釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「キエフの小児病院爆破は自暴自棄の行動だった。誰が最も自暴自棄になっているのか?」

2024-07-11 19:17:54 | 社会
8日のウクライナ、キエフの小児病院のミサイル被弾について、日本や欧米の主要メディアは一斉にウクライナ政府発表をそのまま報じている。ネット上では、すでにミサイルがウクライナ政府が主張するロシアのkh-101ではなく、米国とノルウェイによって開発され、ノルウェイがウクライナに供与したNASAMS防空ミサイルであることが、ミサイル着弾時の動画のミサイル形状分析から明らかにされており、しかもロシアのkh-101は火薬量は400Kg以上あり、破壊力は凄まじく、数千人以上の犠牲者を出していただろう。NASAMS防空ミサイルの火薬量は20Kgだ。メディアに流されている着弾直後とされる動画がブチャやマリューポリの「虐殺」と同じく、ウクライナ側のセット撮影であることもネット上で確認出来る。昨日のPEARLS AND IRRITATIONSに、オーストラリア政府の政策・戦略に30年以上携わった後、2020年の定年退職まで南オーストラリア大学で教鞭をとったトリシャ・ドリオリTrisha Drioliの「The bombing of a children’s hospital in Kyiv was an act of desperation. Who is most desperate?(キエフの小児病院爆破は自暴自棄の行動だった。誰が最も自暴自棄になっているのか?)」が載った。


子供たち、特にガンを患う子供たちのいる病院を爆撃するのは、絶望的な行為だ。では、今一番必死なのは誰なのか?プーチンが必死なのか?そうでもない。米国やヨーロッパは必死なのか?そうだ。私の論理はこうだ。


ロシアは、この軍事作戦の30カ月間、病院への爆撃を避け、代わりに戦略的軍事目標に焦点を当てて来た。2023年10月以降にガザで破壊された死と破壊(そして30近い病院)と比べてみてほしい。プーチンを邪悪な狂人として描く極端なプロパガンダを信じない限り、突然病院を爆撃することは、戦略的意図がまったくない行動だろう。

プーチンは、この紛争が地上での熱い戦いだけでなく、情報戦でもあることを理解している。病院への攻撃は、世論をプーチンに敵対させ、米国やEUを支持させ、ウクライナへの軍事援助拡大への支持を集めることは否定出来ない。潮目が変わりつつあり、ヨーロッパの国民感情が反戦の方向に強く動いている中で、なぜロシアはさらなるロシア恐怖症を引き起こしたいのだろうか?

この自暴自棄な行動は、世論を動かすために計算されているように思える。両大陸の選挙は、米国の世界的覇権を維持し、(何人かが公然と示唆しているように)ロシアを管理可能な小さな部分に分割するというネオコン、戦争タカ派の計画を混乱させる可能性がある。

一方、プーチンは世界の指導者たちから支持を集めている。現在BRICSの議長であるプーチンは、サウジアラビアのような既存の大国だけでなく、インドネシアから中国に至る新興の世界的指導者たちとも積極的に対話を行っている。例えば、モディ(インド首相)のモスクワ訪問はインドで熱烈に報道され、米国を苛立たせているロシアとインドの長年の友好関係に焦点が当てられた。インドがロシアとの関係を断ち、石油やガスの購入をやめることを拒否していることは、米国の影響力の限界を浮き彫りにしている。さらに、ベラルーシの上海協力機構(SCO)加盟に伴う北京での最近の話し合いは、米国の覇権主義に対抗する同盟関係の高まりと、世界通貨としての米ドルからの脱却を意味している。また、BRICSの規模と協力の可能性の拡大は、これまで大国に屈服していた小国からの反対意見を耳にすることが多くなり、米国の戦略家たちを不安にさせていることは間違いない。

そしてヨーロッパである。ドイツをはじめとするEU首脳が「無条件降伏」が和平への唯一の道だと語る一方で、ハンガリーのビクトル・オルバン首相は水面下で協議を少しでも現実に近づけようと努力して来た。オルバンは最近、和平交渉について話し合うためにプーチンとゼレンスキーを訪問し、他のEU首脳からの厳しい批判にもかかわらず、EUの利益を擁護した。オルバンは、11月にトランプが当選した場合、この会談の要点をトランプと共有し、危機の終結に貢献することを計画している。ヴィクトール・オルバンとドイツのジャーナリストで戦争評論家のパウル・ロンツハイマーのインタビューをご覧下さい。

地上では、ロシアは絶望的な状況にあるわけではなく、多くの前線でゆっくりと、しかし確実に動いている。一方、米国とNATOは、武器や人員の不足であまりうまく行っておらず、ベトナムのような泥沼が再び発生するリスクは日々高まっている。欧州の選挙では、反戦、平和希求、紛争終結を望む国民の声が高まっている。しかし、NATOとEUは戦争推進のレトリックに固執し、国民の支持を失い、おそらくプーチンをさらに悪者にする必要性を感じているのだろう。

しかし、論理だけではすべてを語ることは出来ない。証拠が必要なのだ。今のところ提示されている "証拠"-爆心地からミサイルの部品が発見され、誘導装置も無傷で、シリアルナンバーも確認出来た-は、9.11のテロリストの一人のパスポートがツインタワーで都合よく発見されたことを彷彿とさせ、非常に疑わしい。当時私たちは、100階建てのビルを溶かすほどの高温の爆風が、紙の冊子のパスポートを生き残らせると信じるよう求められていた。今、私たちは、識別可能で判読可能なシリアルナンバーを備えたミサイルの残骸が、同様の爆風に耐えて生き残ったことを信じるよう求められている。

昨日(キエフの病院が爆破されたのと同じ日)、NATOの指導者たちはワシントンで75周年を祝う会合を開き、太平洋への拡大について話し合っている。敵から防衛する緊急の必要性を示すことで、その存在を正当化することは、彼らにとって戦略的に有益だろう。憎悪に満ちた非合理的な敵は、この目的を果たすのに最適な種類だろう。

最後に、ロシア当局は関与を否定しており、ウクライナの誤爆であったことを示唆している。現在の地政学的状況(ロシア、中国、BRICS、SCOと連携している国も多く、ウクライナに友好的な米国大統領が今年後半にホワイトハウスに就任する可能性もある)を考えると、今回の攻撃はロシアというよりむしろウクライナ/NATOによって行われたというのがもっともらしく思える。

こうした疑念や疑問を忘れないでほしい。見え隠れする他の意図を思い出してほしい。ツインタワーの計り知れない瓦礫の中から奇跡的に発見されたパイロットのパスポートや、キエフですぐに見つかったミサイルのシリアルナンバーを思い出してほしい。ビデオに映し出されたミサイルは、意図的に目標に槍で突き刺すのではなく、「空から降って来た」のだ。東南アジアでの10年にわたる戦争の引き金となったトンキン湾での非攻撃を思い出してほしい。

誰の悪意か、誰の無能か。時間、理性、そして調査が歴史の評決を明らかにしよう。我々は関心をもって待ち、見守る。

百日紅

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