こころのたね

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『あなたがここにいて欲しい』

2010-10-25 21:49:20 | 
中村航さんの『あなたがここにいて欲しい』という本をご紹介します


あらすじ

懐かしいあの日々、温かな友情、ゆっくりと育む恋――僕は、守り続けなきゃならない。

幼なじみの又野君に会いに、3年ぶりに小田原に降り立った大学生の吉田君。
けれども又野君はすでに小田原にはいなかった。
憧れのヤンキーだった又野君と小学校時代にシノビという遊びを図書室でしたこと、
受験勉強を教えたこと、怪我を介抱したこと、ゲームをしたことなどが次々によみがえる。
一方で吉田君は、ゼミ仲間の舞子さんに想いを寄せている。
舞子さんと同じものを分かち合い、同じように感じたい。
けれどもなかなか積極的に行動できない。
何度も一緒に帰っているのに告白への一歩をためらってしまう。
そんな時、又野君から突然連絡が来る。そして舞子さんとの関係にも進歩が・・・。
神奈川の小田原を舞台にした青春・恋愛小説。


“人生の三大美徳”を探す大学生の男の子の小学生時代から今までを振り返った、自伝的小説の『男子五輪』と
公園の野良猫に牛乳をあげ、餌をやり、木のうろを通して文通することになった見知らぬ男女二人のやりとりが描かれた『ハミングライフ』を含む、中篇集。



                                        

吉田君の意気地のなさが、もどかしく微笑ましく、ちょっと腹立たしく・・・(笑)
それでもいくつかのきっかけがあって、自分の大切なものを再確認して、
それを守るために行動を起こした吉田君は、とても男らしかったと思います

大切だと思える人やものに出会えることが、まず最初にとても幸運なこと。
それをきちんと大切にすることが、とても難しいこと。
実は、それを大切にしていいということが、奇跡みたいなこと。
私も忘れちゃいけないな、と思いました


この本の中で私がいちばん好きなお話は、『ハミングライフ』です
絵本のような、ほのぼのした物語なのですよ
読後感がさわやかで、心が温まりました

                                        


心に残ったところ

『あなたがここにいて欲しい』より

守れるものの総量は、とても限られている。電柱を背にうずくまり、吉田くんは思った。
呼吸を整え、電柱にもたれかかる。
だからこれからは、大切なものを自分からまもりにいかなければならなかった。


『男子五輪』より

探し続ければ、美徳などいくつでも見つかる。
ならば、と男は考える。いや、違う。考えるんじゃない、感じるんだ!(Don't think. Feel!) 
"礼儀"、"仲良し"に続くもの、それは……。
――もうひとつを探し続けること。


『ハミングライフ』より

誰かの営みの跡を見つけると、少しだけ嬉しい気分になる。
自分だけが気付く、小さな小さな誰かの営み――。
誰かの営みが、全然関係ない誰かをハッピーにする。
それはとても素敵なことに思えた。


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