土の音(食育のグリーンノート&土の音工房)

「食と健康セミナー」(食養料理教室や講演会)の開催中。
「土の音工房」で、オカリナ製作販売・演奏・教室(初心者~)を主宰

トンガ王国から日本の食生活を見直す❣️

2022-03-06 | 食と健康
あめつちの便り「土の音」🌺
【長寿の秘密を明かす】南太平洋トンガ王国の例

「90歳を越える幾人ものトンガ人が、今なお元氣」
    太平洋島しょ地域を巡り、長寿について研究をしている、日本のフード&ヘルスコンサルタント 上村彰さん(国際自然薬方研究会所属)が指摘する。

上村さんは、アラキヒヒフォモータースによる調査内容から分析しており、上記の指摘はあくまでも輸入された加工食品を食べて、不健全な生活を送っている、現在の非常に多くの人たちを除けば、ということである。

「私たちの研究では、多くの野菜と、分離・加工されていない全体食を採取し、活発な野良仕事をして暮らす人々が、最も長寿を全うしている」と上村さん。

彼は、ロシアのコーカサス地方、南米エクアドルや、中国の辺境に世界的長寿郷があると言うが、他方西サモア本島に、ナチバレ・トマ・アガイマロ・ラウプアさんという128歳の女性(注:西サモア政府資料)が、今も健在であることを指摘している。

先月ニウアフォオウ島で、地元案内人の下に彼の調査が行われたが、そこでは高齢者のほとんどが、バナナや木の実や根菜や魚といった、地元産の食べ物に依存していたことが判った。

彼らは雨水のほか、もっぱらヤシの実の果汁を飲用し、適量のカバ(注:カバという木の根の成分に沈静作用があり、男性のみ絞り汁を飲む)をたしなみ、砂糖や卵やバターや、ほかの脂肉はほとんど摂取せず、アルコールも飲んでいない。

この島では、怪我を薬用植物で治したり、伝統的な薬で病気を治療する方法が伝わっており、上村さんは、近代的な医療機器がほとんどないにもかかわらず、80歳代くらいの活動的な人々の数が、島の総人口から見ても多いことに注目している。

専門の研究によれば、正しい食生活と生活様式を守れば、人間の自然な寿命が150歳にも及ぶとしてい
ることから、彼は本来の天寿を全うする最もよい手段として、長寿についての調査を施行するに及んでいる。

好ましい食生活について彼の持論は、野菜類を基盤に置くことであり、それはまた野菜類(※↓)は、獣肉食をまかなうよりも狭い土地で、より多くの需要に供する食物を収穫できるということでもある。

(※)「野菜類」という指摘は →「根菜・葉菜・海藻・野草・未精白穀物」など植物性のものという意味を含む。

『月刊・太平洋諸島』4月号のリリ・ツワイによれば、30年前には糖尿病など、南太平洋のどこにも、ほとんど知られていなかったが「現在この地域は、世界で最も糖尿病の発生率が高い地域である」としている。

それによれば、盲目や手足の欠損など、生命を脅かす合併症を伴う、糖尿病の危機的発生率のために、医学会は、この問題を解決する方法を確立する、緊急の必要に迫られている。

世界保険機構と国際糖尿病基金の両方が、南太平洋地域における糖尿病について「事の項大性は、伝染病と同等だ」としている。
    トンガ、ニューカレドニア、西サモア、パプアニューギニア、キリバス、そしてフィジーも皆、病気と格闘中であり、ナウルにおいて最もまん延している。

ますます多くの人々が、伝統的な食生活と生活様式を捨て、加工食品に偏り、運動不足に陥りつつある。
    そして島民の生活がより都市化されれば、ほとんどの者にとって伝統的な狩猟採取生活は、もはや不可能となる。

上村さんが集めた、90歳以上の人についてのフィジーの新聞記事など、長寿についての資料や政府統計によれば、インド系フィジー人は土着のフィジー人よりも長寿であり、中国系フィジー人は短命だ。
    おそらく、質の悪い油や肉を摂取し過ぎているせいだろう、と彼は言う。

「食文化は最も重要である」。6月14日、トンガ・クロニカル社を通じた上村さんの忠言だ。
    研究によれば、自分たちの伝統的な食文化の重要性を無視した国々ほど、苦しんでいる。それは、生命を脅かす糖尿病によってのみでなく、その土地で採れた食品を、輸入で置き換える経済的負担にもよる。

また日本人は、長寿の評判にもかかわらず、その実態は決して健康でなく、悪性ストレスの少ない生活形態でもない。その証拠に、収入の中に占める、健康管理に使われる支出の割合が高い。

そして、現在「牛乳や肉、化学塩や白砂糖の消費が増加していることから、日本の特に若い世代に、非常に大きな問題が引き起こされている」と上村さんは主張し「日本の子供の2,5人に1人の割合で、大人になった時にガンにかかる可能性があると警告している。
    統計ではアメリカ同様、3人に1人の割合に達しつつある。

    いたって若々しく見える41歳の上村さんは、日本自然保護協会の会員でもあり、彼は以前1981年にもトンガを訪れている。

「私は、無線機などの特別な機械もエンジンも使わず、7mの小型帆船で、単身日本からトンガへやって来ました。水平線上の星が(注:伝統的天文航法)、私を導いてくれました。当時は25歳でしたが、海上生活とポリネシアでの体験から、大変多くのことを学びました」

上村さんは日本に向け、6月21日にトンガを発ったが、彼の得た知見が、地域の健康と長寿に関する機関によって、利用されることを望んでいる。

文責「トンガ・クロニカル」(トンガ王国・国営新聞1996.6.27)

■紙面右下部掲載の【107才】の女性 Mrs Luse-ane Fukofukaさんには、国立病院の看護婦などの通訳で取材させて頂きました。彼女については誤解の無いよう別の機会に記します。

 なお、当時の日本の文部省の予算で、なぜトンガ人は太っているのに慢性病患者が少ないのか?と、栄養士や医師による調査が行われたことがありますが、これについても別途触れたいと思います。

※原文の誤記は訂正し、難解な所は理解しやすい表現になるように試み、また(注:)も入れました。
    本訳文は遠藤直生さん(石川県立大学教員 当時)の協力によるもので、感謝の意を記します。

毎日新聞(1996.7.4)の記事で、最下段の「太り過ぎ」は「輸入食による悪性の病的肥満」という意味ですので、誤解のないように読んで下さい。

懸念されるのは「粗悪な輸入食の摂取過剰による悪性の病的肥満」であり、古来からの健康豪放な大柄体格とは、内容がまるで異なるものです。

コンビーフ、羊肉、砂糖、精白小麦粉、添加物入り消涼飲料水などの、輸入食・洋食による、体内自然環境の汚染と破壊による、病的肥満が大きな問題になっています。

また元来、トンガ人の伝統的美的感覚とモラルでは、健康な太り方こそ豊かさを表わす指針であリ、太って落ち着いて、優しさと威厳のある優雅さを合わせもち、家事をこなす女性こそ、あこがれの美人なのです。

古来の日本女性も、トンガの女性同様に着物が似合う体型でした。
    現代西洋文明社会の、「やせたい」願望は、多くの場合、病的脅迫観念とさえ言えるでしょう。

グリーン・ノート・フォーラム「森のいぶき」誌編集室 上村 彰 記\月刊【人間家族】1996年8月号(スタジオ・リーフ発行)

    ───────────
【土の音】(食育のグリーンノート & 土の音工房)
http://green17.crayonsite.net
◉メールフォーム(お問合せ、行事等)
https://x.gd/ExowQ












2022/03/06

2022-03-06 | 食と健康
あめつちの便り「土の音」🌺
時代(いま)に生きる【望遠鏡で "文明社会" ものぞく】文・酒井和人

二月二十八日、金沢市卯辰山。夜明け前の冷たい空気の中、もぞもぞと黒い影が動く。
    「星空を守る会・北陸ネットワーク」代表の上村さんらメンバー二人。

この日は今世紀最大とも予想されるヘール・ボップすい星の観測会。「このガスさえ晴れれば」「ああ雲がっ」。わずかな空の動きに一喜一憂する上村さんの表情はどこか無邪気な子供を思わせる。

星との出会いは小学校時代。屋根に上って星を見るのが好きだった。 未知へのあこがれ、賛美。だれもが抱き、次第に忘れていく思いをずっと捨てなかった。

「何か違う」。文明社会の中で感じ続けていた違和感の正体を探ろうと、高校卒業後、自転車にテントを積んで旅に出た。小笠原、毛美大島などを回り、半農半漁の人々の生活に共感を覚える。

その後、約二年がかりで小型帆船 ほうき星」を造り上げ、昭和五十五年、たったひとりで太平洋へ。約一年四カ月をかけ、トンガ王国まで往復約一万六千を航海した。
    「海の上では星が本当にきれいなんです。波が静かなら海面に光が反射して宇宙にいるよう」。

そんな光が日本に近づくにつれ、漁船の明かりや、街のネオンに消えていったのがショックだった。
    帰国後、個人的にスタートした「光害」防止運動を通じて仲間と出会う。

運動が全国組織「星空を守る会」として盛り上がった平成四年、同会北陸ネットワークを結成、代表に就任。以来、定期的な観測会や光量調査、行政への提言など積極的な活動を続けている。

「星空を守ることは、環境、エネルギーなどさまざまな問題につながる。地球規模の考えを持ちながら、一つ一つ足元を見直していきたい」。
    望遠鏡でのぞくのは星ばかりではない。(北陸中日新聞)

    ☆【星空の日】制定 議会提案&光害調査・星空観察会
:https://youtu.be/-rIWbmFoRQo

◼️【星空を守る会】:(元 国立天文台台長 古在由日初代会長)。ライトアップを実施している施設や生態系に影響を及ぼしている屋外照明、電力の無駄の多い屋外照明に対して改善を要求する老舗的な団体。
    光害(こうがい、ひかりがい、英: light pollution)とは、過剰または不要な光による公害のことである。夜空が明るくなり、天体観測に障害を及ぼしたり、生態系を混乱させたり、あるいはエネルギーの浪費の一因になるというように、様々な影響がある。(Wiki...)

    ───────────
【土の音】(食育のグリーンノート&土の音工房)
http://green17.crayonsite.net
◉メールフォーム(お問合せ、行事等)
https://x.gd/ExowQ