東北の春先の天候は不安定だ。日中の気温が上がったかと思えば、翌日には極端に下がる。毎日天気予報を確認して、服装を決めなければならない。とは言え、やはり冬はもう確実に去った。毎朝のウォーキング時に、家々の庭先で花が咲いて来ているのが目に入るようになった。川の水鳥たちもほとんどいなくなった。北へ旅立ったのだろう。白いカルガモは、しかし1羽とり残されたのか、まだいたが。職場周辺の山の藪椿もたくさん咲いて来た。家の庭では昨年手に入れた黄色い沈丁花が咲き、白のショウジョウバカマも咲いて来た。桜の蕾も日増しに膨らんで来ており、おそらく今月半ばには咲いて来るだろう。北上市の桜の名所、展勝地では10日から桜祭りが始まる。10日ではまだ開き始めだろうと思うが。東北の冬は長いだけに、花が咲き始めるのを見ると、気持ちまで春めいて来る。それでも毎年、用心のために連休明けまではスタッドレスタイヤのままで、夏タイヤへの交換はいつも連休が明けてからにしている。先日、紫波町の産直で、希少な山野草が見られる「峠の駅」紫波ふる里センターに、山野草が出ていないか、行ってみたが、やはりまだごくわずかで、山野草は来月にならないと本格的には出て来ないのだろう。出かける時は必ず標準レンズと望遠レンズを持って出かけてはいるが、最近は重い望遠レンズが煩わしくなり、軽い望遠レンズ付きのデジカメも携帯して、どちらかと言うとそれで撮ることが多くなった。これだといつもポケットに入れて持ち歩ける。レンズもとりあえずはLEICAではある。おそらくLEICAが設計し、Panasonicが生産しているものなのだろう。花や景色はデジタル一眼でもいいが、鳥は、特に小鳥は偶然出くわすため、いつも持ち歩けるカメラでなければ難しい。先日、出会ったキレンジャクなどはまさにそうだ。歩道を歩いていると、目の前に飛び込んで来た。歩道の並木として植えられたナナカマドの実がたくさん歩道に落ちていて、それを食べにやって来た。動きを止めて、ポケットのデジカメを取り出し、レンズを向けたが、あまり警戒しないでせっせとついばんでいた。川の砂州に並んだ葉のまだ出ていない木にアカゲラが飛んで来た時も同じだ。目の前を飛んだ鳥が近くの木に止まり、こちらがゆっくり動くと、この時はアカゲラが警戒したのか、むしろアカゲラの方が動きを止めた。水辺の宝石と呼ばれるカワセミは普段も甲子川で見られるが、ヤマセミは市街地ではまず見ることがない。しかし、釜石へ来てすぐ、犬の散歩で川の土手を歩いている時に偶然ヤマセミを見つけた。対岸の木の枝に止まり、川の小魚を狙っていた。その後も何度か同じ木に止まっているのを見たが、今は自動車道の工事のために、その木もすでに切られてしまった。川沿いに道路工事が行われているので、もうヤマセミがやって来ることはないだろう。
たくさん咲いて来た藪椿