釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

日本的システムの限界

2012-08-03 19:14:26 | 文化
今日も昨日に引き続き朝から山背が押し寄せて来ている。とても過ごしやすい。山背は周囲の山々の尾根に霧雲を立ち上らせ、冷たい空気を海から運んで来る。空は曇天となり、日が射さない。曇天ではあるが雨になることはあまりない。暑い日が続いたので、この山背はかえってありがたい。犬たちもずっと過ごしやすくなる。予想最高気温は29度となっているが、山背のために高くても23~24度だと思われる。昨日と今日U先生のチームジャパン300が市内4か所で主に被災者のために「こころの癒しセミナー&コンサート」を開催する。東京の株式会社デラが立ち上げた「心と身体にやさしい応援プロジェクト(ココから応援プロジェクト)」と協賛だ。U先生のセミナーと上海民族楽団の二胡演奏家であった曹雪晶氏の二胡演奏、元オフコースの松尾一彦、東儀秀樹、チェンミンなどの、コンサートツアーに参加して来たキーボーディストの竹田元氏の演奏がある。昨日の二度の演奏を聴いた娘の話だと参集した多くの被災者の人たちが涙を流していたそうだ。とても感動したと言っていた。娘は今日も午前中から夜までU先生たちのお手伝いで忙しい。現在の世界の経済は不安定な状況が続いている。欧州は無論、日本も米国も、中国も経済状態は良くない。メディアは特に欧州のギリシャやスペイン、イタリアの財政状況の悪さを報じている。EUの中心であるドイツ・フランスはしかし政治目的の統合をあきらめないだろう。欧州各国や米国の債務問題は外国からの借金である。ところが日本の債務問題は国内からの借金である。この違いは大きい。しかも、日本政府は紙幣を発行することが出来る。紙幣を多く発行すればインフレになる。しかし、今は逆にデフレの状況であるためインフレを極端に恐れる必要もない。250兆円を超える対外資産まで有している。21年連続世界一である。今何故日本で消費税を増税しなければならないのか。経済が低迷している時の増税は最悪である。経済にさらにブレーキをかけてしまう。本来増税は経済が好調なときに行うのが税収を上げることに繋がる。現在のように経済が低迷し、デフレ状態になっている時に増税を行えば税収は思惑通りには得られなくなる。これほど単純なことを政治家も官僚もどうして理解しないのか。単純であるから実際にはいずれも理解はしている。分かっていて尚強行しようとしているのだ。それは何故か。いつも記しているように政治家はただ官僚の思うままに動いているだけだからだ。財務官僚の目的は税収を上げることではなく、増税や新たな税を少しでも多く設けることだ。税収を上げることは政府の目的ではあっても財務官僚の目的ではない。財務官僚は税収を上げても評価されないのだ。増税を達成したり、新たな税を設けたりすれば財務官僚として評価される仕組みになっている。要するに省益のみを追及する官僚なのだ。国益ではない。TTPについても対米従属の最右翼である外務省は強い推進派だが他の省は必ずしも推進派ばかりではなさそうだ。日米政府は交渉を秘密裏に行っており、そうしたやり方に米国議会からも批判が出ている。政治家に能力がなければ官僚には省益を押し進めるチャンスである。現首相になって前政権以上に前政権らしい、と揶揄されるのはそのためだ。日本の国家運営は官僚が担って来た。そこでは省益が優先され国を真に思う官僚は排除されて来た。このシステムももう限界だろう。
八重の立葵