釜石の日々

超巨大海底火山の痕跡

今朝は久しぶりにすばらしく晴れ上がっていた。見渡す限り、まさに雲がまったく見られなかった。朝の気温は17度で、エゾゼミと虫が鳴いていた。さすがに日中は26度まで上がって来て、涼しい風が吹いていても、日射しの中を歩いていると、少し汗がにじみ出て来た。朝よりは白雲が流れるようになったが、それでも清々しさがあり、とても気持ちが良かった。久しぶりの晴れ間というせいもあっただろうが。薬師公園の入口に上がってみると、まだ紫陽花が咲いていた。市街地の街路樹ではナナカマドの実が赤くなって来ている。今月末には岩手の比較的高い山々では紅葉が見られるようになる。これから駆け足で本格的な秋がやって来るのだろう。 2011年の津波のように、我々は陸に影響を与える自然現象や火山の噴火など、目に見える自然現象につい注意を奪われてしまう。しかし、この地球上の普段見ることのない海の中ではまだまだ未知の自然現象が潜んでいる。6日の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版は日本の東方1600Kmに超巨大火山が発見されたことを報じている。そこにはシャツキー海台と呼ばれる、いわば、海底の巨大な台地があり、火山が形成されていることが以前から知られていた。そこを国立科学博物館、海洋研究開発機構、東京大学、テキサスA&M 大学などが調査していた。科学誌ネイチャーでは国立科学博物館や米ヒューストン大などの研究チームがこれまでシャツキー海台の火山群だと考えられていたものが、実は一つの超巨大な火山であったことを発見した、ことが報じられている。海底掘削で採取された岩石試料のデータと、調査船の深部地震探査装置で得られた海底地図を組み合わせた結果判明した。いくつかの火山群ではなく、超巨大な単一の火山であった。タム山塊(Tamu Massif) と名付けられた。現在、太陽系内で最大の火山とみなされている火星のオリンポス山に匹敵するもので、地球上では最大の火山と言うことになる。火星のオリンポス山は標高が2万mに達するのに対して、タム山塊は海底から3500mで富士山ほどの高さだが、海底の地殻内には30Kmもの深さまで「根」を張っており、体積では4分の3になる。そして、タム山塊は日本列島の8割を占めるほどの超巨大な火山である。約1億4400万年前の噴火で吹き出した溶岩が盾状に固まった単一の巨大な丸いドームから成っている、と言う。その後の活動はないものと考えられており、死火山と判断されている。1億4550万年前の前期白亜紀から形成された太平洋プレート上にはたくさんの火山群が海底に認められている。関東から東北にかけての沖合だけでも、火山活動によって形成された、襟裳海山、拓洋海山、常磐海山列の海山群があり、2006年にはその地域にまた新たな600万年前の海山が発見されている。そして、世界の海底にはタム山塊のような火山系は十数個あると言われる。世界最大のオントンジャワ(Ontong Java)海台はフランスほどの大きさがあり、これなども十分にまだ調査されていない。2011年にも南極の沖合で、南米アルゼンチン南端から東へ1000Km以上離れた海底で、一部は高さ3000mに達する火山が十数個連なっているのが発見されており、2012年には香港の地下に1億4000万年前に噴火した超巨大火山が存在することが発表されている。カルデラのの直径は18Kmにも及ぶ。太平洋プレートが生まれた頃は現在とはスケールの違う超巨大な火山の噴火があったようだ。プレートが冷えて来ることで規模が縮小して行ったのだろう。
今なお咲く薬師公園の紫陽花
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