釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

三陸のアウターライズ型地震

2012-12-08 19:17:14 | 自然
今朝は庭の水たまりに氷が張り、霜柱が立っていた。小雪が舞う中でまた黒い影のようなものが飛ぶのが目に入った。いつものミソサザイだ。黒っぽい茶褐色のミソサザイは身体に丸味があって可愛いいが、素早い動きのため、まるで忍者の動きのようで、ほんとうに影が動いているように見える。昼前から少し日射しが射すようになった頃、こちらも常連となったジョウビタキの雄もやって来て、しばらくさえずっていた。風もあって日が射しても外に出ると寒い。周辺の200m以上の高さの山の部分はすっかり白くなっている。手前に見える山の後ろに聳える愛染山は見える範囲はすべて雪を冠ってしまった。午後には強い風に流された雲が消えて、青空が広がり、頃合いを見計らって、また八幡神社のモミジを見に行った。冷たい風が吹いていたが、日射しを浴びたモミジはまだ見事な色合いを見せてくれていた。 昨日17時18分に起きたM7.3の地震は震源地が三陸沖、牡鹿半島の東240kmの地点で、深さが10Kmと浅かった。昨年3月11日のプレート境界型の巨大地震の後で起きやすいと言われていた、いわゆるアウターライズ型地震であった。日本海溝より米国よりの太平洋(日本海溝の外側=アウター)で発生し、震源は浅く、揺れが少ない割に大きな津波が起きやすいタイプだ。昨年の地震では日本海溝付近で陸側の北米プレートと海側の太平洋プレートの押し合う力に寄る歪みが開放され、海側のプレートが海溝下で大きく沈み込んだ。そのため海側のプレートには東西に引っ張り合う力が生じていた。その力によって断層のズレが起きるのが今回のようなアウターライズ型地震だ。1933年(昭和8年)3月3日の大津波を伴って死者・行方不明者3,064人を出したM8.4の昭和三陸地震と同じアウターライズ型地震だ。比較的浅いところで断層のズレが起きて、米国よりの部分が隆起(ライズ)することで、海水を持ち上げ、津波を発生させる。昭和三陸地震では大船渡市綾里で最大28mの津波を観測している。この地震の前後でも1931年 3月9日と1935年10月18日にM7を超える地震が発生した。昨年の3月11日の地震では2日前の3月9日11時57分に三陸沖でM7.2の前震が起きている。その前震の後、3月11日の本震までにM4以上の三陸沖を震源とする地震が35回発生している。また、昨年の本震から約40分後にはM7.5の、さらに約1年後の本年3月14日には三陸沖でM6.8のアウターライズ型地震がすでに起きている。同じ地震エネルギーであっても、当然ながら、震源からの距離が遠いと揺れは小さくなり、場合によっては揺れを身体で感じなくなる。アウターライズ型地震は震源地が日本海溝よりさらに米国側になるので日本列島との距離が離れる。従って、小さな揺れは感じなくなる可能性もある。気象庁はこうした無感地震、揺れを体感出来ない地震は公表しない。しかし、米国内務省に属するアメリカ地質調査所USGS(United States Geological Survey)は無感地震を含めた地球上で発生したすべての地震を公表している。それを見ると、昨日のM7.3の地震の前後でもやはり、列島からの距離が200Km以上離れた日本海溝より米国よりでM4以上のアウターライズ型地震が続いて起きている。昨年3月11日の本震と3月9日の前震の間には51時間の開きがある。そのことから、今回も12月9日に警戒をする必要性があると訴えている人もいるようだ。東北大学の津波工学を専門とする今村文彦教授も昨日の地震に対する毎日新聞のインタビューに答えて、「時期は分からないが、(東北沿岸では)今後もさらに大きいアウターライズが起こる可能性がある。」と言われている。
風雨に耐えて残っていた庭のモミジ

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