ぽぉぽぉたんのお部屋

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哀れなるものたち

2024-02-10 | 映画のお話
第80回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞
第81回ゴールデン・グローブ賞ではコメディ・ミュージカル部門の作品賞と主演女優賞
第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞ほか計11部門にノミネート

イギリス映画かと思ったが、どうやらイギリス・アメリカ・アイルランド合作らしい

原題は「poor things」
相づちのように軽い感じで使うカジュアルな言葉らしい
でもよくわからない
お気の毒に?さんざんだね?可哀そう~?という感じで
「哀れなるものたち」なんて仰々しい感じではないようなのだけど・・・
(何かが欠けていて惜しい)ってことならそう言う意味かなどと
逡巡してしまうのだ。

身投げした若い女性の胎児の脳を移植して
その女性を蘇生させた天才外科医ゴッドウインの風貌からしてフランケンシュタインだ
蘇った身体は大人なのだが脳が赤ちゃんなもので
まだまだよちよち歩きの成長課程、幼い行動パターンも
彼女の視点でモノクロや歪みの映像になっていて面白い

ヴィクトリア朝時代で、馬車が闊歩しているのに
ゴッドウインの馬車だけが前は馬なのに後ろからは蒸気がでていたり
古風な街には宇宙船風の気球も浮かんでいたりと
魔か不思議な世界

肩のあたりは時代風なのにいきなりミニスカートだったりと
衣装も不可思議な雰囲気だ
今どきのおとぎ話だと思いながら観ていた・・・

婚約者がいながら
遊び人の弁護士ダンカンの誘いで世界一周の旅に出ると決めたベラ

最初はアメリをほうふつとさせるテンポだったが
次第に不協和音が奏でられて
自慰やセックスシーンの嵐だ。

そんな中で死と再生
時代の男と女の関係性が垣間見えてくる

ベラの体当たり的な何でも変えようとする意気込みが
ただただ場当たり的に進んで
船旅でのマダムたちとの出会いで哲学や読書を知り
パリ娼館にたどり着く
世渡りを知ったかと思うと社会主義者になり
大学で医学を学んでいたりと
奇想天外な物語だ

父親の実験台だったゴッドウイン博士の子供時代は悲惨だったが
最後は亡くなる天才外科医ゴッドウィンの脳を移植しなかったのはなぜだろう

なんでヤギなんかになっちゃったの

博士の脳はもうあかんかったんやろかとも思うけど
想像もしない終わり方に
女性の成長と進歩はわかったけれど
いつまでも不可解さだけが残った。

死体を切り刻むシーンにしろ
セックスシーンにしろ
おぞましさも厭らしさもなかったけれど
面白おかしくというより
奇想天外さについていくのがやっとで
整理する余裕もなかったといたほうがいいかもしれない。







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