釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

現場支援者たちの疲弊が始まっている

2012-01-22 19:22:49 | 文化
昨日、日中はみぞれ模様だった低気圧は夜には本格的に雪をもたらした。今朝はすっかり雪が積もってしまった。気温が上がるとまたみぞれに変わり、積もった雪に水分が加わり、道路は重く湿った雪で覆われた。夜間や朝方の低い気温で凍った路面になってしまうだろう。明日からの出勤時が思いやられる。初めての冬場の運転を経験する娘の運転も心配だ。今日も行われているはずの復興イベントには関西から女子大のチアーガールたちが参加している。周囲に雪が積もった大テント内の舞台を使うのだろうが、大テント内も結構寒い。日曜日なので訪れる人も今日の方が多いのだろう。珍しくこれだけ雪が積もると外へ出かける気がしなくなる。北海道に住んでいた頃を考えれば、大した雪とは言えないが、北海道だと冬に雪があるのが当たり前だと思えるが、釜石の冬は基本的に雪が積もらないので、その分積もった時は、特別に感じさせられてしまう。これだけ雪が積もると津波の被害を受けた仮設住宅の人たちは大変だろう。夜間や朝方はかなり冷え込む。断熱材を後から施した仮設住宅も、雪がない時でも寒いのだと聞いた。小さな子供のいる家庭は特に、狭い仮設住宅で危険な灯油ストーブは使えない。効率の悪いエアコンに頼らざるを得ないため、尚更、寒くなる。今冬は例年以上に冷え込んでいるせいもあって、仮設住宅では水道管の凍結も相次いでおり、県へも苦情がかなり来ているようで、県は県内の仮設住宅全戸の水道管の改善を行うことを決めたようだ。しかし、全戸の改修にはかなり時間を要する。中には1週間水道が使えない状態になった仮設もある。震災後急遽建設された仮設住宅は特に寒冷地仕様というわけではないので、床下がかなり冷え込むのだという。各仮設には保健士や看護士が1名ずつ常駐して、仮設住民の健康面のケアに当たっているが、この方たちの仕事も大変で、かなりストレスが溜まっている。その割に、市の幹部の人たちからは評価されておらず、一層、ストレスが増強されている。こうした仮設住宅へは全国から様々の支援が寄せられているが、それらをも、こうした保健士や看護士の方たちに任されている。多くは、1回限りの来訪で、その準備の一切を彼女たちが仕切らねばならず、負担が大きい。十分な心のケアの訓練もなく、いきなりそうした問題に直面させられている。普段は肉体的な疾病予防や、治療に関わって来た人たちなのだ。今、被災者だけでなく、被災者を支援する立場にあるこうした人たち自体が心に重い負担がかかり始めている。自治体は通常業務に加え、被災関係の仕事があり、他府県からの応援があっても尚、業務は過剰状態が続いている。とても現場の状況を十分には把握し切れていないようだ。全国からの支援自体が重荷になっているところも結構あるようだ。支援物資が届けられても、それをさばくのは現地であり、大部分が自治体に任される。イベントとなるとさらに大変になる。日程調整から、会場設定まですべてが現地任せのイベント支援がほとんどだ。こうした状態が続くと、現地側が支援の申し出に逆に警戒感を強めるようになってくる。被災者の方たちには支援が必要なのは確かだが、支援の仕方に問題がある。支援者が支援のすべてを賄うような支援方法が必要なのだ。現地に負担を強いる支援は、本来の意味の支援にはなっていない。酷いものになると、宿泊場所の設定まで自治体に依頼して来る支援者がいる。どこかはき違えているのだ。
珍しく雪が積もった釜石

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