先日寺沢高原で会ったキャンピングカーで名古屋からこられた方が紫陽花が岩手でこの時期に咲いているのを見て、やはり北にある地域は花の咲くのが遅いのだと思われたようだった。確かに桜などの春先の花は20日位遅く咲き始めるが紫陽花やツツジなどは咲き始めが若干遅くなるだけでむしろ岩手の花は咲いている期間が長い。もちろん花の株そのものの咲き始めの違いを含めてだが。今の時期はどこへ出かけてもヒグラシの声が聞こえるがヒグラシの姿そのものはまだ見たことはない。そこで岩手の蝉について調べてみると岩手では約10種類の蝉がいるようだ。愛知県にいたときはどこへ行ってもクマゼミの声ばかりで地元生まれの方に聞いても、近年特にクマゼミが増えたという話だった。東京でもクマゼミが増えたという話がそのころあった。クマゼミは乾燥と暑さが生育に必要で都市化が進んだ地域にはクマゼミが多く繁殖するそうだ。ヒグラシもほぼ日本全土に生息するが関東以南だと涼しさが備わる高原や山でなければ見つけられない。岩手だと平地から山にかけてどこにでも見られる。クマゼミは東北と北海道には生息しないそうだ。たぶん日本の蝉の中ではクマゼミが一番大きいのではないかと思う。岩手に来てからは子供の頃過ごした四国で見て以来めったに見ることのなかったヤンマやハグロトンボ、赤トンボも見かけるし、この間根浜海岸に咲く浜茄子の花を見ていると大きなカブトムシがいたりした。全国で見られる各地の都市化は動植物や昆虫の生態を大きく左右してどんどん見られる場所が少なくなって来ているが岩手は幸い都市化が進まないことがかえって自然環境の保全に繋がっている。ホタルが自然に飛ぶ環境がまだ残されている。名古屋で定年まで過ごして定年後に御夫婦で訪れるところが豊かな自然の残る東北なのだ。東北の気温と地勢が自然界に最適な生育環境をもたらしているのだろう。釜石の交通の不便さはその意味では我慢する方がいいのかも知れない。交通が便利になってもその恩恵は都市部に住む人しか与らないという統計データがあるようだ。ただそうなると逆の発想も出来るかも知れない。交通の便が良くなりますます人口が都市へ集中し、地方は廃れる。つまり地方は自然がさらに豊かになる。ただ問題はその時人々の暮らしはどうなるかだ。
甲子川沿いに咲くコスモス コスモスも萩と同じく秋の花なのだが
甲子川沿いに咲くコスモス コスモスも萩と同じく秋の花なのだが