ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「気になる木の花」

2011-08-05 | 草花のささやき
早朝、戸外にでると湿った空気にユリの香りが漂っていた。

このごろ、一本からたくさんの白い花をつけたユリを
あちこちで見かけることが多いなあと思いながら、
建物に戻りかけると
わたしの「気になる木」が白い花をつけていた。

そうして
香っていたのはユリではなく、
この「気になる木の花」だったことに気づいた。

数年前から、そこにあったタラの木の存在感が
急になくなったかと思うと
この木がいつの間にか伸びてきていた。

よく見るとピンクがかったつぼみから突き出して咲くという
奇妙だが繊細な白い花をつけて、
木の上の地味な花の存在感を際立たせるように
香水のような香りを放っているのが気になってしようがなかった。

それでも、気になったまま数年たった今朝、
調べる気になったのはどうしてなのだろう。

もどり梅雨がいっこうにあけず、うっとうしい毎日が続いている。
来客用の布団が干せないどころか、毎日の布団さえうさんくさくなってきて
ただ、待ちの構えのまま日が過ぎてゆく・・・

「気になる木の花」は「クサギ」とあり「臭木」だという。

花はあでやかな香りだが葉や茎が臭いらしい。
その葉もゆでれば美味しくいただける山菜であり
鎮痛や殺菌作用のある薬草でもあるらしい。

花にはアゲハが集まるという。
そういえばこのあたりで大きな蝶が舞っているのを見かけたことがあった・・・

羽根つきの羽根のような形の赤いガクの中にできる実は
絹を美しく水色に染める染料だそうで、
なんとも万能な木ではないか。


ふっと
小学校の東側にこの形の実のなる大木があったのを想いだした・・・
1年生の頃だったろうか。
秋になると競争して羽根の実を拾った光景まで浮かび上がってくる・・・

高学年になって、
植物好きの担任が
「この木は大きくならないはずなんだが、
それにしても大木だなあ~だから実も小さいなあ~」
とつぶやいていたことまで覚えている・・・ようだ・・・

「気になる木」の花は香って、「想いでの木」であることを
わたしに気づかせてくれたのかもしれない。












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「もどり梅雨」

2011-08-04 | 草花のささやき
夜明け前、外に出ると濃いもやがかかっていて驚いた。
こんなもやは何年ぶりだろう。
10代の頃に旅した美ヶ原で出会ったもや
娘が小さいころのいつまでも梅雨が明けなかった年の
買い物へゆく小道にトンネルのように続いていたもや

幻想的というより、目先の信号もにじんでいて怖い。

すぐ前を歩いていた人の姿が地面に傾いていて無気味だ。
荷物を持った姿の輪郭も
ぼやぼやにひろがっていて何だか地球ではないような感じ・・・

今年は遅く梅雨入りし、
早くあけたはずなのだがここにきてくすぶっている
降り残した雨粒をちりばめて、ふりまいて
いつまでくすぶっているのだろうかと
湿った大気を恨めしく思う

やっとうすくなったもやが霧になり、
小雨になって降り出した・・・

じっとりと暑く身体にしみ込んでくるじめじめした悪魔

いとおしく濡れている蜘蛛の巣だけが
何かしら風情があってさわやかな気がした


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