28 19:20:35 | 文化
先週金曜と土曜は今夏としては珍しく、気温が30度を超えた。久しぶりの快晴であった昨日は30度を切った。今日は昼の26度が最高だ。最近は朝晩は20度を切ることが多く、裏の空き家の庭では夜になるとお盆前からコオロギが鳴いている。朝晩の風はもうすっかり秋の風になっている。ススキの穂も風に揺れるようになった。夏らしい夏はほとんどなく過ぎてしまった。街路樹のナナカマドも赤い実が目立つようになっている。職場の裏山では花の盛りの百日紅が緑の中で目立つ。木々の中に5〜6本のクルミの木があり、その1本にはリスが巣を作っている。よく見ると、クルミがたくさん実を付けている。職場の駐車場でも風か雨で落ちたクルミの実を見つけた。日本で自生するクルミはほとんどがオニグルミで、その変種であるヒメグルミの2種になる。クルミは野生動物ではリスとネズミだけが食べるそうだが、以前、裏山で子グマがクルミの木に登っているのを見つけたことがある。クマもやはりクルミを食べるようだ。縄文人もクルミは食用として活用しており、三内丸山遺跡からはクルミを栽培していたことが明らかになっている。現在、一般に食用に使われているクルミは別種で、シナノグルミとかテウチグルミと呼ばれるクルミが使われている。オニグルミは殻が非常に固く、表面に凸凹があり、鬼の面にたとえて付けられた名だと言う。クルミは重量の半分が多価不飽和脂肪酸でリノール酸とαリノレン酸を多く含む。αリノレン酸はオメガ3脂肪酸の一種で、ナッツ類ではずば抜けている。αリノレン酸の一部はEPAやDHAに変換され、脂質異常や血圧、血糖を改善し、血管を健康に保ち、老化を予防する。最近では認知症や乳癌、肺癌、大腸癌などの癌の予防にも効果が報告されている。さらにクルミにはビタミンE、カロテノイド(βカロチンなど)、メラトニン、ポリフェノールのような抗酸化成分がたくさん含まれており、やはり体の老化を抑えてくれる。人の病は9割は毎日の生活から来るものだろう。食事、運動、睡眠、入浴、ストレスなどが問題となって、何らかの病を生み出してしまう。老化と言う体の現象は止めることは出来ないが、遅らせることは可能だろう。かって日本人は身近に得られるものを食べて、健康を維持していた。身近な自然界には人の体に有用なものがたくさんあった。
オニグルミ