小川糸さんの、『ファミリーツリー』という本の感想文です。
あらすじ
長野県穂高の小さな旅館で生まれた弱虫な少年、リュウ(流星)は、夏休みになると東京からやってくる1つ年上の“いとこおば”にあたるリリー(凛々)を心待ちにしていた。
流星の姉(蔦子)も一緒に、3人は本当の家族のように短い夏を一緒に過ごす。
リュウはリリーに恋をしていた。
ある夏休みの夜、悲劇が起こる。
その後ずっとふさぎこみ投げやりになっていたリュウに、リリーが近づいた。
2人は周囲の反対なども気にせず、付き合い始める。
遠距離恋愛だったが、互いの気持ちは近くに寄り添っていた。
しかし大学生になるとすれ違いなどもあり、次第に距離をおくようになる。
そんな2人の心に、2人をとても可愛がってくれたひいおばあちゃん(菊さん)が問いかける。
更にリュウの親友(ゴボウ)の衝撃の告白に、リュウは家族のあり方を意識し始める。
私・・・リュウみたいな男の人はダメです、受け入れられない(笑)
根本的な問題で、イライラしながらカチンときながら読む羽目に・・・
そのせいか、なんとなく読後感がスッキリしなくって
でも、菊さんの最後のお話にはジーンとしました
それから、“家系図がどんどん下に大きく広がって続いていくその図が、まるでクリスマスツリーのよう”という表現には納得
家族のあり方についての話が心に残り、色々と考えさせられました
心に残ったところ
「生きていれば、必ずいいこともあるよ。神様は、そんなに意地悪なことはしない。よい行いさえしていれば、いつか自分に返ってくる」
「パパとママが出会ったから、私が生まれてきたわけでしょう。
そういうなが、ずーっとずーっと遥か昔から続いてきたわけでしょう。
それって、すごいことなんだよ。
そしたらさ、生きてると辛いこともあるけど、楽しいこととか嬉しいこともたまにはあるわけじゃない?
そのすべてが、両親からのっていうか、ご先祖様達みんなからのプレゼントなんだ、って思えたの。」
「人って、一人じゃ生きていけないんだね。そのことが、リリーと離れていてよくわかったよ」
僕は言った。
「人が、一人の人間からは生まれないのと一緒かもしれない」
リリーはそう言って、ゆっくりとまぶたを閉ざした。
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