またテレビでしょっちゅうラグビーをやるようになった。
おいらも二本足と一緒にソファーに座る。どっちが勝つかなんて、どうでもいい。
気になるのはどれだけアイツらにナデナデしてもらえるか、だけさ。
==============================
アニキはタオルからそっと出た。床に立つと不思議そうに周りを見てる。
少しは目が見えてきたのかもな。でも、頭のテレビにはまだなんにも映ってない。
「大丈夫か?チャッチャ。」
「歩けるかしら?」
「砂糖水が効いてきたのかな?」
アイツらが見下ろしてる。
アニキはゆっくりとフレンチドアに向かった。歩ける。
夜だからドアは閉まってる。しかも外は雨だ。
アニキはドアの前に座った。今度はスフィンクス座りじゃない。
ちょっとはよくなったんだろう。
「外行きたいか?チャッチャ。」
「座れるじゃない、すごいわ。外の空気吸っておいでよ。」
こういうとき、アニキは外に出たがる。おいらだってそうすると思う。
歩けるようになったら、元気になりたかったら、とにかく外だ。
(外は気持ちがいい。ウロウロしてるだけでも元気になるさ→)
連れ合いは上から下まで黒い服を着てきた。歩くとガサガサ音がするヘンなもんだ。
これを着てると雨に濡れないらしい。
めんどくさいよな、天気で服が違うなんて。
手には灯りが出る棒を持ってる。これぐらい暗いと二本足は見えないんだ。
(だからっておいらがトイレしてるとこ勝手に写真とんなよな。いいのか?このへん、草ぼうぼうだぜ!→)
ドアが開くとアニキはゆっくりサンデッキに出た。
連れ合いが棒に電気をつけて、丸い灯りが出た。灯りの中をキラキラしながら雨が落ちてく。
でも、そこまでだった。アニキは濡れたデッキの上に座った。
階段を降りてくほど元気じゃないんだろう。
連れ合いもそこで止まった。アイツが傘を持ってきた。
1人と1匹は傘を差してずっとそこにいた。
(つづく)
おいらも二本足と一緒にソファーに座る。どっちが勝つかなんて、どうでもいい。
気になるのはどれだけアイツらにナデナデしてもらえるか、だけさ。
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アニキはタオルからそっと出た。床に立つと不思議そうに周りを見てる。
少しは目が見えてきたのかもな。でも、頭のテレビにはまだなんにも映ってない。
「大丈夫か?チャッチャ。」
「歩けるかしら?」
「砂糖水が効いてきたのかな?」
アイツらが見下ろしてる。
アニキはゆっくりとフレンチドアに向かった。歩ける。
夜だからドアは閉まってる。しかも外は雨だ。
アニキはドアの前に座った。今度はスフィンクス座りじゃない。
ちょっとはよくなったんだろう。
「外行きたいか?チャッチャ。」
「座れるじゃない、すごいわ。外の空気吸っておいでよ。」
こういうとき、アニキは外に出たがる。おいらだってそうすると思う。
歩けるようになったら、元気になりたかったら、とにかく外だ。
(外は気持ちがいい。ウロウロしてるだけでも元気になるさ→)
連れ合いは上から下まで黒い服を着てきた。歩くとガサガサ音がするヘンなもんだ。
これを着てると雨に濡れないらしい。
めんどくさいよな、天気で服が違うなんて。
手には灯りが出る棒を持ってる。これぐらい暗いと二本足は見えないんだ。
(だからっておいらがトイレしてるとこ勝手に写真とんなよな。いいのか?このへん、草ぼうぼうだぜ!→)
ドアが開くとアニキはゆっくりサンデッキに出た。
連れ合いが棒に電気をつけて、丸い灯りが出た。灯りの中をキラキラしながら雨が落ちてく。
でも、そこまでだった。アニキは濡れたデッキの上に座った。
階段を降りてくほど元気じゃないんだろう。
連れ合いもそこで止まった。アイツが傘を持ってきた。
1人と1匹は傘を差してずっとそこにいた。
(つづく)