今朝も放射冷却で車の窓ガラスが氷結していた。それだけに午前中は久しぶりの釜石ブルーが広がった。しかし、午後には次第に空には雲も流れるようになり、青空が隠されるところが出て来た。昼休みにはまた八幡神社へ行ったが、日射しを浴びた紅葉はほんとうに見事なものだ。これだけの紅葉が見向きもされないことが不思議なくらいだ。これこそライトアップでもすればとても綺麗だろう。釜石のとても大切な木だと思うが、地元の人に関心がないのが残念だ。 3日前の25日から阿蘇山の中岳の噴火が続いている。溶岩が固まってできた噴出物があるため、福岡管区気象台はマグマ噴火と見ており、今後1年近く噴火が続く可能性もあるとしている。噴煙は1500mまで達し、40Km離れたところでも火山灰が確認されている。中岳の噴火は東日本大震災の直後にも起きており、翌年も小噴火を起こしている。東日本大震災では太平洋プレートが大きく動いた。阿蘇山は間にフィリピン海プレートを挟んだユーラシアプレートの上に載るが、そのユーラシアプレートも当然影響を受けている。阿蘇山は過去30万年間に起きた4回の破局噴火によって形成された。特に4回目の8万7000年前の破局噴火は日本では最大の噴火で、その時の火砕流は鹿児島県を除く九州全県と山口県に達し、火山灰は遠く北海道東部でも10cmも積もっている。火砕流は1991年の雲仙普賢岳の噴火の100万倍の規模であった。この時に出来た阿蘇山中心部の窪地であるカルデラは南北が25Km、東西が18Kmにもなり、北海道の屈斜路湖に次ぐ日本で二番目の大きさのカルデラである。かってはそこに水が溜まり、屈斜路湖同様の湖であった。巨大なカルデラの中には今回噴火した中岳の他にも10箇所以上の小噴火による小さな火山がある。日本では過去12万年間に13回のカルデラを形成するような破局噴火が起きている。九州近辺が6回、北海道が5回、十和田湖が2回である。一番現在に近いところでは7300年前の鹿児島県沖の鬼界アカホヤ破局噴火で、阿蘇山の4回目の日本最大の破局噴火に近い規模であった。十和田湖では3万年前と1万5000年前に起きている。日本での破局噴火は1万年に2~3回の頻度で起きている。単純に数値だけで見れば、少なくとも5000年に一度は起きていることになり、最後の破局噴火が7300年前であるから数値的には破局噴火はいつ起きてもおかしくない。日本ではここ30年ほどで有珠山、雲仙普賢岳、三宅島、東日本大震災や阪神淡路大震災、御嶽山などの大地震や噴火が続いてる。先日の長野県神城断層地震を含めて、こうした地震や噴火は日本付近の地下で地殻の大きな変動が起きていることを示している。破局噴火に至らずとも、富士山の噴火や南海トラフ起源の地震など日本に大きな打撃を加える異変は十分起こり得るだろう。 八幡神社前の紅葉 すばらしい紅葉だ