釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

カメラと言う工業製品

2012-12-09 19:15:56 | 社会
今朝も庭に氷が張り、霜柱も立っていた。昼頃から青空が広がって来たが、同時に冷たい風も強くなって来た。ジョウビタキもやって来たが、今日はすぐに飛び立って行った。庭に出ても手がすぐに冷たくなって来るので、長くはいられない。せっかく晴れてくれたが、そんな状態なので今日は八幡神社へ出かけるのは諦めた。強い冬型の低気圧が来ているようで、日本海側は大雪になるところが出るようだ。近くの山々もほとんど葉が散ってしまって、山の尾根には馬のたてがみのように見える木だけが並んでいる。近所の駐車場には内陸からやって来たと思われる車が落として行った雪が、日中も融けないでそのまま残っている。 釜石は交通が不便で、そのため街としての発展も他の東北地方と同様に遅れているのだろうが、釜石はさらに土地が狭い。大げさに言えば、ちょっとした陸の孤島と言ったところがある。しかし、それ故に、かえって釜石が気に入っている。繁華街もなく、確かに何も無いと言えば、何も無い。そのため、休日は自分の時間としてたっぷりと使うことが出来る。物を買うことも含めて、情報はすべてインターネットから得られる。写真を撮っているうちに古いレンズの独特の写りに惹かれ、こつこつとオークションで集めるようになった。古いレンズを集めていると、同じく古いカメラのデザインにも惹かれるようになり、やはりオークションで少しずつ古いカメラも集めるようになった。古いレンズやカメラの情報もネットからたくさん得られる。さらに詳しく知りたい時は、古書を検索して、古書を手に入れることも出来る。場合によってはそうした古書もオークションで手に入る。古いカメラも最初は日本のものだけであったが、他国の古いカメラにはデザインやメカニズムにさらに個性があることを知って、そうしたカメラまで手を付けるようになった。ドイツ、フランス、イタリア、ハンガリー、チェコスロバキア、旧ソ連、中国、米国、とだんだん広がって来てしまった。どれもそれぞれ個性がある。フランスやイタリアはデザインがとても良く、ドイツは無骨だが、メカニズムがしっかりしている。ハンガリーやチェコは第二次大戦中にドイツに占領されていた関係で、ドイツ的な技術の高さが意外にも伝わっていて、結構優秀なカメラを造っている。レンズも個性がある。しかも、旧ソ連のものと同様に価格も安い。価格で言えば、やはり共産圏にあったところのものは安い。無論、造りも悪い部分がある。旧ソ連のものが面白いのは、同じシリーズのカメラであっても造られた時期によって、造りが異なっていることだ。非常に力を入れて造った時期のものは、ドイツに近い品質のものがある。やがては、かなり手を抜いて行くことになるが。第二次大戦中はカメラの技術力はドイツが秀でていたため、各国ともドイツを真似た。英国や米国さえ。日本でも同じ状況で、今は現存しない小さなカメラ会社がたくさんあった(戦後間もなくの最多時期には500社を数えた)。いずれもがドイツのカメラを模倣した。恐らくその頃の日本が一番カメラ会社が世界でも数の上では最も多かっただろう。それがやがて淘汰されて行き、現在のような数になって来た。自動車もほぼ同じような事情で発展して来た。自動車の場合は英国やドイツ、米国などの車を模倣したのだろう。こうした自動車やカメラもいずれは今懸命に模倣している中国が中心になって行くだろう。日本のカメラメーカーは中国で生産工場を持っている。技術は確実に中国に残って行く。米国のコンピューター技術者の大半がインド人になっており、インドは急速にコンピューター技術を伸ばしている。やがてインドも頭角を現して来るだろう。日本が辿った道をインドや中国、ブラジルが、今、歩いている。
寒風の中の紅葉

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