ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「ピエロがお前を嘲笑う」

2015-11-14 | 映画のお話


久々のドイツ映画。
たくさんの人が「グラスホッパー」を観に来ていた中で
(やっぱこっちでしょう)と私が選んだ映画は正解だったかな

主人公はいてもいないような透明人間と自分を表現するベンヤミン
父はおらず母は自死し、認知症のひどくなっていく祖母との二人暮らし。
孤独で冴えない彼がのめりこんでいったネット世界、そしてハッカー行為

好きな女の子のために試験問題を盗みに入った大学であえなく捕まり
矯正労働の中である男と知り合う
彼の個性的な仲間二人も加わって天才ハッカー集団クレイに
お遊びで始まった行為は金融業界や連邦情報局まで及び・・・
殺人事件に巻き込まれてしまう

絶望的な人生の迷子だったベンヤミンが
光りだし、天才ハッカーとして活躍していく
青春物語、成長物語と言ったらいいのだろうか

マインドファック ムービーやスリラーという触れ込みで
ハリウッドでリメイク権の争奪戦だとか

ほの暗いイメージのガッシリとしたベルリンの街
ふだん何気なく使っているネットのリアルとバーチャルの地下社会
サイバーマフィアの存在など
ぞっとするようなネットの裏側を見る思いだった

それでも変化のない内容に退屈さを感じた
そうしてごちゃごちゃ感も
後半は急展開し「ファイトクラブ」を思い起こし
あ~そうだったのかと思っていると
また一回転の結末

腑に落ちない点もいくつかあったり
うまく行きすぎだろうと思うのは
老婆心なのだろう

ネット社会のやり取りを
電車の車内でマントに仮面をつけて表現したのは
とても分かりやすかった

さあ、ハリウッドではどうリメイクし、料理してくれるのだろうかしらね


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「エール」

2015-11-14 | 映画のお話


席に着き、予告が始まっても
隣の席の女性が連れの女性とおしゃべりの真っ最中だ
だが、声はない。

ものすごい速さの手話の手の動きが空気を切る音と
時々座席に当たる振動が
私まで届く。

ふと見ると二人ともまだ若い女性たちだ。

そうして、初めて映画の内容を思い起こし気づいた・・・


フランスの田舎の農家の風景、懐かしい曲

生活する中で普段あまり気にしないような音なのだが
聴こえない家族たちは容赦なく音をたてる

調理の音、歩く音、お皿を置く音なども結構すさまじい。

なんとも手話の速いこと、そうして動きもリズミカルですごいのだ
まるで踊っているようなしぐさが飛び交う

俳優さんたちは手話の猛レッスンをマスターして
役に挑んだのだろう



家族の中で長女ポーラだけが聴覚障害がなかったため
彼女が周りの人たちと家族との橋渡しの役目を担い
上手にコミュニケーションをとっていたのだが・・・

オープンで明るくて仲の良かった家族が
ポーラの歌の才能がわかりパリの音楽学校の試験を受けることになったことで
ガタピシ言い始める。

彼女の素晴らしい歌声を聴くことのできない家族は才能を信じることもできない

陽気な母もしっかり者の父もおませな弟も不安でいっぱいだが
それらを乗り越え
娘の才能を理解し、応援していく家族の葛藤ときずな
青春と旅立ちの作品がすがすがしかった。

ポーラ役のルアンヌ・エメラの声がなんとも素晴らしい

フランスで人気の歌のオーディション番組で注目を集めた新人だという。

泣いて笑って、家族の温かさを知る感動作。

ひさしぶりの涙が流れ伝った・・・


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