釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

イクラの手作り教室

2009-01-05 06:56:04 | 文化
今日から今年度の仕事始めだ。昨年末からの長い休みも終わった。休みの間もほとんどは家で過ごして普段できなかった読書や写真ファイルの整理で時間がつぶれた。昨日は職場の匠の方が朝網にかかった雌の鮭と手作りの海宝漬けにイカの刺身を持って来てくれた。海宝漬と言うのは釜石のある有名なお店が創り出したもので、イクラとアワビと子持ちメカブで作られる。獲られたばかりの雌の鮭からイクラを取り出してその全体を覆った皮膜から金網を使って一粒一粒を分離し、塩水で何度か洗いながらなお付いている皮膜の残滓を除いて行く。最後に酒と醤油で味付けする。この醤油も釜石で有名な醸造元のものを使う。酒も東北にはいい水といい米があるので杜氏の伝統があり、いい酒が各地で作られている。味付けされたイクラを一晩ザルに入れ冷蔵庫で水抜きをすると普通に言われるイクラが出来上がる。味付け直後のイクラを食べてみたがちょうど半熟の玉子の黄身が口の中で溶けるように広がるような感触で店で買い求めるあの歯ごたえのあるイクラとはまるで異なる。これが本物のイクラだそうだ。歯ごたえがあるイクラは鮮度が落ちた、川に上った鮭から作られたものだそうだ。地元の人にとってはそんなものはイクラではないそうだ。鮭本体も三枚に下ろしていただき切り身にしていただいた後、塩を降り、保存する。昨日昼に早速鮭と海宝漬とイカの刺身をいただいた。鮮度の良いものはほんとうに美味い。海宝漬も匠の方自らが作ったもので有名店のものよりずっと美味く感じた。味付けがくどくなく、非常に食べ易い。イカの刺身も甘みがあってとろける味である。高級レストランのシェフもかなわない食材と味付けだと思う。釜石ではじめて食材の新鮮さがいかに重要かを身を以て教えられた。また地元の人が一番食材の味を最高に引き出せることも知った。今年もさらに新発見があるような予感がする。


いただいたイカの刺身と海宝漬


定置網にかかった鮭


匠の手で取り出されたイクラ

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