私は割合に人を信じる。ちょうどこちらが信じた分量だけ、相手も私を信じる、と信じている。
これは若いときに人を好きになったとき、ちょうど自分が好きになった分量だけ、相手も自分を好きになる、と信じたとき、百発百中、はずれることのなかったのとおなじことである。人間同士の張っているアンテナにも、正確に電流が通じる。
宇野千代 58
これは若いときに人を好きになったとき、ちょうど自分が好きになった分量だけ、相手も自分を好きになる、と信じたとき、百発百中、はずれることのなかったのとおなじことである。人間同士の張っているアンテナにも、正確に電流が通じる。
宇野千代 58