釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「米国の経済状況は「金を買え」と叫んでいる」

2024-03-20 19:16:18 | 社会
今日は朝から湿った雪が降り続いている。予報では1日雪だ。しかし、湿った雪のため、降っている雪の量ほどには積もらない。最高気温は午前9時の2度だ。外に出ると吐く息が白い。三寒四温とはよく言ったもので、この時期、確かに暖かい日と寒い日が交互にやって来る。春への跳躍の準備なのだろう。 資源や製造業を中心とした産業資本主義のBRICSやグローバル・サウスの台頭と入れ替わりに日本や欧米の衰退が進んでいる。BRICSの中心メンバーでもあるインドは、カースト制度や1億8000万人のイスラム教徒への迫害などがあり、経済発展の妨げとなっている。昨日のブルームバーグ、「インドはかつての中国のような10%近い高成長見込めず-モルガンS」は、「中国政府のデータによると、改革開放路線が打ち出された1978年以降の30年間の中国成長率は平均で10%だった。」、「アーヤ氏はインドの経済成長を妨げているのはインフラ不足と未熟練労働者だとし、「この2つの制約を考慮して、われわれはインドは高成長を遂げるものの、成長率は8-10%には届かず6.5-7%程度にとどまると予想している」と説明した。」、「アーヤ氏はインドは「正当な地位を得るだろう」とし、資本フローの増加や世界の海外直接投資におけるインドのシェア拡大に経済改善の初期兆候が見られると述べた。ただ製造業でインドが中国に取って代わったり、競り合う可能性は低いと指摘した。」と書いている。衰退する米国では、経済崩壊の足音が聞こえて来ている。今日のブルームバーグは、「商業用不動産、迫る新たな危機の足音-不良債権でCRE・CLO窮地」を報じた。「商業用不動産(CRE)ベンチャーに関連したローンの返済に、借り手が苦戦する中、リスクの高いプロジェクトを資金面で支えた投資商品がかつてない窮地に追い込まれている。CRE・ローン担保証券(CLO)だ。」、「こうしたニッチな商品が抱える不良債権の割合は、過去7カ月だけでも4倍に増え、7.4%を超えた。最も打撃が大きいところでは、返済遅延率が2桁台に達している。800億ドル(約12兆500億円)市場のメジャープレーヤーらがローン調整を急いでいるのはそのためだ。一方で空売り投資家は発行体に対する攻撃の手を強めている。」、「この痛みは、20兆ドル規模の米CRE市場に走った衝撃の一部に過ぎない。」とある。元米国財務長官でハーバード大学教授のローレンス・サマーズなど複数の研究者がNational Bureau of Economic Research全米経済研究所のNBERワーキングペーパー・シリーズとして、「THE COST OF MONEY IS PART OF THE COST OF LIVING:(貨幣コストは生活コストの一部である:)NEW EVIDENCE ON THE CONSUMER SENTIMENT ANOMALY(消費者心理のアノマリーに関する新たな証拠)」を提出した。それによると、米国政府は米国消費者物価指数CPIが債務頼み経済にCPIが有利に出るよう算出対象から1983年に住宅ローンを除外し、1998年には自動車ローンや利子支払も除外した。除外前の算出方法で2023年のCPIを算出すると18%にもなっている。昨日のBloombergは、「Morgan Stanley Warns US Stocks at Risk in ‘Dollar Regime Shift’(モルガン・スタンレー、「ドル体制転換」で米国株がリスクにさらされると警告)」を報じている。「「米ドルのレジーム・シフトに備えよう」とリサ・シャレットは警告する。中国との関係悪化、日本におけるイールドカーブ管理の終了、ビットコインと商品価格の上昇は、米ドルの暴騰が「限界に達している」ことを示唆している。」、「   シャレットによれば、輸入インフレを押し下げ、エネルギー価格を押し下げることで、ドル高が米国の「金融緩和体制」の中心となっており、それが最近の株式市場のパフォーマンスを押し上げている。」、「シャレット氏によれば、主要10カ国(Group of 10)諸国が金利を引き下げたとしても、日本銀行が引き締め政策をとるという見通しがドルを圧迫している。米中関係の悪化、特に米大統領選の最中であることも、脱ドルの動きを加速させる恐れがある。」とある。昨日、米国株式の主要指標であるS&P500は過去最高値を更新した。日本の日経平均も昨日再び4万円の大台に乗った。株式市場は危機感など見られない。実体経済と金融市場がかってなく極端に大きく乖離している。昨日の米国ZeroHedgeは、18日のThe Epoch Timesの記事を載せている。執筆はヘッジファンド・トレシスのチーフエコノミスト、ダニエル・ラカールDaniel Lacalle(Ph.D.:博士号取得者)だ。「US Economic Conditions Scream "Buy Gold"(米国の経済状況は「金を買え」と叫んでいる)」。

米国の製造業と消費者信頼感の低迷は、特に、無敵と言われるケインズ政策が強力に適用されていることを考えると、深く懸念される。

権利プログラムによる赤字支出の狂気を考えると、3月のミシガン大学消費者マインド指数のヘッドラインの低下(76.9から76.5へ)は予想以上に悪い。この指数は2019年に101を記録し、2021年3月の再開効果によって示された短期間の跳ね返りを回復していないことを覚えておこう。消費者信頼感は依然として信じられないほど低く、期待指数の低下が直近の落ち込みを完全に説明している。インフレの持続、ガソリン価格の高騰、実質賃金の低下が、一般市民の期待値の低さを説明しているのかもしれない。さらに、この消費者信頼感の低さは、先月のコントロール・グループの小売売上高が悪かったことに起因している。

決して景気が良いとは言えない。消費者信頼感指数、労働参加率、失業率、そして実質賃金の伸びは、パンデミック前の水準を大幅に下回ったままである。

世界中にビジネスチャンスがあることを考えれば、今が高度成長期であるべきなのだから。2月の鉱工業生産は0.8%増となったが、1月の数字は1.1%減と修正された。3月のエンパイア・ステイト調査のマイナス20.9を考慮すると、製造業の落ち込みはまだまだ続きそうだ。

米国経済の形もまた、ソフトランディング説の不可能性を反映している。インフレ率は依然として目標を大きく上回っており、債券利回りはインフレの持続という現実を反映している。さらに、マネーサプライの伸びは数カ月前に減少を止めた。

マネーサプライが増加し、政府支出が増え続ければ、連邦準備制度理事会(FRB)は金利を引き下げることが出来なくなり、購買力の喪失による国民の困窮は続くだろう。

これは、支出と税金を増やす非常識な財政政策の結果だ。低成長、製造業の衰退、消費者心理の悪化。

需要サイドの政策とケインジアンの実験が、かつての好調な経済をユーロ圏と同じスタグフレーションの道へと置き去りにしているのだ。警告のサインは、公的債務の増加が国内総生産の回復を完全に正当化しているという事実であるべきだ。

これが、異常な金融・財政実験の問題である。政府は、警告の兆候が現れたら抑制政策を実施するという前提のもと、巨額の支出と債務のマネタイゼーションを受け入れるが、兆候が現れても支出を止めることはない。政府に近いエコノミストたちは、もしインフレが高まったら、政府は予算を再考し調整するだろうと言い、警鐘が鳴り響いた。今、私たちはすべての警鐘を聞いたが、政権は何事もなかったかのように続けている。インフレ抑制法はインフレ恒久法となり、政府借入の増加は10年、30年カーブで明らかになり、民間部門は明らかに縮小している。

財政支出を乱発した後、政府が支出を抑制することを信じるのは極めて危険な賭けであり、常に市民の状況を悪化させる結果に終わる。一度始めたら止めることは出来ず、避けられない結末は増税、成長率の低下、実質賃金の低下、ドルの購買力の低下である。米国経済の数字がすべて「金を買え」と叫んでいるのは、政府が財政赤字や経済における政府の規模を緩和するよりも、通貨を破壊することを常に好むからだ。

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現在、金はドルでも円でもほぼ最高値の領域にあり、現実的には今は金の買い時ではない。今年から来年にかけて米国金融市場が歴史的な大暴落に見舞われ、その後ドルの崩壊が続く。金融市場の崩壊が訪れると投資家は、手元に現金を必要とするため、手持ちの資産を売る。その時、金も売られるため一時的に金の価格も下がる。この金価格が下がった時が買い時となる。ドルの崩壊で金価格は急上昇して行くことになるだろう。日本も米国の金融崩壊に引きずられ、日本でも金融市場は大暴落し、ドルの崩壊とともに円も崩壊に巻き込まれる。日本は米国債の世界一の保有者だ。円での個人資産は確実に失われる。

雪を被ったサンシュユ