釜石の日々

東日本の火山も要注意

今月23日に標高2171mの、群馬県と長野県の県境にある本白根山が噴火したが、昨日、気象庁は宮城、山形両県にまたがる蔵王山で火山性微動を観測したと発表した。山頂の南方向が隆起した。蔵王山には馬の背カルデラがあり、噴気や火山ガスの噴出がみられている。2011年の東日本大震災後、中部日本の御嶽山や九州の桜島、阿蘇山などの火山活動が活発になっているが、東北や北海道でも八甲田山、十和田、有珠山で火山性微動や膨張が観測されている。これらの近くには青森県六ヶ所村の再処理工場や大間、東通原発があり、有珠山は泊原発に影響を与える距離にある。四国の伊方原発、九州の川内原発は活断層が真近であり、直下型地震や阿蘇山の大規模噴火があれば、大きな災害が発生する。日本には111の活火山がある。それらのうちの37の火山が16ヶ所の原発に影響を与える範囲にある。火山の噴火は原発を直撃することはないが、噴火で発生する大量の火山灰が原発の電気・通信システムを麻痺させ、原発はコントロール不能に陥る。核燃料の核分裂で発生する熱を冷却し続けなければならない原発にとって、冷却不能に陥ることは致命的な事故になる。福島第一原発事故や震災後の原発の再稼働に見られるように、国の安全審査などとても甘い。再稼働ありきが大前提であるからだ。2万を超える活断層と100を超える活火山がある日本列島に54基もの原発や多数の使用済み核燃料棒が集積する再処理工場がある。東日本大震災は多くの研究者たちに日本は今、地殻の大変動期に入ったと気付かさせた。平安時代と江戸時代には大地震や富士山をはじめとする各地の火山の噴火が連動して発生している。NHKも報じたように震度1以上の地震の数はいまだに震災以前に比べて多い。釜石でもしばらく減っていた地震がここ何ヶ月か増えて来ている。まるで震災前を思わせるような頻度だ。揺れがさほど大きくないために、忘れてしまうが、数だけは確かに増えている。立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学教授によれば、「2011年の東日本大震災以降、太平洋プレートと北米プレートの摩擦が強まり、このためプレートが溶けてマグマが生産され、関東から北海道にかけての火山が活発になっている。火山性の微動が起きていたり、マグマの熱から生じるガスや水蒸気で山全体が膨らんでいる火山は要注意です」と言う。
氷柱
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