釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

最古の土器と稲作

2014-08-12 19:18:49 | 歴史
午前中たまに日が射したが、今日も曇天で、午後には少し雨も降った。気温は27度まで上がったが、あまり暑さは感じなかった。朝や夜は20度近くに下がってくれるので、とても凌ぎやすい。もうお盆が近づいているので、釜石の夏はこれで終わってしまうのかも知れない。職場の裏山には今日もメジロの群れが来ていた。午前中にはミンミンゼミが鳴いていた。昼休みに忘れ物をしたため、一度家に帰ったが、途中の国道沿いの山裾からは久しぶりにアブラゼミの声が聞こえて来た。何匹もいるようだった。 かっては日本の縄文土器が世界最古の土器とされていたが、近年、中国で新たな遺跡から発掘された土器の年代測定により、中国長江中流域の南部で最初に土器が作られたと考えられるようになって来た。広西省チュワン族自治区桂林廟岩遺跡や同柳州大龍潭遺跡からは2万年前にまでさかのぼる土器が発掘され、江西省万年県仙人洞遺跡・吊桶環遺跡、湖南省道県玉蟾岩遺跡からは1万8000~1万7000年前にさかのぼる土器が発掘されている。日本では青森県外ヶ浜町の大平山元I遺跡から発掘された1万6500年前の縄文時代草創期のものが最も古い土器になる。同遺跡から発掘された石鏃も同じく日本では最も古いもので、最古の弓矢の使用となる。この土器は茨城県ひたちなか市の後野遺跡から発掘された土器と同じく文様のない無文土器である。ロシアのアムール川流域グロマトウハ遺跡からは1万5000年前の土器が発掘されている。これら中国やロシア、日本列島の古い土器の作られた時期は最終氷期にあたり、いずれの土器も出土地点が森林地帯に近接して分布することから、これらの土器は港川人やワジャク人のような小柄な森の民によって最初に作られたと考えられている。最古級の土器が発掘された中国の玉蟾岩遺跡では4粒の稲籾も発見されており、稲籾そのものの年代ではなく、稲籾を含む地層中の炭片の測定値が1万5300~1万4800年前とされているところから、今のところ、稲作はその頃始まったとされているが、稲籾そのものの測定により、稲作が1万8000~1万7000年前に始まった可能性が出て来る。これまで中国最古の稲作遺跡とされていた長江下流域の浙江省河姆渡遺跡の7600~7030年前よりも、長江中流域の稲作の起源は古いと考えられるようになっている。確実に稲作が行われていたとみなされる湖南省常徳市澧県の澧陽平原の八十遺跡や彭頭山遺跡からはそれぞれ、7800~7600年前の籾殻、8650~7900年前の炭化米が出土している。土器製作も稲作も中国長江中流域で開始されたようだ。
甲子川沿いにはもうススキの穂が見られるようになった

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