「バスの中で」

朝から雨だったのだが、用事があって出かけた。
ドアを出ていざ傘を差そうかと外を見ると
歩き出すのを躊躇するような雨脚だ。

7月の末のゲリラ豪雨でひどい目にあったのを
思い出してしまう。
雨宿りしても少しも雨は弱くならず
自分を休ませるだけの雨宿りを繰り返してびしょぬれになった。
そうして時計をだめにしてしまった。

バス停に立ちんぼうをして久しぶりにバスに乗った。
バスカードの入れ方まで忘れてしまっている。

マンモス住宅地からのバスは混みあってやってきた。
入口のステップから上がろうにも上がれず
もたつくとドアが閉まらないのでよじ登る感じで何とか乗りこんだ。

バスの中は傘を持ったレインコート姿の年配の乗客がほとんどで
ゆずりあいの席の前にも
必死に手を伸ばして吊革にしがみついているおばあさんたちがいて
何だかお気の毒だった。
でも込んでいるのだからしようがない・・・

最近では人と人との間隔が地下鉄の席でもあらわだが
このバスの中の状態は別世界のようだ。
そうして蒸し暑い。

乗り付けないバスの中で傘を気にしながら
あれこれ思い巡らしていると
必死な形相だったおばあさんたちの顔が
いつの間にか穏やかになっていた。

不思議に思って見やると
向かいの席に座っているお母さんに
おんぶされている赤ちゃんが目覚めたのだ。

みなにこにこして急に空気が和らいだ。

おばあさんたちを前にして座っていたお母さんも
赤ちゃんのことを聞かれるとほっとしたような顔で
答えていた。

今日は組合員の総決起集会。
だが、この雨でデモ行進もとりやめになるだろう。

猛暑の「大阪へ」

一年ぶりに法事のため帰阪した。
午後の便で猛暑の記録を更新している仙台を飛び立って、
夕方の大阪に着いたがさすがに暑い。

６台がらみの事故があったとかで高速に乗れない空港バスは
渋滞の中、信じられないようなのろのろ運転・・・

高速を通らなくても高速バスの料金になるのかしら？
などと、急に大阪人気質の疑問が浮かんだ頃合いを見計らって
バスはやっと高速に上がると
「あと２０分程で到着いたします！」と運転手のアナウンス。

暑さと渋滞でくたびれ果てたせいか、迷いながらホテルに着いたころは
もう限界の汗びっしょり～な、ぐったり～な状態

余裕たっぷりのはずだった待ち合わせに３０分ほど遅れて
リーズナブルでおいしい大阪名物の串カツを堪能する。

ガラガラの店内で店員さんから
「込み合ってきたらラストオーダーとらせてもらいますので～」
と言われたのだが
次々串揚げもお酒も頼んでいると
もうラストオーダーをとりにやってくる？！
時計を見て、まだ１時間もたっていないじゃんと思わず口に出してしまう。
さすがの大阪・・・
しぶしぶ出ると、いつの間にか外で待っている客もいる様子

次はちょっと高級なうどん屋「今井」で締めとすることに

初めて聞くうどんの名前に
内容をひとつずつ訪ねながら
やっぱり「けつねうどん」をすすってホテルに帰る

仙台も35度を超えたらしい、でも大阪はもっと暑かった