日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
http://onimimicola.jimdofree.com

◎冬のおにみみコーラ「はじまるよー!」

2023年11月30日 | ◎これまでの「OM君」
冬のおにみみコーラ「はじまるよー!」
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その13)

2023年11月29日 | ◎本日の想像話
 顔をなめるざらついた舌の感触でミツオは目を覚ました。猫がそこにいた。白地の三毛猫がじっとミツオを見ていた。三毛猫は意識が戻ったことを確認して満足したかのように一声小さく鳴いた。こぎれいな部屋。フローリングの床にブランケットが敷かれている。その上にミツオは寝かされていた。
「気がついたかね。あんた、あの連中が誰だか知っているのかね」
 奥から出てきたのは先ほど立ち話をした大家だった。
「知らない」
 大家は心配そうに、ミツオをのぞき込み、ひとりうなずいた。いそいそとミルに豆を入れだす。どうやらコーヒーをいれるつもりらしい。
「権堂には近づくなと言われた」
「あの連中はこの辺り一帯を取り仕切る磯山会と呼ばれる荒くれ者達だ。デジタル関連のしのぎも得意と聞いておる。コーヒーでも飲むかい」
「ありがとう。いただくよ」

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎「ぼっちゃーん」とおいかける。

2023年11月28日 | ◎これまでの「OM君」
ぎっしりお菓子のつまった袋を持ったおぼっちゃん。
縛ってあるリボンだけを持つものだから、お菓子の袋がすっぽぬけ。
リボンだけをにぎりしめて立ち去ろうとする親子がいた。
 
「ぼっちゃーん」
あわてて、落としたお菓子の袋をひろって追いかけた。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その12)

2023年11月28日 | ◎本日の想像話
 ミツオのそばでたたずむ男は一人ではなかった。ボス格の男が手下に指示を出す。ミツオの両脇を抱え上げてむりやり立たせ、車に投げつけた。
「あんた探偵さんだろ」
 焦点の合わない瞳でミツオは、ボスらしき男を見る。背は低いが、首の太さが尋常では無い。目の輝きには感情が無い。は虫類を想像する切れ長の目。 
「あのエリーとか言う女に頼まれて権堂を探してるな」
 男は懐からタバコの箱を取り出し、はみ出したフィルターを口にくわえた。すかさず左右の手下から火が二つ灯される。
「これが最終通告だ。次に会う時にはこれではすまない。この件から手を引け」
再びアスファルトにミツオは転がされる。立ち去る足音だけが耳にとだいている。
 エリーはいつの間にかいなくなっていた。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その11)

2023年11月27日 | ◎本日の想像話
 その後、大家と話した権堂という人物像はあまりいい人種ではないということが分かった。借金の返済に追われて、いつもがらの悪い輩に囲まれている場面を何回も目撃しているらしい。ミツオが手がかりの無さに、頭を抱えながら自分の車に戻る。「どう、なにかわかった」 
 ミツオは飛び上がって驚きながら声の方を見る。車から少し離れた位置にいたのは、傘もささずにたたずむエリーだった。聞きたいことは山ほどあったが、冷静をよそおいミツオは口を開いた。
「今のところ何も分からない。権堂は夜逃げ中、実績のある男が、どうしたっていうのだ。仕事の方はどうなってる」
「無断欠席が続いて、もうすぐ解雇扱いになる」
 捜索の依頼主であるエリーがあまり関心のないように見えるのがミツオには不思議だった。
「君と権堂はどういう関係?」
「権堂は良いことにも、悪いことにも私と関係がある。そして悪いことの方で、どうしても探してほしい用事がある」
 エリーの言葉が終わるか終わらないかのタイミングでミツオは激痛を後頭部に感じながら、自分の車にぶち当たる。
 その勢いで地面に倒れ込む、濡れたアスファルトの感触が顔面を支配した。
 ミツオを見下ろしながら、男のだみ声が聞こえた。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その10)

2023年11月26日 | ◎本日の想像話
 夕闇へと向かう時間。
 霧、こまかい雨は降り続く。
 ミツオは権堂のアパートに到着した。十階建てのビルは威圧感を放ってそびえ立っている。
 オートロックに阻まれたドアの向こうにホウキとちりとりを手にした人物がいた。ミツオはドア越しに名刺を見せて面会を頼んだ。
「なんでしょうか?」
 人の良さそうな初老の男性が外に出てくれた。
「202号室の権堂さんはご存じですか」
「権堂さん……知るも知らないもないですよ」
「といいますと?」
「家賃滞納、音信不通、夜逃げ。どうもこうもないですよ。あなた権堂さんとどういった関係?」
「私も権堂さんの行方を捜しております」
「こっちが知りたいぐらいですよ」


 大家とミツオのやりとりを観察する車が一台。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎そんなことになりますか?シリーズ

2023年11月25日 | ◎本日の想像話
そんなことになりますか?シリーズ
「口元から血」のヒーロー?
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎【Edge Line ( エッジライン )】にて「おにみみコーラ」が紹介されました!

2023年11月24日 | ◎これまでの「OM君」
気になるニュースをユーザー本位で伝える総合ニュースサイト【Edge Line ( エッジライン )】にて「おにみみコーラ」が紹介されました!

“鬼のパワー”もらえる「おにみみコーラ」!奈良・橿原市で手作り体験
 https://edgeline-tokyo.com/travel/128307
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その9)

2023年11月24日 | ◎本日の想像話
 カオリに見送ってもらったミツオは、探すべき人物「権堂つよし」が務めている会社アリスコーポレーションに車をつけた。
 カオリの店でホットドッグを食べながら調べた情報をミツオは思い出している。
 アリスコーポレーションは近年「Eシステム」という革新的なソフトを開発して業績を伸ばしている会社らしい。そのプロジェクトのリーダーが「権堂つよし」ということがわかった。
 ミツオは社内の人間に直接話を聞こうと自動ドアをくぐった。広大なエントランスに人はいない。カウンターにはモニターが一台あるだけだ。つかつかと歩み寄ったミツオは呼び出しボタンを押す。
(アポイントメント・コード入力をおねがします)
 アポの無い人間は取り合ってもまらえないらしい。
 ミツオはアリスコーポレーションは後回しにして、権堂の住まいに向かうことにした。 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎まるで連続する永久機関のよう

2023年11月23日 | ◎これまでの「OM君」
まるで連続する永久機関のように甘いものを食べて、しょっぱいものを食べる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その8)

2023年11月22日 | ◎本日の想像話
 エリーからの書類には画像が添えられていた。Tシャツ姿の筋肉質で精悍な若者が写っている。「権堂つよし33歳」職業はアリスコーポレーションに勤務するシステムエンジニア。
 半年前からこの人物と連絡が取れなくなった。消息を確認することが依頼内容だ。
 エリーの見立てでは、半年前から新しい取引先としてハバナ社との関係が始まっている。ハバナ社との間でトラブルがあったのではないかと彼女は考えているらしい。
「おまたせ」
 カオリがホットドッグと大きなマグカップに注がれたコーヒーを持ってきた。
 まずは腹ごしらえをしてからとミツオは紙ナプキンを首元に挟み込んだ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その7)

2023年11月21日 | ◎本日の想像話
 ミツオはフォグランプを点ける。視界が黄色に支配される。直列6気筒のエンジンに振動は無い。クラッチを踏み込み、ギアを入れる。四個のタイヤで地上を走る車は、ミツオの車以外ほぼいない。10メートル上あたりの空では結構な早さのビーグルが行き来している。自動運転で制御された物体に視界は必要ない。
 のろのろとした速度で車は、目的地に到着した。
「ひさしぶりだね」
 引き戸に連動したカウベルがカランコロンと鳴る。そのベルの音に紛れて店主のカオリが声が聞こえた。正確な年齢は知らないが、おそらく同世代だとミツオはかってに思っている。なかなかの美人だが、男のうわさは聞いたことがない。カオリの店には誰かしらいるのだが、今日は時間がまだ早いらしく、客は誰もいなかった。
「いつものおねがい」
ミツオは一番奥の席に座る。いつもの席と決めていた。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎おにがわら(すわり)

2023年11月20日 | ◎これまでの「OM君」
おにがわら(座り)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その6)

2023年11月19日 | ◎本日の想像話
 ミツオは自分の顔を足下にいるロボットに向けた。ロボットの目から青白く光るライトが照射され、まぶしくて顔をしかめたと同時にロボの口から紙が吐き出された。ロボットは自らが吐き出した数枚の紙を器用に手のひらで受け止めている。
「お待たせいたしました。どうぞお受け取りください」
 ミツオは書類を受け取りながら口を開く。
「エリーが何者なのか教えてくれないか」
「お答えしかねますが、強いて言えば、大きな意味での仲間でしょうか」
「仲間ね……ちなみにもう一つ聞くが、この建物で一体何が行われているのか教えてくれないか」
「かしこまりました。お教えします」
 再び書類が口から吐き出される。少しびっくりしながらミツオは書類を受け取る。
「教えてくれるのか」
「はい、秘密主義からの脱却が現知事の方針です」
「そうか。ありがとう」
 ミツオは後ろで閉まるドアを振り返りながらやれやれと首を振った。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎霧中(その5)

2023年11月18日 | ◎本日の想像話
 ミツオはジャンパーにまとわりつく水滴を手の甲で払い落としながらガラス張りの扉の前に立った。まるで来るのが分かっていたかのように音もなく扉は左右に開いた。
 薄暗い廊下の奥から滑るように受付ロボットがやってきた。
「本日ご来庁のアポイントメントはございますか?」
 無機質に点滅するライトがミツオを射すくめる。
「アポはある」
 昨夜、エリーにここに来いと言われているのだから、アポはあるのだとミツオは思った。
「そうですか。それではあなた様のお顔をスキャンさせていただきます」
 案内ロボはこちらの承諾を確認する前に帯状に青白く光るライトを照射し始めた。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする