ぽぉぽぉたんのお部屋

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「たかが世界の終わり」

2017-04-03 | 映画のお話



カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞のフランス映画が来ているらしい         

カンヌのグランプリは面倒くさい作品が多いのでパスしようか・・・

と、思いながらも、面倒くさい原因の重さややぼったさがいいのよねと思いなおす
作品としてのよしあしというより、イライラさせられる内容で辟易することが多いのだ
もどかしかったり、うんざりしたり、疲れるのは年齢のせいかもしれない

最近フランス映画観ていないなあと思いながら
思い切って出かけた。


劇場には数人、すでに鎮座していた。

観終えて、
「なんだかなぁ」というのが正直な感想

家族がテーマの作品だが「愛情」も感じられる

愛情と憎しみは紙一重

家族だからこそ、正直、感情的になるのだろう

12年前、いったい何があったのだろうか
22歳の青年がどんなふうに家を飛び出したのか、想像するしかないが
目いっぱいおしゃれをして、フルコースのランチをこしらえる母
今の状況ではそれが母親にできる精いっぱいの愛情なのだろう

代々の名をどうして長男でない彼に継いだのか・・・
本当の理由は何なのだろう

始終不機嫌にふるまう兄の心の中も見えるようで見えない
みな、自分の心の内を出しているようで出していないような気がする

始終苛立つことで精いっぱいの防御をこころみているようだった

もちろん家族の誕生日ごとの手紙だけで、家を捨てた自分の行動を穴埋めすることはできない

せめて家族に会って、愛おしくまなざしをかけたことが救いだろうか

たかが自分の世界が終わるだけ
家族の世界は終わらない

自分の道を選んで飛び出した以上
今更、最後の別れを言いにくるだなんて

みな精いっぱい生きている

彼のようにマスコミにもてはやされるような、成功もしていない
ただ実直に生きているだけ

飛び出したルイの告白を聞く余裕がないようでいて
最後は兄も母も気づいていたのではと思うところもあった



天才と名高い、グザヴィエ・ドラン監督はまだ27歳だという

私の思う家族と彼の思う家族はたぶん違っているだろう。
それでも、家族の個々の心情はうなづけるものがあったし共感もできたところもあった

「不完全なモノを撮りたい」と監督は言っていたそうだが・・・

相変わらずカンヌのグランプリは後味がよくない

わずかな共感とあきらめと暗くて重い気持ちを引きずる

若さとはたぶんそんなものだろう
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