釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

人と犬

2012-09-06 19:25:59 | 歴史
釜石でもまだ向こう1週間は30度の日が続くようだ。今日は雲の多い日だが、昼休みに外を歩くと汗ばんで来る。朝晩は涼しくなって来たが、日中は風があっても身体を動かすとやはり暑い。ここのところ規模は大きくはないが体感できる地震がまた増えて来ている。子供の頃に家では犬を飼うことが多く、一時は猫まで飼っていた。そのためか犬がいることが自然になり、これまでもよく犬を飼っていた。人と犬の関係は古く、縄文時代にはもう犬は人の生活の中に入っていた。2万年前くらいの犬の骨が発見されており、飼い犬のルーツは以前は東アジア、主に中国の狼から分岐したとされていたが、2010年に米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームによって現代のイラクやシリア、レバノン、ヨルダンにまたがる「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる地域で、「飼い猫や家畜の飼育が始まり、農業が最初に発達したのと同じ場所」だということが明らかにされた。ほとんどの犬が中東のハイイロオオカミと固有の遺伝子マーカーを多く共有していた。狼が人に飼われることで現代の犬に変化して来た。生物が進化する原因を突然変異によるものとする考えがあるが、突然変異の確率は1億分の1だと言われ、これでは進化のスピードが説明出来ない。突然変異だけでは進化が遅過ぎる。ロシアの科学アカデミーでは警戒心がもともと強いキツネを使って、人に慣れやすい個体同士を交配して50世代で85%の人に慣れやすいキツネを生み出したそうだ。家畜遺伝学の田名部雄一岐阜大学名誉教授によれば3万年前ぐらいから狼が人に飼われ始めたのではないかと言われている。同名誉教授の研究によるとHbA遺伝子は特殊な遺伝子で、世界の犬の中でエスキモー犬だけが100%を占め、他には韓国の離島・珍島犬・済州島および日本の犬がそれぞれその遺伝子を何%かずつ保有している。他地域の犬たちはすべてHbB遺伝子なのだ。何故、日本の犬たちはエスキモー犬のHbA遺伝子を持っているのだろう。『東日流外三郡誌』によれば阿蘇部族が先住していた津軽の地に後から津保化族がやって来た。津保化族は紋吾呂夷土民で、バイカル湖付近にいた津保化族の先祖がアラスカを通って南北の米大陸へ移動した。米国インディアンや南米のインディオたちにその血が受け継がれている可能性がある。米大陸へ移動した津保化族の一部は「はるけき太古に祖々の渉りき故国、西に在りとて伝ふるに、そを見届けなむに氷海千里の旅ぞ冒したるに、着たる国ぞ東日流宇曽利の地なりとぞ曰ふ。」「移りきときに於てをや、島なす大筏を組にして、馬を積み、海漂八十五日を経むに、飢もせず、乗人死もせず安着せし処をヌカンヌップ即ち、都母と称し、自らを津保化族と号せしは、故土の称なりと曰ふ。」とあり、西にあると言う先祖の故地を目指して大筏で旅をして青森県のヌカンヌップにたどり着いている。この旅は4万年前の出来事とされ、以後もアラスカ=角陽国との交流が続いているので、その中でエスキモー犬が津軽へ連れて来られた可能性がある。そのエスキモー犬の血が現代まで日本の犬たちに残されているのかも知れない。岩手県にはかってマタギ犬としての「岩手犬」がいたそうだ。今は絶滅してしまった。人の生活とともにいた犬たちの歴史を調べることで人の歴史をも見出せる可能性がある。日本人はどこから来たのか。
西洋風蝶草 風に舞う蝶に似ていることから付けられた名

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