小雨模様の日だが先日の寒さは遠のいている。以前は近くによく来ていたイソヒヨドリは最近見かけなくなった。毎朝可愛い声で鳴いてくれたのだが。ヒヨドリと名前が付いているが、ヒヨドリの仲間ではなくツグミの仲間だ。背中のくすんだ独特のブルーが印象に残る鳥だ。岩手は花にとって気温がちょうどいいのか花が長く咲いてくれるが、庭の紫陽花もとっくに終わってはいるが今だに額紫陽花の額の部分が赤く変色はしていても落ちないでそのまま残っている。葉も青々として新鮮なままだ。一時は氷点近くまで下がり、強い風も吹いたが庭の片隅には今も野菊まで咲き続けている。今日の復興釜石新聞では釜石市がスマートコミュニティを検討している記事が出ている。省エネと再生可能エネルギーを使ったコミュニティを目指すために一橋大学の協力を得るようだ。岩手県は日照時間では全国の40位ほどでむしろ少ない。しかし岩手県は標高400m以下の比較的なだらかな山地からなる北上山地だけで県内の3分の2を占めており、この他に西端には奥羽山脈もある。広い範囲の山地を利用することで太陽エネルギーも含めた再生可能エネルギーを得ることができる。福島第一原発事故以前の岩手県の自然放射線は日本地質学会の図で見ると比較的少ない。今は当然文部科学省の航空機によるモニタリング結果を見てもかなり変わってしまっている。民主党の参議院議員森ゆうこ氏のHPの「日本各地の日常食中に含まれるCs-137の量」を見ると、1987年のチェルノブイリ原発事故以前には各国の核実験により日本へ拡散したセシウムが漸減していたが1987年に再び増加し、2009年頃にはかなり減少して来たことは確かで、森ゆうこ氏は「2010年3月現在、日常食中のCs-137は1970年代の1/4程度のレベルです。」と書いている。日本には世界の核実験以来自然放射線以外にも常時人工放射線が滞留しており、今回の福島第一原発事故で一気にまた人工放射線量が増えている。チェルノブイリからのデータでは成人の発癌影響が出るのに25年かかっている。財団法人がん研究振興財団の1947年~2009年までの「主要死因別粗死亡率年次推移」を見ると脳血管疾患が減少して来ているのに対して悪性新生物は直線的に増加し続けている。心疾患、肺炎も悪性新生物ほどではないがゆるやかに増え続けている。22日日本記者クラブで来日したロシア国立小児血液・腫瘍・免疫研究センター長のアレクサンドル・ルミャンツェフ教授が講演し、原発周辺のベラルーシで2003年に亡くなった子どもと成人を検体したところ、脳や肝臓、腎臓、甲状腺など調べた八臓器全てからセシウム137を検出したと述べている。医療が進んだ日本で何故悪性新生物が、また心疾患や肺炎が増え続けているのか。セシウムが体内に取り込まれると甲状腺に圧倒的に多く、次いで副腎・膵臓・胸腺などにも取り込まれ、化学的にカリウムと似ているため心筋にも取り込まれ易い。心疾患や免疫低下は十分可能性がある。福島県放射線健康リスク管理アドバイザーで福島県立医科大学副学長となった山下俊一氏は「ニコニコ笑っていれば放射能の被害は受けません。クヨクヨしていれば受けます」、「毎時100マイクロシーベルト以下ならいずれにしろ健康に害はありません」と福島県民に対して発言して来たことで知られるが、氏自身は1991年以後チェルノブイリでの調査も行っており、「地域の汚染と体の汚染はパラレルであり、地域の汚染が続くと体内の汚染も続く」「セシウム高汚染地帯の汚染食品上位は肉(牛肉・豚肉)、キノコ・ベリー類、ミルク、野菜(特にアブラナ科)で、肉・キノコ・ミルクを摂取した場合はしない場合の3倍の体内汚染が認められる」という報告を出している。しかし、ベラルーシの野菜の基準値は185bq/Kgであるのに対して日本では500bq/Kgと高くなっている。放射性核種はたとえそれが微量であっても継続的に長く居住域に存在し続ければ、食物や飲料水を通じて体内に入り、それらを完全に体外へ排除できるまで進化していない人体では徐々に蓄積されて行く。放射性物質の除去、除染が容易でないことは福島県でも問題になっていることから明らかだ。2009年9月9日、玄海原発のある玄海町に隣接する佐賀県唐津市の市議会定例会議一般質問で保健福祉部長は「平成19年度で人口10万人あたりの白血病の死亡率は、全国平均6.0人、佐賀県9.2人、唐津保健福祉事務所管内16.3人と高くなっている。なぜ高くなっているか県で把握できていない。」と答えている。20年来チェルノブイリ近郊の汚染地域で活動して来た核戦争防止国際医師会議 IPPNWのドイツの医師ドルテ・ズィーデントプフ(Dörte Siedentopf)氏はドイツのニュース専門チャンネルn-tv オンラインで「セシウムは遺伝細胞にも存在します。厄介なのはセシウムが女性の卵巣や卵細胞にも取り付くことです。これらは再生しない細胞なので、生涯傷つくことになります。・・・日本の責任者達はとっくに女性や子供を南に移住させていなければなりません。何故彼らがそれを実行しないのか、私には皆目理解が出来ません。将来大量の白血病が出現するでしょう。今回のセシウム雲は日本人にとって大変な惨劇です。しかもその他の放射性核種についてはまだ何もわかっていないのです。」「私達はあまりにあっさりと、低線量被曝を受けた人々の間に長い年月に渡って広がっていくことになる病気を忘れてしまいます。」「(チェルノブイリでは)当時の大人は25年間生き延び、今病気になっています。私達はそれを”静かな死”(Das leise Sterben)と呼んでいます。」と語っている。
庭の額紫陽花
紅葉していく庭の雨に濡れたモミジ