三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

ぼくは落ち着きがない <長嶋 有>

2012-03-18 12:16:05 | 

 なんか長嶋さんぽくなかった。

 いや、特に何も起こらないのは長嶋さんぽいのかな。

 そしてなんか文体に中々馴染めなかったのは、熱があったからかしらん。

 

 マイナーな図書部、部室は図書室の一角にべニアで仕切られただけの空間。

 でもコンロあり、マイコップで飲食可。

 うわ~~~イイなぁ~、という感じであります。

 そこに住みたいよ(笑)

 

 ストーリーはまぁ図書部員のあれやこれやで、ホントに何気ない彼らの日常なので、もぅココで書いても仕方ないんでアレですけど。

 なんというか、微笑ましい。

 と思うのは、オトナになってしまったからなんでしょうか。

 部員同士のいざこざ、文化祭、似たような別の部とのいがみ合い(でも楽しそう)、友達の突然の引きこもり、足りないコトバ。

 どれもがキラキラしているではありませんか。

 

 多分この空気を味わいたくて、また読んでしまいそうな物語でした。

 

 ところで金子センセの書いた 『僕は落ち着きがない』 を、読みたいっす。

 あと写写丸って?(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼくは落ち着きがない (光文社文庫)
長嶋 有

光文社


逃げろ <高村 透>

2012-03-18 11:25:14 | 

 さすがアスキーメディアワークス、読みやすかった。

 

 地球に巨大隕石が落ちてくる。

 テレビでは 『逃げてください』 と呼びかけられている。

 けど主人公はとりあえず出勤してみる。

 こういうとこ、日本人ぽいな(笑)

 

 巨大隕石が落ちてくるなら、どこに逃げたも無駄だと思うんだけど。

 どこに逃げようっていうのか、逃げてどうなるのか。

 

 物語は 『逃げてください』 って呼びかけられてから隕石がまだ落ちてこない間の物語なので、上の疑問は解決されないんですがね。

 だからって 『なーんだ』 って感じじゃなかったっす。

 

 

 個人的には、各キャラクターの語り口調が好きでした。

 少女のぶっきらぼうさとか、老人の 「~ですな」 とか。

 

 

 以下、ネタバレあり!!!

 

 

 

 

 

 

 結局あれなんだね、主人公が逃げてたのは隕石からじゃなくて、色んな現実から逃げてたって事なんだね。 

 血の繋がってない妹との恋心とか、その自殺とか。

 

 しかし入谷率いる 『人間』 軍団はすごかったな。

 真の人間性への回帰が暴力的で本能的なものへって、それは人間性じゃなくて獣性だろ。

 この前読んだ 『RANK』 といい、終末にはヒトはそっちへ向かうのか。

 ま、そうじゃないとエンタメになりにくいもんね。

 

 そんな中、サクラとの交流は良かったですな。

 つかのまの平和でしたな。

 主人公のトラウマも昇華されたみたいだし(笑)

 

 ラストが主人公が 『隕石から逃げよう』 ってトコで終わるって、あんな局面でも主人公は希望を取り戻したぞって感じで、イイんではないでしょうか。

 

 

 

逃げろ。 (メディアワークス文庫)
高村 透
アスキーメディアワークス