なんだか不思議な話だったです。
主人公の田中律っちゃんは大人しくて真面目だそうですが、名前が…(笑)
律っちゃんつったら、元気印でしょー、みたいな。
それはさて置き。
こっちの律っちゃんは、大人しいというか臆病で真面目な、マウスな女の子なのです。
しかしまぁ、オンナってのは小学校5年生でももう立派にオンナなんですな。
既に階級があり、好意や悪意の使い方があざとい。
人からどう見られるか、自分をどう見せるか、それによってどんなポジションに収まるか。
そんな事に、とても敏感。
そういう女子達の中で異質なのが、塚本瀬里奈。
誰にどう見られるかを気にしてない、のではなくて、外の世界が怖すぎて、内の世界に閉じこもっている女の子。
だから言動は、周りには理解されない。
突然泣き出すし、突然いなくなるし。
これって自閉のコなんじゃないのかな。。。。微妙過ぎて、断言できないけど。
で、その瀬里奈は 『くるみ割り人形』 の物語と出会い、その中に入り込み、マリー(くるみ割りの主人公)になりきる事で、普通に(というか普通以上のステータスで)生活していける、と。
……こうやって書いてみると、これって結構、物議を醸しそうな物語だったのね。
色々デリケートな問題を、大胆に扱っているような。。。デリケートすぎて、書けないけど。
瀬里奈みたいなコが、ああいう方法で生きていけるのか分からないし、それが世間的にどうなのかとかもわからない。
けど。
物語として、私はイヤな感じは受けなかったんだよねぇ。
瀬里奈も律っちゃんも内に向かってるし、暗くて粘っこい感触を受けてもイイのに。
私には二人とも、キュートな女の子に思えましたよ。
マウス (講談社文庫) | |
村田 沙耶香 | |
講談社 |