釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

債務者の大盤振舞い

2021-03-30 19:14:37 | 経済
中国北部で発生した黄砂が15日に続いて28日にも北京を襲い、昨日は韓国のソウルや西日本にも及んだが、今日は釜石でも霞のような感じで黄砂が見られた。昼休みに薬師公園に登り、高台から海の方を見ると太平洋側に突き出た尾崎半島が霞んで見えた。ここ数日気温が一気に上がって来たせいか、公園の桜も咲き始め、赤い椿の花とともに目に映える。公園の高台には幕末の釜石湊の図が描かれており、現在「平田」の地名となっているところが「閉伊田」と書かれていた。宮古市から釜石市あたりはかっては「閉伊」と呼ばれていた。海岸沿いで唯一の田地があったところなのかも知れない。 欧州の主要国で新型コロナウイルスの感染が拡大している中で、米国は第3波が終息の兆しを見せていたが、ここに来て再び増加傾向が見られ、疾病対策センターCDCのロシェル・ワレンスキーRochelle P. Walensky所長は危機的な状況が差し迫っていると警告した、と今日のブルームバーグが報じている。しかし、一昨日にはCDCは、ファイザー・ビオンテックとモデルナのワクチンの2回接種による感染予防率は最大90%だと発表し、大統領も4月19日までに米成人の90%がワクチン接種対象になるだろうと述べている。ただ、米国では薬局でワクチンを接種出来るが、ワクチン接種後の死者も2000人を超えている。聖火リレーのために緊急事態宣言を解除した日本も、すでに解除前から陽性者の増加傾向が見られており、予想通りその傾向は続き、今日のGoogleの予想では、4月第1週を過ぎてから陽性者が急増し、4月23日には、1日の死者数が223人、陽性者が1万4480人となっている。神戸市でも大阪府でも変異株が50%を超えている。調べていないだけで、東京や関東もほぼ同じだろう。オリンピックどころではない。変異株では若者も感染しやすく、重症化する可能性もある。個人が集まり宴会や会食をすることを非難することではなく、何故メディアは根本的な感染対策をしない政府を非難しないのだろう。根本的な対策がなされなければ、宴会や会食が今後も必ず出て来る。日本を含めた主要先進国は、いつまでも感染症の基本原則を対策として行わず、すでに1年以上が過ぎた。この間に変異株が次々に登場し、新規に開発されたワクチンもそれらの変異株に効果があるのかどうかすら定かでないし、仮に効果があっても、感染が続けば、さらに変異も続き、いずれワクチンも効力を失う時が来る。感染が減少した時にこそ、集中的な検査と隔離を行わない限り、ウイルスの変異には対抗出来ないだろう。この1年の間に、世界のコロナ対策費は13兆8750億ドルにもなったと1月27日のIMF国際通貨基金の「財政報告」が知らせた。ほとんどが先進国で実施され、最大は米国の4兆130億ドルで、米国現大統領は1.9兆ドルの追加コロナ支援策に加え、さらに3兆ドルから4兆ドル規模と言われるインフラ投資、クリーンエネルギー対策、雇用対策のヒッグ・プロジェクトを打ち出している。2008年のリーマン・ショック以後は、先進主要国では、中央銀行が打ち出の小槌のように通貨を大量発行して経済を支えて来た。株式市場の支えとゾンビ企業の増産だけであるが。しかし、昨年からは主役は中央銀行から政府のコロナ対策と言う財政政策に大きく舵を切られた。とは言え、その財政政策はあくまでも中央銀行の支えがあってのものであるが。日本も米国も大きな赤字財政の中での大盤振舞いである。コロナ禍で政府債務が一挙に積み増されたが、その債務は両国ともに、とても返済など不可能である。毎年10%を超えるような経済成長でもあれば別だが。低成長下での税収では政府債務の返済などとても無理である。今年もさらにコロナ対策費は間違いなく積み増されるだろう。巨額債務を抱えた日米政府は、とてもデフォルト債務不履行はメンツ上行えないので、インフレか増税で「返済」しようとすることになるだろう。米国は今はまさにインフレ傾向にある。日本では財務省がコロナ後の増税を狙っている。しかし、残念ながら、それ以前に株式はじめ金融バブルの崩壊に見舞われることになるだろう。米国での金利上昇がその引き金となる。
幕末の釜石