シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0226■アニキ、再びⅦ

2007-02-17 | 猫の病気
またテレビでしょっちゅうラグビーをやるようになった。
おいらも二本足と一緒にソファーに座る。どっちが勝つかなんて、どうでもいい。
気になるのはどれだけアイツらにナデナデしてもらえるか、だけさ。
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アニキはタオルからそっと出た。床に立つと不思議そうに周りを見てる。
少しは目が見えてきたのかもな。でも、頭のテレビにはまだなんにも映ってない。
「大丈夫か?チャッチャ。」
「歩けるかしら?」
「砂糖水が効いてきたのかな?」
アイツらが見下ろしてる。

アニキはゆっくりとフレンチドアに向かった。歩ける。
夜だからドアは閉まってる。しかも外は雨だ。
アニキはドアの前に座った。今度はスフィンクス座りじゃない。
ちょっとはよくなったんだろう。

「外行きたいか?チャッチャ。」
「座れるじゃない、すごいわ。外の空気吸っておいでよ。」
こういうとき、アニキは外に出たがる。おいらだってそうすると思う。
歩けるようになったら、元気になりたかったら、とにかく外だ。
(外は気持ちがいい。ウロウロしてるだけでも元気になるさ→)

連れ合いは上から下まで黒い服を着てきた。歩くとガサガサ音がするヘンなもんだ。
これを着てると雨に濡れないらしい。
めんどくさいよな、天気で服が違うなんて。
手には灯りが出る棒を持ってる。これぐらい暗いと二本足は見えないんだ。

(だからっておいらがトイレしてるとこ勝手に写真とんなよな。いいのか?このへん、草ぼうぼうだぜ!→)

ドアが開くとアニキはゆっくりサンデッキに出た。
連れ合いが棒に電気をつけて、丸い灯りが出た。灯りの中をキラキラしながら雨が落ちてく。
でも、そこまでだった。アニキは濡れたデッキの上に座った。
階段を降りてくほど元気じゃないんだろう。
連れ合いもそこで止まった。アイツが傘を持ってきた。

1人と1匹は傘を差してずっとそこにいた。
(つづく)


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