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集団的自衛権:閣議決定 自衛隊60年、岐路 戦い死ぬ、リアル(その2止) 世論割る決定の先

2014年07月05日 | 政治

毎日新聞 2014年07月02日 東京朝刊

首相官邸前で「せんそうはんたい」と書いた紙を掲げる子ども=東京都千代田区で2014年7月1日午後6時13分、徳野仁子撮影
首相官邸前で「せんそうはんたい」と書いた紙を掲げる子ども=東京都千代田区で2014年7月1日午後6時13分、徳野仁子撮影
集団的自衛権行使に関する政府解釈変更を決定する臨時閣議に臨む安倍晋三首相(左)と太田昭宏国交相=首相官邸で2014年7月1日午後4時57分、藤井太郎撮影
集団的自衛権行使に関する政府解釈変更を決定する臨時閣議に臨む安倍晋三首相(左)と太田昭宏国交相=首相官邸で2014年7月1日午後4時57分、藤井太郎撮影
集団的自衛権の行使容認に反対し首相官邸前で抗議行動をする大勢の人たち=東京都千代田区で2014年7月1日午後8時20分、矢頭智剛撮影
集団的自衛権の行使容認に反対し首相官邸前で抗議行動をする大勢の人たち=東京都千代田区で2014年7月1日午後8時20分、矢頭智剛撮影

 ◇「軍隊」へ変容、始まる−−社会部編集委員・滝野隆浩

 7月1日。自衛隊という組織ができて60年。「還暦」を迎えるその日に、集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。記者会見に臨んだ安倍晋三首相の声は、いささか緊張気味に聞こえた。

 1950年に起きた朝鮮戦争に占領軍の米軍が投入された「空白」を埋めるために、警察予備隊ができた。 そして54年、陸海空合わせて創設されたのが自衛隊である。憲法9条が禁じた「軍隊」ではないのか−−。自衛隊は当初、厳しい批判にさらされた。隊員たち は、国民に受け入れられようと必死だった。駐屯地の周囲の農作業に精を出し、地元の祭りを支援し、災害派遣には全力を尽くした。70年代まで「愛される自 衛隊」が標語だった。

 連載「出動せず」の取材で会った陸自将官の言葉が忘れられない。「我々は(国民意識の)逆風によって鍛 えられたのだ」。絶えず国民の目を意識し、謙虚さを積み重ねた結果が、「自衛隊に良い印象=91・7%」(内閣府2012年発表)だろう。「軍隊らしくな さ」が国民の支持の源泉だといっていい。冷戦が終わり、90年代になって海外派遣が始まる。「戦時」「戦地」への派遣も行われた。それでもなお、自衛隊の 活動は憲法9条によって抑制的だった。

 そして、この日の閣議決定である。自衛隊は変わるのか。防衛大学校を卒業した私は多くの現職、OBたちと会った。彼らの本音を知りたかった。彼らは「国民の支持が欲しい」と口をそろえる。世論が割れた中での任務が苦しいのだ。こそこそと訓練するのが情けないのだ。

 なぜ、首相は憲法解釈の変更という抜け道を使ったのか。堂々と丁寧に、国民に訴え、合意を目指すべきだった。それが政治ではないのか。それが最高指揮官である首相の最低限の責務ではないのか。

 「殺され方だよなあ……」。親しい幹部がふと漏らした言葉に、胸をつかれた。国会で<血を流す覚悟>と いう言葉が出た感想を聞いてみたときだった。固唾(かたず)をのんで与党の議論を見守っていた彼らは、自分や部下の戦死を具体的に想定し始めていた。世論 が割れているから、戦死は政治問題化する。だから「命懸けの現場」に備え、より殺傷力を磨く訓練を始める。部下を殺させないために。「愛される自衛隊」を 目指した、あの生真面目さで。

 <戦争ができる国になる>などという批判の言葉は使いたくない。賛否双方が「平和のために」という議論 は、そこで止まってしまう。自衛隊はこれから間違いなく変質していくと感じる。「軍隊らしく」なる。それは社会の価値観に変容をもたらすだろう。議論をこ こでやめたくない。平和の本当の意味と方法論を、政治任せではなく自分たちで考え続けたい。

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 ◇7・1ドキュメント

 政府は1日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。戦後日本の安全保障政策が大転換した一日を追った。(国外の動きは日本時間)

 7時30分 自民、公明両党の「安全保障法制の整備に関する与党協議会」が始まる。自民党の中谷元・元防衛庁長官が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定案について両党合意を確認。座長の高村正彦・自民党副総裁が「縛りをかけることに(公明党副代表の)北側(一雄)座長代理の貢献が極めて大きかった」、北側氏は「無礼なことを言ったかもしれないが、ご容赦ください」。

 8時00分 海上自衛隊舞鶴基地(京都府舞鶴市)で、戦車など約40両を輸送艦に搭載する訓練開始。陸自第10師団は「例年通りの演習」と説明。

 9時47分 安倍晋三首相が官邸入り。記者団からの「集団的自衛権に国民の理解は得られているか」との問いに、右手を上げて「はい、おはよう」。

 10時55分 小野寺五典防衛相は閣議後記者会見で「自衛隊に付与されることになる新しい任務に備えた装備、訓練とその充実がまず前提」と淡々と語る。

 11時00分 市民団体「戦争への道を許さない!ながさき1001人委員会」が長崎市役所で記者会見。「被爆地ナガサキから憤りをもって抗議する」

 11時5分 下村博文文部科学相が閣議後会見で、一内閣で決定することの是非を聞かれ「5内閣とか3内閣でやればいいのかという論理ではない」。

 11時20分 公明党の太田昭宏国土交通相は閣議後会見で「平和の党、という看板は守られたのか」との質問に、硬い表情で「山口(那津男)代表が全て終わった後に話されると思う」。

 11時29分 中国国営新華社通信(英語版)が「安倍首相は国内世論に耳を傾けず、平和憲法を裏切った。日本を危険な道に導き、地域の安全保障を後退させた」と報じる。

 12時35分 自民党総務会で村上誠一郎・元行政改革担当相が「憲法改正が筋で解釈変更は認められない」と閣議決定反対を表明。

 13時29分 公明党の山口代表が党本部の中央幹事会であいさつ。さばさばとした表情で「公明党が国民の懸念を受けて歯止めをかけ、安全保障の環境に対応する現実的な策を取る結論になった」。

 14時00分 参院議員会館で開かれた「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」で、社民党の福島瑞穂・前党首が「違憲のことを閣議決定するのは憲法上、無効だ」と主張。

 16時5分 中国外務省の定例会見で洪磊(こう・らい)副報道局長が「戦後堅持してきた平和発展の道を変えるのかと疑わざるを得ない」と批判。

 16時12分 首相官邸で「安全保障法制整備に関する与党協議についての報告会」。安倍首相は終了時、 公明党の山口代表らに深く礼をして「真摯(しんし)な議論をいただき、心から感謝申し上げたい」。山口氏は冒頭、首相をじっと見つめ、「自公協議の結果、 我々が重視してきたこれまでの政府の憲法解釈を踏まえ、国民を守るための自衛の措置とはっきりした」。

 16時57分 首相官邸で臨時閣議始まる。閣議前の写真撮影では全員、終始無言。

 17時00分 民主、維新など野党5党が東京・有楽町で拙速な閣議決定に反対する合同街頭演説会を開催。

 17時00分 閣議開始の連絡が入り、首相官邸前の歩道上を埋めたデモ隊が「閣議決定反対」の叫びを強める。

 17時20分 臨時閣議で憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認すると決定。

 18時00分 安倍首相が首相官邸で記者会見。「平和国家としての在り方は決して変わらない。その歩みを力強いものにする決断こそが今日の閣議決定」

 18時00分 日本弁護士連合会の村越進会長が「閣議決定は立憲主義と恒久平和主義に反し違憲。強く抗議し、撤回を求める」とする声明を発表。



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