時事通信による2月12日内閣府発表の記事によると2006年の一人当たり県民所得は306万円で地域格差は5年連続拡大していると言う。1人当たり県民所得は、雇用者報酬、財産所得、企業所得の合計を人口で割った金額で、1位の東京が482万円、最下位の沖縄が208万円となっている。岩手県は41位で234万円である。北海道、東北、九州が平均して低くなっている。なんとなく想像通りという気がする。確かに数字の上で岩手などは所得が多くはないがその分県内での所得格差は大都市を抱えるところより格差は少ない。何も低所得県の負け惜しみを言っているのではなく、大都市を抱える所は低所得が極めて極端であり、生活が脅かされるほどの状態があることをむしろ指摘したいのだ。岩手と言わず、東北や北海道、九州、沖縄には自然が豊かに残されていて、平均して所得が低い代わりに極端な貧しさはなく、人の心も荒むことが少なく、何より、人の結びつきが保たれている。地方は自然だけでなく人の心も豊かなのだ。確かに一部には古い因習らしきものも残っているだろうが、都会に比べればはるかに人間らしい生活が残されていて、まさに本来の人間の豊かさを享受しているように思われる。これから訪れるだろう経済危機に対しても都会を抱えるところよりも却って危難に耐え得る強さを持っていると思う。精神的な強さは現在の人の結びつきと過去からの地方の伝統の両方が支えとなっているように思われる。残念ながら現在の都会はそのいずれもが失われている。かって東京砂漠と歌われたことがあったが現状はさらにひどくなっていて、間もなく、わずかに残っているオアシスすら消えてしまいかねない。
遠野のお雛様(家人撮影) 遠野の町家では江戸時代のお雛様がこの時期見ることが出来る
遠野のお雛様(家人撮影) 遠野の町家では江戸時代のお雛様がこの時期見ることが出来る