釜石の日々

栗の枝

お盆が過ぎて少し気温が下がったように思うが職場の昼休みに周辺を少し歩くとやはりまだ汗がにじんで来る。近くの薬師公園からはミンミンゼミの鳴き声に混じってメジロたちの声も聞こえて来た。釜石では今、夏の花である百日紅(さるすべり)と木槿(むくげ)が盛んに咲いている。お盆休みは家人もいないし、のんびり家で過ごしたが、一人だと食料の買いだめがかえって無駄が多くなることを学んだので、毎日近くのスーパーへ出かけた。その時、スーパーの入口にお盆用の品がいくつか並べられていた。その一つに栗の枝があった。レジでもそれを買った人が結構並んでいた。お盆に何故いがぐりの付いた栗の枝が必要なのか。栗の枝を買ったお年寄りに尋ねてみたが何故お盆に栗の枝を使うのかはよく分からないと言う。ネットで調べると岩手の独特の風習のようだ。盛岡にある県立博物館でも由来が分からないようだ。墓所や仏壇の前に作られた精霊棚のそばに栗の枝が置かれる。千葉県の佐倉市の一部では小正月のどんど焼きの際に栗の枝に餅を刺して焼いて食べるそうだ。岩手のお盆の際の栗の枝は職場の匠の方の一人にうかがうと「魔除け」として使っているというお話だった。いがぐりの「いが」が確かにイメージとして「魔」を寄せ付けないというのも納得できそうだ。自然が豊かな岩手には自生する栗の木も多く、それもあって、いがぐり付きの栗の枝が「魔除け」として使われるようになったのかも知れない。


白い木槿(むくげ)の花 花は芙蓉に似ているが葉は全く異なる
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