昨日はよく晴れて風もなく久々に日中は暖かく気持ちがよかった。しかし夜はこの季節にはめずらしく雷雨が続いた。よく聞くと雷鳴が山間にこだまして長く鳴っている。昼間所用で遠野へ出かけた。田の稲は当然もう刈り取られていて、田には人影もない。六角牛山(ろっこうしさん)や早池峰山(はやちねさん)の頂は雪を冠って、雲が頂をゆっくりと流れる。田園の中を車で走っていると周囲の時間が止まってしまうようだった。以前見かけたコサギの群れは残念ながら見ることができなかったが猿ケ石川の支流にはカルガモが何匹か休んでいた。その後釜石へ戻って知人宅へ届け物をした際偶然狩猟で打たれたニホンジカ三頭の解体に出くわした。雄二頭に若い雌一頭だった。鹿の天敵がいないため繁殖しすぎて農家が周辺でもかなり被害を受けているようだ。狩猟をする人たちは雪の山に入り、険しい山の中を鹿を追うわけだから相当の体力、脚力を要する。持ち帰った鹿の解体まで自分たちでやらねばならいからそれを考えると並の体力ではない。追われる鹿も、追う人間も岩手の広大な自然を相手に戦わねばならない。そうした現実を見ると自然を守ることがいかに厳しいことなのか思い知らされる。自然が豊かであればそこには厳しさも当然あるわけで、見かけだけの自然の美を見ているとそのことを忘れがちになる。
遠野郷から眺む雪を冠った早池峰山
遠野郷から眺む雪を冠った早池峰山