釜石の日々

驚異的な地殻変動で複雑に構成された日本列島

今朝も氷が張り、霜柱が立っていた。空を雲が覆い、愛染山は見えなかった。予報では最低気温が-2度で、最高気温が2度となっている。午前中は時々小雪もちらついたが、午後になり青空も広がって来た。今日は職場の裏山ではヒヨドリくらいで他の野鳥の姿を見ることがなかった。職場の建物の近くの被災した地域で、今、建物を建て直しておられる方がいる。その方にまた津波があった場合はどうするのか聞いてみた。昨年と同じ規模だとすると確実に1階部分は浸水する。2階へ逃れても建物が崩壊する危険性はある。ご本人は昨年のようにこちらの職場のある建物に避難するつもりだと言う。しかし、2階には食料や防災グッズを準備しておくつもりだそうだ。鉄骨の柱を建てる際に掘った穴から塩水が出て来たため、基礎工事に余計な負担がかかったらしい。この地域はもともと江戸時代には海だったところなので、震災後、沿岸部が70cmほど地盤沈下したこともあって、海水が地下に入り込んでいるのだろう。高度経済成長期には全国で、海岸の埋め立てが行われ、工業用地を確保した。埋め立て地は地震や津波の時にはその脆弱性が現れる。 一昨日の時事通信によると、千葉県市原市の梅ヶ瀬渓谷で世界最大と推定されるトドの化石の一部が発見された。現在のトドの約1.5倍の大きさだと推定されている。体長が5m近くで、体重は3トンにもなる。90万年前の地層から発見されており、その当時そこは深さ1000mの深海だった。千葉県はかって海底だった地層が多く、そのため海洋生物の化石が多く発見されるのだと言う。日本列島はもともと今のアジア大陸と同じ大陸の東端を形成していた。そこでは大陸から運ばれて来た岩石や土砂が堆積する一方で、海側のプレートの沈み込みの際、陸側に海底の地層の一部が付加された。2300万年前に列島が少しづつ大陸から南北二つに分かれて離れはじめ、1500万年前に南北二つの領域が現在の中央地溝帯(フォッサマグナ)で合体した。その際の圧力で、日本アルプスが形成された。従って、日本列島の地層には日本海側では大陸起源の地層が、太平洋側では海底起源の地層が多く分布する形となった。日本列島で最古の岩石は20億年前のもので、島根県と岐阜県の二カ所で発見されている。いずれも大陸起源のものと考えられている。地層としては、しかし、2010年に発見された茨城県常陸太田市のものが5億1100万年前のもので最古となる。現在の弧状の日本列島の大雑把な基礎が形成されたのは500万年前になる。今回発見された90万年前のトドの化石があった場所はその後の地殻変動により隆起して、列島を形成する一部になったものだ。陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込む時、海底の一部が陸側のプレートにより削り取られ、それがそのまま陸側のプレート端で上乗せされて行く、それが付加体と呼ばれるもので、トドの化石が発見された地層はそうして形成されたものだ。しかし、その付加されたものは標高で少なくとも1000mの隆起があったと言うことであり、如何にその地殻変動が凄まじいか、驚異的だ。
魚屋さんに吊るされた鮭
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