釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

山の秋

2018-11-12 19:12:15 | 自然
今年の秋の紅葉は全体に遅いようだ。岩手では内陸の紅葉が先に始まり、沿岸部がその後に続く。大船渡市の大窪渓谷はいつもは10月20日過ぎ頃に見頃になるが、今年は11月にずれ込んでいる。久しぶりに釜石へやって来た娘に、大窪渓谷の紅葉を見せることが出来た。同じ紅葉の写真を撮っても、撮り方はそれぞれ異なる。そこがまた写真の楽しいところでもある。以前、一人で行った時には、渓流のそばまで降りて行かなかったが、娘がいたせいか、いつの間にか渓流のそばまで降りていた。写真を撮り歩くにはそこそこの体力を要する。この時も、普段のウォーキングの恩恵を受けた。撮り終わって、下から斜面を登るのはそれなりにキツイものがある。2011年の東日本大震災直前に偶然釜石へやって来て、そのまま2年ほど釜石に留まっていた娘は、その間に多くの知人、友人が出来た。今回も、そうした人たちと出会い、また、様々なアドバイスもいただいているようだ。来週には米国の娘の友人も釜石へやって来る。自宅の掃除は娘に任せることにした。娘もすっかり釜石、岩手を気に入っており、自然や産地直販を見て回ることが習慣となっている。米国の友人へも自然の素朴だが、そこにある豊かさを見せたいようだ。今日は久しぶりに巨匠や匠の方とも話が出来た。先週末に、匠の方は一人で山に入られた。まさに東北の「マタギ」と言っていい方だろう。斜面の70mほど上の大木に子グマの鼻先が少し見えた。鳥かと思ったそうだが、よく見ると子グマで、必ず側に親グマがいるので、じっと動かず、親グマを探した。姿が見えないため、離れた方角で斜面を登ってみると、大木には親グマともう1頭の子グマもいた。先ず、親グマの頭を銃で撃ち、転がり落ちて行く親グマを追いかける子グマの1頭も撃ち仕留めた。一人では運べないため、翌日、もう一人の匠の方とともに、戻って行ったそうだが、生き残っていたもう1頭の子グマが横たわる親グマの上に乗って、辺りに響くように泣き続けていた。生後1年の子グマは自力では冬は越せないのだと言う。可哀想だが、その子グマも銃で仕留めたそうだ。山も今年は暖かかったために、まだ冬に備えてクマたちはクルミを食べ歩いているそうだ。釜石へ来て、間も無く、巨匠や匠の方たちと共に、冬の猟に随伴させていただいた。雪の積もる中を歩き、勢子に追い立てられた鹿がやって来るのを待ち構えている方が、銃を撃つ瞬間を撮らせていただいた。鹿は繁殖力が旺盛なのか、岩手では繁殖し過ぎて、農家が多く被害を受けているが、猟銃会の駆除もなかなか手が回らない。職場の裏山などは禁猟区であるため、鹿たちは安心してやって来る。今朝も鹿が来ていないか、裏山の斜面を見回してみたが、残念ながら、鹿の姿はなかった。しかし、目の隅に何か動くものを認めて、目を向けると、リスたちであった。2匹のリスが埋めてあったクルミを掘り返して、食べているようだった。四国で育った者から見ると、釜石や東北の自然は豊かで素晴らしい。職場のすぐ側で、リスや鹿、時にはクマやニホンカモシカまで見ることがあるのだ。野生動物の豊かさはそれらの餌になるものも豊かだと言うことだろう。匠の方は、仕留めたクマの近くの沢で30cmを超える天然イワナを見たそうだ。この東北の自然の豊かさこそが東北の宝なのだが、そのことに東北に生まれた多くの人が気付いていない。
両石で拾った秋



裏山のリス


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