釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

氷山の一角

2016-04-28 19:15:07 | 社会
軽自動車の燃費データを偽装した三菱自動車の問題は、単に自動車会社だけの責任ではない。監督官庁である国土交通省が3段階ある燃費の測定検査を全て三菱側のデータをそのまま受け入れて25年間チェックしていなかった。日本の現在の大企業はほとんどが何らかの形で監督官庁からの天下りを受け入れることで、監督官庁と実質的に馴れ合いになっている。それが両者のモラルの低下をもたらす。モラルの低下は精神面から現実の技術の低下へと反映されて行く。この三菱自動車の件は自動車業界の氷山の一角でしかないだろう。以前から日本の自動車産業は既に斜陽化していることを述べて来た。史上空前の利益を「円安」と「消費税の還付金」で得ながら、技術・研究の推進や人材の育成には十分な投資をせず、役員や株主への還元だけを図る姿勢には、もはや斜陽化以外の何ものも見られない。三菱自動車は一次下請け企業だけで1356社もあり、総従業員数は約41万人にもなる。下請けは6割が従業員50人未満の中小企業だ。愛知県に278社あり、最も多い。東京259社、岡山県156社と続く。岩手に来る前は愛知県に住んでいたが、娘の友人のお父さんがやはり三菱自動車の研究者であった。しかし、その方は定年前に早々と三菱自動車を辞め、教授職に就かれたようだ。社風の変化を敏感に感じとられて、嫌気がさしたのかも知れない。日本の産業には戦前からの財閥構造が実質的には残されており、大企業は多くの下請け的な企業の上に君臨することで、利益を得る仕組みが出来上がっている。こうした構造に組み込まれた中小企業は大企業への依存体質が醸成され、そこからは抜け出せなくなる。国からの補助金に依存する地方自治体と同じ状況になる。それらのすべてが国の基盤を弱体化させているのだが。江戸300年で培った幕藩体制は明治になっても国・県体制や企業城下町的な体制としてそのまま遺残し、戦後もそれが長く続いて来た。しかし、そうした構造にも少しずつ亀裂が入り込んで来る。何をきっかけにして、崩れて行くかは予想出来ないが。
庭の碇草(いかりそう)

癌の免疫治療への期待

2016-04-27 19:16:25 | 科学
昨年3月、大阪大学の坂口志文教授(免疫学)はノーベル賞の前哨戦と言われるカナダのガードナー国際賞を受賞された。1985年に「T細胞」と呼ばれる免疫細胞の一部をマウスの体から取り除くと、人間の病気と同じような自己免疫疾患を起こすことから、免疫の暴走を抑えるT細胞がある、と主張されたが、学会では相手にされなかった。1995年に、その免疫の暴走を抑える「制御性T細胞」の目印となるCD25という分子を突き止め、それを論文で発表した。これが海外で受け入れられた。現在では癌が自分の周りにこの制御性T細胞を集めることで、自分を免疫の攻撃から守っていることが分かり、これを考えた治療法が研究されている。今日の共同通信によると、同教授は国立がん研究センター研究所の先端医療開発センターの西川博嘉分野長らと、さらに「制御性T細胞」と遺伝子の特徴が似ているが、働きは全く逆の癌を攻撃するT細胞、「攻撃型T細胞」のあることを見出し、本日付の米国医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表したと言う。人間の身体では毎日5000個もの癌細胞が生まれているとされる。それが発育せずに健康体でいられるのは、人の身体に備わった免疫力によって、癌細胞を死滅させてくれているからだ。従って、何らかの理由でその免疫力が低下すると癌が発育して行くことになる。癌は手術などで取り去っても再発することがある。その再発のメカニズムも最近明らかになって来ている。金沢大学がん進展制御研究所の分子病態研究分野の後藤典子教授は胃癌や大腸癌、乳癌で、「癌幹細胞」が癌治療の放射線や化学療法でも死滅しないで生き残り、休眠状態に入り、何年もしてから、何らかの刺激を受けて、休眠から目覚めて、周囲に癌細胞を作り出す、いわゆる再発に至ることを見出された。つまり、従来の癌治療は癌細胞は攻撃出来ても、癌幹細胞は攻撃出来なかっために、幹細胞は生き残り、再発へと繋がったと言う。今は従ってその癌幹細胞を攻撃する方法に多くの研究者が取り組んでいるようだ。日本人の死因の1位はしばらく癌が占め続けている。これまでは早期発見、早期治療が出来なければ、最終的には命を奪われてしまうことが多かったが、今後はこうした人間本来に備わった免疫力を使った治療が完成することで、救命が可能となって行くことだろう。
黄花片栗

後三年駅

2016-04-26 19:17:45 | 歴史
最近は毎朝が楽しみになっている。庭の山野草たちを含めた花が次々に咲いてくれるのだ。昨年は剪定もしたためか、今年は藤の房が多く、それだけではなく、もう花を開かせて来ている房もある。花は咲かず、葉も落ちていた満作の木に緑の若葉が見えて、とても嬉しくなった。もうダメだと諦めていた。どの山野草も今年は早く咲きそうだが、今のところ敦盛草の芽が見えて来ないのが心配だ。熊谷草の方は既に葉を伸ばして来ているが。 先日、秋田県の武家屋敷のある角館に行く途中で、「後三年駅」の字が目に入った。後で調べてみると平安時代後期の「後三年の役」の戦場のあった地域であった。そのことからそこにあるJRの駅名に使われたようだ。奥州安倍氏に絡んだ戦いだと思っていたので、後三年の役も岩手県で戦われたものと思い込んでいた。しかし、奥州安倍氏を裏切った清原氏は出羽の豪族であったから、戦場が出羽になるのは当然でもあった。陸奥守であった源頼義は単独では安倍氏を滅ぼすことが出来なかったために、安倍氏とは姻戚関係にあった出羽の清原氏を懐柔し、味方に付けた。この清原氏と源頼義によって奥州安倍氏が滅亡させられたのが「前九年の役」である。安倍氏が滅んだ時に安倍氏に組した藤原経清も討ち死にしている。そして、その経清の妻は滅んだ安倍氏の娘で、経清亡き後に敵方となった清原氏に7歳の子供を連れて嫁ぐことになった。その子は清原氏の養子となり、清原清衡と名乗る。清原家の複雑な血縁関係の中で、清衡は義弟とともに義兄と対峙したが、義兄が急死するや、義弟によってあろうことか清衡の妻子が殺害されてしまう。難を逃れた清衡は陸奥守であった源義家を頼り、ともに清原氏と対峙した。この時の戦いが「後三年の役」である。清原氏は当初現在の横手市を流れる雄物川近くの沼柵に籠もり、清衡と義家の軍勢を打ち破った。しかし、その後、15Kmほど北東になる、現在金沢公園となっているあたりの金沢柵へ移る。攻めあぐねた源義家は秤量攻めを取り、勝利を得た。清原氏が滅亡すると、勝者となった清原清衡は父の藤原姓を名乗り、藤原清衡となる。奥羽で敵対するものがいなくなった清衡は居を現在の岩手県奥州市江刺の豊田館に移す。朝廷に馬などを献上することで、中央とのパイプも確保して、奥州藤原氏の基礎を築いて行く。奥州安倍氏は滅亡したが、安倍氏の血脈を持つ藤原清衡によって、再び陸奥に基盤が敷かれた。後に根拠地を20Km南西の平泉に移すが、そこでの居城の構えは清原氏の居城と類似していると言う。藤原清衡は幼い頃から多くの戦いと、そのための身内の犠牲を見て来たために、浄土思想に傾倒して行った。毛越寺や中尊寺の建立はそうした気持ちの表れと見ることが出来るのだろう。
街路樹の花水木

増えるエコノミークラス症候群

2016-04-25 19:15:59 | 社会
今日は朝から良く晴れて、空には釜石ブルーが広がった。庭では一葉、菊枝垂れ、天の川、普賢象、楊貴妃と言った桜が次々に咲いて来た。残念ながら、通常の片栗はまだ咲かず、黄花の片栗が咲いて来た。イカリ草が今年もたくさん咲いて来ている。周辺の山々の落葉していた木々に緑が帰って来ている。淡い緑に淡い桜の花の色が互いに溶け合っている。 共同通信によると、熊本でエコノミークラス症候群と診断された人が35人になったようだ。いずれも入院が必要な重症だと言う。18日には自宅敷地の車中泊で51歳の女性が同診断で死亡している。35人のうち男性は6人、女性は29人となっており、65歳以上は男性が2人、女性は19人だ。女性が圧倒的に多い。熊本県では現在も5万3000人が避難しており、これからも同症候群の予防のために水分補給と足を動かすことを心がけておく必要があるだろう。下肢の動きが少なくなると、普段の生活の中でも同症候群は生じやすくなる。動きが少なくなると下肢の静脈の流れが悪くなり、血液の塊り、血栓が生じ、それが下肢の動きをきっかけに血管内を流れ、一旦は心臓を通って、肺動脈に詰まってしまい、肺塞栓症と呼ばれる極めて重篤な状態になり、命を落とすことにもなる。血液の流れが悪くなるような姿勢を避けて、適度に足を動かし、粘性のある血液に水分を補給することで、血栓の形成を避けられる。ほとんどの病気がそうであるように、普段の生活のあり方が原因となる。従って、ここでも最終的には自己管理、自己責任と言うことになる。病気は自ら予防することが大事で、その予防は誰でもない、自分でしか出来ない。現代医学は昔も今も基本的に一度なってしまった病気の治療が中心であり、病気の予防へはサービス程度の配慮しかなされていない。そのことを十分に理解していないと、必要以上に医療に期待して、かえって、不満だけが残ってしまったりして、精神衛生上もよくない。熊本では今日もM4.4、震度4になる地震が発生しており、中央構造線沿いの愛知県東部でもM4.2の地震が発生している。今後もまだこうした状況は続くだろう。歪みが関連したところでも新たに発生して行くからだ。避難している人たちには様々なストレスもかかってくるため、心身ともに長期間は耐えられなくなるだろう。せめて車中泊を解消する方策を早急に打ち出してもらいたいものだ。
市街地周辺の山

桜三昧の週末

2016-04-24 19:14:39 | 自然
昨日は急遽、秋田県の角館の武家屋敷へ出かけた。桜がちょうど見頃で、とても綺麗だった。途中、岩手県から秋田県へ入ると、岩手県と違って、桜があちこちに見られ、それも大きな木が多く、枝垂れ桜も多い。桜の色もピンクの強いものが多い。南部藩と佐竹藩の気質の違いが出ているのだろうか。角館はさすがに観光地だけあって、この日も昼頃からは人出が多く、海外からのツアー客もたくさんいた。中には自転車で回っている海外の人たちもいた。この武家屋敷の景観はいつ見ても趣がある。近くには桧木内川堤(ひのきないがわつつみ)の桜並木もあり、北上展勝地よりも帰って並木が長いように見えた。角館から同じ仙北市の八津・鎌足(西木町)のかたくり群生の郷へも初めて行った。広大な敷地を回遊しながら見て歩くようになっていて、釜石の大天場山のカタクリよりも赤味が強い色合いだ。田沢湖へも立ち寄ってから盛岡経由で帰った。今日はよく晴れた良い天気で、北上市の農業学校の近くの「一本桜」を見るために出かけたが、まだ蕾であった。代わりに、金ヶ崎町の名木に指定されている千貫石枝垂れ桜を見ることが出来た。1951年に分校跡に植えられたもののようだ。金ヶ崎町のこの近辺を見ていると北海道の道東を思い出す。景観がどこか似ている。遠野の猿ケ石川に沿った桜並木ももう満開になって来ていた。早瀬川にもあまり知られていない桜並木があり、以前、娘とも行ったことがあった。気になって、そこへ行ってみると、やはりもう咲いていて、ちょうど馬たちの姿も見えた。人気のない、こうした桜並木の方が心行くまで満喫出来る。
角館の武家屋敷




広い田園の中に1軒の大きな茅葺屋根の農家があり、ちょうど桜も咲いていた

仙北市のかたくり群生の郷

金ヶ崎町の千貫石枝垂れ桜

遠野早瀬川の桜並木



取り残される被災地

2016-04-22 19:15:44 | 社会
西日本新聞によれば、熊本では市町村が把握しているだけで641の避難所があるそうだ。しかし、把握出来ていない自主避難所も数多く、市町村が指定した避難所との間で支援物資やケアの格差が生じていると言う。これまでにも国内で何度も災害が起きており、何度そうした経験を積み重ねても、こうした支援体制は整わず、毎回同じことが繰り返されるばかりだ。現場に即した支援体制を作ろうと言う中央の意志がなく、あくまでも中央から現場へ指令する支援体制でしかない。そのため常に現場は後手になる支援しか受けられない。釜石で震災時にNPOを立ち上げた方が自身のFaceBookで、支援金が滞っているのは相変わらず、一旦市町村に集められるためで、ある財団だと、そのまま直接現地の個々人に届けるために袋詰めをしていて、今回もその財団だけだろうと書かれている。災害時の支援体制のノウハウが全く生かされていない。政府はむしろ今回の災害を「利用」して、緊急事態条項を憲法改正で新設することを考えたり、オスプレイを現場に投入したりしている。自分たちのやりたいことを優先し、現場の実情を把握して、それに見合った対応をするつもりなど全く考えていないようだ。これまでの現政権の姿勢を見れば、当然と言えば当然なのだろうが。官僚とともに上から目線でしか見ておらず、常に「現状」を把握出来ていない。今後も日本列島では災害は何度も繰り返されるだろう。何しろ世界でも稀な地殻の特徴があり、過去にも超の付く変動が何度も起きていて、むしろそうした変動の真っ只中に入って来ている可能性が強い。日本海溝に沿った断層が原因で、東日本大震災が起きた。その規模からすると、歪みが他の位置でもまだ解消されていない。今回の熊本地震もこの歪みと無縁ではないだろう。地殻レベルでの歪みはマグマへも影響するため、火山の噴火をも誘発する。災害のたびに被災者は同じ苦しみを味合うことになるのだろう。必要な支援が必要な時に得られる体制はいつまでも構築されることはないだろう。
庭の白根葵(白花)

後退する報道の自由

2016-04-21 19:19:33 | 社会
釜石ではもう桜は終わりで、周辺の山々に淡い緑が見えて来た。今は内陸がちょうど桜が満開になっている。遠野では梅が咲き、桜も少し咲き始めたところがある。家の庭でも今年も次々に花が咲いて来ており、延齢草や白根葵までもが開いて来た。やはり、例年より早いようだ。 国連人権理事会が任命した特別報告者で「表現の自由」を担当する米国カリフォルニア大学アーバイン校のデビッド・ケイDavid Kaye教授が今月11日から来日して、政府職員や国会議員、報道機関関係者やNGO関係者らから、報道の自由や特定秘密保護法などについて聞き取り調査を行っていた。この調査は本来であれば、昨年12月1~8日の日程で行われる予定であったが、2週間前になり、突然、日本側からキャンセルされた。国連の調査をこうした形でキャンセルすることは異例のことである。当時岸田文雄外務大臣は「予算編成作業などの関係で、政府として十分に受け入れ態勢を整えることが困難だった」と語っていたが。19日、ケイ教授は日本外国特派員協会主催で記者会見を行い、「ジャーナリストの権利保護」「日本国民の情報へのアクセス」「インターネットの自由」などについて、調査結果を述べた。「特定秘密保護法や、『中立性』『公平性』を求める政府の圧力がメディアの自己検閲を生み出している」とし、「政府に放送局を直接規制する権限を与えた放送法のうち(政治的公平性などを定めた)第4条を廃止し、政府はメディア規制から手を引くべきだ」と訴えた。「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面して」おり、メディアの独立性保護や国民の知る権利促進のための対策を政府が講じるべきだとした。20日には国境なき記者団が2016年版の世界の報道の自由度ランキングを発表している。それによると、日本は180カ国中、ついに72位にまで後退した。2010年には11位出会ったが、年々順位を下げ、安倍政権下では2014年に59位、2015年には61位となり、報道の自由が失われて来ている。自由度ランキングでは「良い状況」(クリーム色)、「どちらかと言えば良い」(黄色)、「問題がある」(茶色)、「厳しい」(赤)、「とても深刻」(黒)の5段階でも表しており、日本は「問題がある」に分類されている。軍事力を強化して、戦前の「日本を取り戻す」考えの首相は社会の体制をも戦前と同様にしたいようだ。憲法を「解釈」で簡単に変える人であれば、報道の自由の抑制などは朝飯前だろう。現在の日本で憂うべきは、こうした為政者たちの姿勢ではなく、その為政者に媚びるメディアの存在だろう。メディアが自らメディアの役割を放棄しているのだから。
報道の自由度

北上川に沿った桜の名所、展勝地 (珊瑚橋の向こうに雪の残る早池峰山と薬師岳が見える)

加齢と筋肉量の減少

2016-04-19 19:11:11 | 科学
人でも動物でも加齢は下肢に最も大きく影響が出る。それは腰部から大腿部にかけての筋肉の衰えによる。人の体の多くを骨格筋と呼ばれる筋肉が占めており、その骨格筋の7割は腰から下にある。20歳で人の骨格筋は量的には最高になり、以後少しずつ減少し、50歳を過ぎるとその減少のスピードが早まる。そしてこの骨格筋には、マラソンなど持久力が求められる運動で鍛えられる遅筋繊維と、短距離走などのようなスピードと瞬発力が求められる運動で鍛えられる速筋繊維の二種類があるが、加齢とともに遅筋繊維はあまり変化しないが、速筋繊維の方が減少して来るために、動きが緩慢になって来る。さらには筋肉量の減少は骨の守りにも影響し、転びやすくなり、転ぶと骨折もしやすくなる。こうした加齢による筋肉量の減少は他方で、体温の低下をも招いている。人間の体温の40%は筋肉から発生している。静かにしている状態で1日に消費されるエネルギー量を基礎代謝量と言うが、筋肉量と人の基礎代謝量は正比例の関係にあり、筋肉量が増えれば基礎代謝量も上昇する。加齢による筋肉量の減少を少しでも防ぐことは、しっかりとした歩行の維持と、体温低下を防ぐことから、免疫力の低下をも防ぐことが可能となる。50年前には人の平均体温は36.9度であったそうだ。現代では36.5度に達しない人がたくさんいる。平均体温が37度の人と35度の人とでは免疫力は60%も違ってくると言う。また、体温が1度下がると免疫力が37%、代謝が12%下がるとも言われる。癌細胞は35度台で最も活性化するとも言われており、その意味でも筋肉量を増やし、体温低下を食い止めることが重要になる。鹿屋体育大学の福永哲夫学長によれば、肥満傾向をいわゆる食事のダイエットによって解消することは間違っていると言う。食事を減らせば、確実に体重は減少するが、その時、筋肉量も減少し、体脂肪率は現状維持か、場合によっては増えてしまうことさえあるそうだ。同学長によれば、筋肉量の低下はあらゆる病気を引き寄せると言う。従って、健康な肥満の解消法は自分にあった運動をすることだ。特に大腿部の筋肉を増やすことが効率的である。運動も道具を使わないで室内で簡単に出来る方法もある。その方が長続きするだろう。継続しなければ意味はない。
山の桜

中央構造線をたどる地震

2016-04-18 19:14:13 | 科学
昨夜からの春の嵐は朝まで続き、いつものように始発からのJR釜石線をストップさせた。同じ風は醤油工場裏の山でも桜と辛夷の花を散らせてしまった。そんな中でも、今日もまたメジロたちの声が聞こえて来た。昼休みに八幡神社へ行くと、鳥居のそばには桜と山吹が咲いていた。 中央構造線に沿って起きた地震は当然その構造線に沿った所に新たな歪みを生み出して行く。熊本、阿蘇、大分と三か所にわたって地震が起きるのも構造的には予想し得ることだ。四国や紀伊半島への波及もあり得るが、立命館大学の歴史都市防災研究所環太平洋文明研究センター高橋学教授によれば、今回の地震は相前後して発生している環太平洋での各地の地震とも無縁ではなく、そうした地震をも見て行く必要があると強調される。実際、アメリカ地質調査所US Geological Survey の「Latest Earthquakes]を見ると太平洋プレートやフィリピン海プレートに沿った所での地震が頻発している。同教授は、さらにはこの熊本に発した地震は、南海トラフの巨大地震の前触れになるかもしれないと危惧されている。2011年の東日本大震災ではその3年ほど前に、前触れとして岩手・宮城内陸地震が起きていることと類似していると考えておられるようだ。4月1日にはすでにM6.1の地震が紀伊半島沖で、4月10日には兵庫県神戸市南東部の六甲断層系でM4.3とM3.5の地震がそれぞれ発生してもいる。同教授は「熊本地震を単体のものとしてとらえず、日本全体の「危機の前兆」と認識し、対策を講ずる必要がある」とされる。内陸地震は建物の倒壊が被害を大きくする。従って、避難も屋外へと移動することになるが、日本の中枢に居座って、頭だけで考える政府関係者は屋内避難を訴える。現実を全く見ていない。あれほどの東日本大震災も政府関係者には何も学びとはなっていないようだ。天災では国を頼りには出来ない。自らが「今を生きて行く」方策を考えて行くしかない。日本列島には無数の断層があり、4つものプレートが集中することで、世界でも極めて、地質的に不安定な列島となっている。これまで、ただそのことを忘れたり、伝えられていなかっただけである。そんな列島に50基もの原発がすでに建てられている。この事実を含めて、今後日本列島には様々な天変地異に見舞われることになるだろうが、その結果はもはや甘んじて受け入れるしか、手立てはない。
USGSの最近の地震図


山吹と桜

自然も常に変わっている

2016-04-16 19:18:02 | 自然
釜石の桜はどこもほぼ満開で、一部は風で花びらが舞うところも出て来た。庭の鉢植えの花たちも冬の間はひっそりと影を潜めていたが、この時期になると新芽を出したり、枝に若葉が出始めて来たりしている。2年前の春、ある園芸店で「紅華桜」と書かれた鉢植えの桜に惹かれて、買ってみることにしたが、お店の人から、この木はダメかも知れません、と言われた。半額でとりあえず譲ってもらったが、結局、その年も枝には新しい葉も出ず、昨年も全く変わらなかった。やはりこの木は枯れたのだろうと、諦めたが、捨てないでそのまま放置していた。昨日の朝、ふと庭木を見ていると、この「紅華桜」の枝に緑の葉が育って来ていた。それを見つけた時には感激してしまった。すっかり諦めていたからだ。この「紅華桜」に限らず、他の山野草などでもダメかと思っていたもの、諦めていたものが春になるとちゃんと芽を出してくれたりする。植物の生命力には感心させられる。鉢植えなので、冬には土も凍っていることが多いだろう。庭に霜柱が見られる間は、水をやることも出来ない。朝の気温が3度以上になって来ると、雨が降ると嬉しくさえなって来る。先日は少し遅くなったが、庭の花木に肥料を少し施しておいた。住田町の敦盛草の保護指導をされておられる方が勧めてくれた肥料だ。何年か前から蓮も育てるようになったが、その蓮には煮干しが栄養になることを初めて知った。実際、煮干しを幾つか蓮の鉢の中に入れておくと、去年は2000年前の過去から蘇った大賀蓮が初めて花を開いてくれた。東北に来てから、毎年、この時期から秋の終わりまでは花木や山野草で季節を楽しませてもらっている。
枝垂れ桜も染井吉野に少し遅れて咲いて来た