釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「コロナ成功国」から失敗国へ転落したチリ

2022-02-04 19:19:43 | 社会
ほんとうにこの冬は平年に比べて気温の低い日が続いている。日中は多少は気温も上昇するが、今日も昼休みには小雪が舞っていた。市街地の南側の山の北斜面では、もう何日も前に降った雪が溶けないままに残っている。庭の水槽も変わらず朝は必ず凍っている。春を遠く感じる寒さの中でも、桜や拳の木には小さな蕾が見えて来た。蝋梅も3週間近くかけて一輪ずつ咲いて来る。北国の春が遠いように、日本のコロナ禍の終息も遥かに遠いようだ。感染源はウイルスだが、ウイルス学の専門家はコロナ対策の中枢にはおらず、検査キットが不足して、東京都の陽性率は37%にもなっている。自宅療養者は94%にもなり、ほとんどが何の治療も受けられないままに放置されている。現在は第6波と呼ばれるように、これま過去に5回は同じようなことを繰り返している。世間では「1度や2度の失敗は許せても3度目となると」とよく言われるが、現在は6度目の失敗である。失敗の原因は、先行する他国に学ばず、先行した波からも学ばず、何よりも医療の大原則を無視し続けていることだ。癌をはじめ生活習慣病などで、厚生労働省や保健所、医療機関は、これまでくどいように早期発見・早期治療を提唱して来た。しかし、このコロナ対策では、早期発見の段階で疎かにされ、早期治療でも陽性者が放置されるばかりで、何の手当もされない。過去の何度もの波でそうであったように。mRNAワクチンが登場すると、ただただそのワクチンに頼るだけで、感染も重症化も防げないことが明らかにも関わらず、ひたすら接種を推進し続ける。しかも、同じワクチンの繰り返し接種がウイルスの新たな変異株すら生み出す。昨日のイスラエルメディアIsrael National Newsは、「'80% of serious COVID cases are fully vaccinated' says Ichilov hospital director(「COVID重症者の80%は完全なワクチン接種を受けている」とイチロフIchilov病院長) Vaccine has "no significance regarding severe illness," says Prof. Yaakov Jerris.(ワクチンは「重症化に関しては意味がない」とヤーコフ・ジェリス教授は言う。)」と題する記事で、「イスラエルの病院は、本当にワクチン未接種のCOVID患者であふれかえっているのだろうか?イチロフ病院のコロナウイルス病棟の責任者であるヤーコフ・ジェリス教授によると、状況は全く逆である。」、「「今現在、重症患者のほとんどはワクチン接種を受けています」とジェリス教授はChannel 13 Newsに語った。「少なくとも3回は接種しています。重症患者の70〜80パーセントがワクチン接種を受けています。つまり、ワクチンは重症化に関して何の意味もなく、そのため、ちょうど20~25パーセントの患者がワクチン未接種なのです。」」とある。トラック・コンボイの集結でワクチン義務化に反対する抗議行動に見舞われているカナダのオンタリオ州では、新型コロナウイルス感染の入院患者の75%が部分的または完全なワクチン接種を受けている。米国の経済メディアBloombergは、昨年12月29日、「The Factors in Chile’s Covid Success(チリのCovid成功の要因)」と題した記事を載せていた。「チリは、ブルームバーグのCovid Resilience(回復力)Rankingで1位となったが、感染力の強いオミクロン型が世界中に広がる中、警戒を解くという意味ではない。 このランキングは、社会的・経済的な混乱を最小限に抑えながら、ウイルスに最も効果的に対処している国を月ごとにまとめたものである。このランキングでは、ウイルスの封じ込め、ヘルスケアの質、ワクチン接種率、総死亡率、旅行など12の指標を使用しています。 エンリケ・パリス保健相は先週、上院議員のパネルで、現在の状況は「かなり満足のいくものだ」と述べた。月曜日に発表されたデータによると、患者数は14日移動平均で25%減少し、検査陽性率は2.6%、集中治療室の空きベッドは増え続けている。Covid症例に対応するベッド占有率は32%に過ぎない。」、そして「では、チリの成功の理由は何だろうか。 パリスはブルームバーグに対し、国のワクチン接種キャンペーンが成功したことと、チリが南半球の夏に入り、ウイルスの循環が少なくなったことの2点を要因として挙げている。 ワクチンの調達が早かったことも功を奏した。ブルームバーグがまとめたデータによると、国民の半数以上がすでにブースターショットを受けており、この割合は世界でもトップクラスである。そして、政府は2月からの4回目の接種を検討している。」と書いている。これはわずか1ヶ月少し前の記事だ。ランキング世界一の回復力を見せたとされるチリは、ワクチン接種率も3度目のブースター接種率も50%以上と言うトップクラスである。そして地理では現在も夏であるが、人口1912万人のチリの昨日の新規感染者数は3万5197人である。それまでのピーク、昨年4月9日の9151人を遥かに凌ぐ感染者数となっている。100万人あたりの新規感染者数で見ると、チリは1496.02人、日本635.19人、一部の地域でイベルメクチンを含んだ治療キットが配布されているメキシコは279.68人である。わずか1月少しで、チリは「Covid成功」の国から「Covid失敗」の国に転落してしまった。ワクチンは感染を防がないだけでなく、重症化さえも防がないことが明らかになっているにもかかわらず、EU欧州連合の一員であるオーストリアは、何とワクチン接種義務化法案が議会で可決されてしまった。昨日の米国メディアThe New York Timesは「Austria’s sweeping Covid vaccine mandate is becoming law.(オーストリアでコビドワクチンの接種が全面的に義務化され、法律化される。)」と報じた。「オーストリアは、西欧の民主主義国で初めて、成人人口のほぼ全員にCovidの予防接種を義務付けることになった。」、「まず、政府は今後数週間のうちにすべてのオーストリア国民に手紙を送り、新しい規則を通知し、1ヶ月以内に遵守させる予定である。」、「3月中旬からは、交通違反の取り締まりも含めて、警察が無作為にワクチン接種の有無をチェックするようになる。予防接種の証明書を提示できない人には、最高で600ユーロ(約675ドル)の罰金が科せられる。罰金に異議を唱えると、最終的には3,600ユーロ(約4,100ドル)まで増額される可能性がある。」、「オーストリアでは現在、約76%の人が完全なワクチン接種を受けています。それでも、12月下旬から始まった新たな急増により、新規感染者は記録的な水準に達し、この2週間で1日平均がほぼ2倍になっている。」とある。オーストリアの人口は891.7万人であり、昨日の新規感染者数は3万8135人で、今回の波の前までは最大が去年の11月19日の1万5809人であった。人口100万人あたりの新規感染者数は3732.52人とチリさえも遥かに凌ぐ。現在の世界で展開されているのは、まさにワクチン接種をすればするほど感染者も重傷者も増加すると言う、まさに「狂気」の世界である。
チリ 縦軸:日毎の新規感染者数、横軸:日付
黒線:新規感染者数推移、赤線:完全ワクチン接種率推移

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