釜石の日々

隠蔽や欺瞞をも乗り越えて

今朝はあちこちから雪かきの音が聞こえて来た。幸い曇天だったので気温が極端に下がらなくてよかった。それでも車の窓は昨夜の雪かきにもかかわらず、凍り付いていて、今朝は専用の道具を使って薄く張った窓の氷かきをやらねばならなかった。それをしないと中からは全く視界が利かない。家の近辺の道路は雪が凍っていて、ブレーキを踏むとスリップする。表通りは曇天のおかげで凍っておらず、運転も思ったより楽だった。後から家を出た娘もどうやら無事に職場まで運転出来たようだ。昼頃から青空が広がって来たのでちょうどいい気温の変化になった。東京新聞によると今回の震災で被害の大きかった東北沿岸部の岩手、宮城、福島3県の昨年11月の失業手当受給者のうち、女性が3万7601人と、男性(2万6631人)の約1.4倍に達し、被災地の自治体が雇用対策として提供する短期的な仕事や復興需要が建設、土木関係など男性が就きやすい仕事が多く、震災前に女性が多く働いていた水産加工業の復旧が遅れていることが原因だという。また、同紙によれば、宮城県石巻市立大川小学校は津波で全校児童の7割に当たる74人が死亡・行方不明となっており、昨日校長が「津波被害は想定しておらず、教員の危機意識の低さが原因。申し訳ない」と保護者に詫びたという。確かに、過去に三陸ほどの津波被害が無ければ地震と津波は直結して思い浮かばないかも知れない。当時、自分でも地震直後に津波のことは全く思い浮かばなかった。今日の各紙が報じているが東京大学地震研究所の研究チームによると「マグニチュード(M)7級の首都直下地震が今後4年以内に約70%の確率で発生する」という。震災後首都圏では地震活動が活発化しており、気象庁の観測によると12月までにM3~6の地震が平均で1日当たり1.48回発生しており、震災前の約5倍に上っているそうだ。政府の地震調査研究推進本部が以前発表していた「30年以内」よりはるかに切迫している。首都圏だと石巻市以上に地震そのものへの意識もなく、まして、津波の意識なども全くないだろうと想像出来るだけに、被害は極端に大きくなる可能性があるように思う。震源がさらに南と連動すれば静岡県の浜岡原発の存在も憂慮される。昨日の共同通信によれば原子力委員会の近藤駿介委員長が作成した「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」が最悪の場合の内容が凄まじいため、昨年3月下旬政権中枢で「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが明らかにされている。本年夏の電力需要予測についても、実際には6%の余裕があるにもかかわらず、政府は「全国で約1割の不足に陥る」と公表していたことが毎日新聞で報じられている。公表された試算には、再生可能エネルギーがほとんど計上されていなかったという。現在、原発は54基中49基が停止しており、残りの5基も定期検査が控えているため、再稼働がなければ原発ゼロで夏を迎えることになる。政府は何とか再稼働を進めようとして、情報の隠蔽や改ざんを図っているようだ。債務超過に陥り、実質国有化されることを嫌って、東京電力は原発再稼働と電気料金の企業向けを17%、一般家庭向けを最大10%値上げする意向だ。しかし、一般社員の年収を2割カットしても尚、国家公務員より高い給与を維持している。アメリカ海軍の原子力潜水艦の開発推進を担っていたジミー・カーター米国元大統領は大統領在任時、核燃料サイクル事業の撤退を決断し、核兵器に転用可能なプルトニウムの拡散を憂慮して、日本の東海再処理工場(茨城県東海村)の運転にも懸念を示したという。東京新聞のインタビューで今回の福島第一原発事故について「七九年の米スリーマイル島原発事故に取り組んだ経験をもとに情報の透明性、公開性が欠かせない」と述べている。日本原子力発電東海第2原子力発電所が立地する茨城県東海村で昨日村議選が行われ、原発推進派は改選前の過半数を失う見通しだという。村上達也村長も「脱原発」を掲げている。「東北学」を主宰している赤坂憲雄学習院大教授は共同通信への寄稿「豊かさの虚像あらわに」で、「原発は東京一極集中の構造にマッチしていますが、自然エネルギーは地域ごとの風土や自然の条件に対応しており、極めて地域分散型、地域分権型といえる。そこでつくられる産業のかたちは東京一極集中のイメージと対極にあります。原発から自然エネルギーへの転換は日本社会のイメージを大きく転換させるきっかけになる。その取り組みを東北から始めることにとても意義がある。」と書かれておられる。
白煙を立ち上らせている新日鉄火力発電所
見える範囲も二階の高さまで津波に襲われた
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