さすがアスキーメディアワークス、読みやすかった。
地球に巨大隕石が落ちてくる。
テレビでは 『逃げてください』 と呼びかけられている。
けど主人公はとりあえず出勤してみる。
こういうとこ、日本人ぽいな(笑)
巨大隕石が落ちてくるなら、どこに逃げたも無駄だと思うんだけど。
どこに逃げようっていうのか、逃げてどうなるのか。
物語は 『逃げてください』 って呼びかけられてから隕石がまだ落ちてこない間の物語なので、上の疑問は解決されないんですがね。
だからって 『なーんだ』 って感じじゃなかったっす。
個人的には、各キャラクターの語り口調が好きでした。
少女のぶっきらぼうさとか、老人の 「~ですな」 とか。
以下、ネタバレあり!!!
結局あれなんだね、主人公が逃げてたのは隕石からじゃなくて、色んな現実から逃げてたって事なんだね。
血の繋がってない妹との恋心とか、その自殺とか。
しかし入谷率いる 『人間』 軍団はすごかったな。
真の人間性への回帰が暴力的で本能的なものへって、それは人間性じゃなくて獣性だろ。
この前読んだ 『RANK』 といい、終末にはヒトはそっちへ向かうのか。
ま、そうじゃないとエンタメになりにくいもんね。
そんな中、サクラとの交流は良かったですな。
つかのまの平和でしたな。
主人公のトラウマも昇華されたみたいだし(笑)
ラストが主人公が 『隕石から逃げよう』 ってトコで終わるって、あんな局面でも主人公は希望を取り戻したぞって感じで、イイんではないでしょうか。
逃げろ。 (メディアワークス文庫) | |
高村 透 | |
アスキーメディアワークス |