その後、大家と話した権堂という人物像はあまりいい人種ではないということが分かった。借金の返済に追われて、いつもがらの悪い輩に囲まれている場面を何回も目撃しているらしい。ミツオが手がかりの無さに、頭を抱えながら自分の車に戻る。「どう、なにかわかった」
ミツオは飛び上がって驚きながら声の方を見る。車から少し離れた位置にいたのは、傘もささずにたたずむエリーだった。聞きたいことは山ほどあったが、冷静をよそおいミツオは口を開いた。
「今のところ何も分からない。権堂は夜逃げ中、実績のある男が、どうしたっていうのだ。仕事の方はどうなってる」
「無断欠席が続いて、もうすぐ解雇扱いになる」
捜索の依頼主であるエリーがあまり関心のないように見えるのがミツオには不思議だった。
「君と権堂はどういう関係?」
「権堂は良いことにも、悪いことにも私と関係がある。そして悪いことの方で、どうしても探してほしい用事がある」
エリーの言葉が終わるか終わらないかのタイミングでミツオは激痛を後頭部に感じながら、自分の車にぶち当たる。
その勢いで地面に倒れ込む、濡れたアスファルトの感触が顔面を支配した。
ミツオを見下ろしながら、男のだみ声が聞こえた。
ミツオは飛び上がって驚きながら声の方を見る。車から少し離れた位置にいたのは、傘もささずにたたずむエリーだった。聞きたいことは山ほどあったが、冷静をよそおいミツオは口を開いた。
「今のところ何も分からない。権堂は夜逃げ中、実績のある男が、どうしたっていうのだ。仕事の方はどうなってる」
「無断欠席が続いて、もうすぐ解雇扱いになる」
捜索の依頼主であるエリーがあまり関心のないように見えるのがミツオには不思議だった。
「君と権堂はどういう関係?」
「権堂は良いことにも、悪いことにも私と関係がある。そして悪いことの方で、どうしても探してほしい用事がある」
エリーの言葉が終わるか終わらないかのタイミングでミツオは激痛を後頭部に感じながら、自分の車にぶち当たる。
その勢いで地面に倒れ込む、濡れたアスファルトの感触が顔面を支配した。
ミツオを見下ろしながら、男のだみ声が聞こえた。