2022年11月のオーストラリア
9日目。アデレードも4日目に
移住博物館は初めて訪れた20
18年に、アボリジナル画家ク
ニ・ジューン・アン・マキナ
ニーの特別展を開催していて
史実の衝撃に心が震え、足が
釘付けになった場所でした。
今回は「アフガン女性に贈る
モザイク展」を開催中です。
「糸に吊るされてーアフガン女
性に贈るモザイク」(Hanging
by a Thread-Mosaic for Af-
ghan Women)とは世界的な
プロジェクトで、タリバン政
権樹立以降のアフガニスタン
の女性や少女が置かれている
過酷な社会的、経済的な状況
に目を向けようという動き。
オーストラリアの100人以上
のプロアマのモザイクアーテ
ィストがアフガンの伝統的な
色使いや文様を活かして制作
した、モザイクのスカーフ。
その趣旨といい、モザイクは
人生で諦めたこのとの1つ(笑)
(※最終的にアクセサリー作り
を選択)といい見入りました。
単純な構図の配色の妙。1粒1
粒で埋めていく事に力を感じ
見飽きることがありません。
1作1作写真を撮りたいぐらい
アボリジナル・アーティスト
ダリル・フィッツナー・ミリ
カ氏の作品群。「植民地化以
降アボリジナルたちにもたら
された痛み、嘆き、喪失を単
純な構図の中に込めたもの」
だそうで、単純ゆえに正直で
喜びも哀しみもすべて直截的
豊かな水が示す雄大な自然
豊穣で平和な地に生きる民
「畏敬の念」と題された作品
小さな月が頼りなげに見える
ほどどっしり揺るぎない大地
ある日、高波を乗り越えて帆
船がやって来て暮らしが一変
「ホワイトアウト」という作品
副題は「漂白され消されていく」
棲み処を奪われ
農地は生き物の棲み処も奪い
大河が蛇行する雄大な地を遠
く離れ、建物の中イギリスら
しい白黒の市松模様のタイル
の床を磨かされ、黒板には存
在を抹消してくような分数と
絶滅したタスマニアタイガー
水平線や地平線以外の直線が
いかに人工的で自然とかけ離
れたものかに気づかされ、小
さな絵が無限の奥行を持つ。
移住博物館旅は移民と先住民
の双方に焦点を当て、そのバ
ランス感覚が素晴らしいと
移民の1人として思います。
次も定点観測的に向かった、
南オーストラリア州立美術館
『オルセー美術館の印象派展』
が見られた思い出深い美術館
今回は中が真っ赤っかクラ
シカルな建物と前衛のせめぎ
合い無数の赤い紐が毛細血
管にしか見えないと思ってい
たら、あろうことか足元には
マネキンの脚や腕がばらまか
れていて、直視できない空間
日本人名の女性アーティスト
の作品でしたが、記憶なし
その奥では草間彌生展。これ
も私は苦手な、隙間のない極
彩色の息がつけない空間で、
芸術は良し悪しではなく、好
き好きというフランス人の教
えを改めて思い出しました。
次は南オーストラリア博物館
ここも見応えがある博物館
しかし、向かったのはカフェ
館内にあるので営業時間が他
の店より長くて助かります
オマケでティラミスまで(笑)
良く歩いた旅の終わりの1日