「冬でも男性のニオイ気になる」女性は85%
寒い季節も臭くなる男のリアルな実態
ダイヤモンド・オンライン 2014年10月20日 男のスメルマネジメント【第10回】
あっという間に夏が過ぎ、上着一枚羽織っても夜は涼しく感じる季節がやってきた。今頃、暑さに伴う汗、そしてニオイから解放されて、ほっとしている男性も少なくないはずだ。しかし、もしも秋・冬も実は夏同様にニオイを放っていて、しかも周囲はそれに敏感になっている……と知ったら、どうだろうか。
男性化粧品メーカーのマンダムが昨年12月に25~49歳の女性534名を対象に行った調査によると、「冬でも30~40代男性のニオイが気になる」と答えた人はなんと85.8%。彼女たちは物言わぬ被害者であって、ニオイのハラスメント「スメハラ」を夏のみならず、実は秋・冬も受けていたようだ。
とはいえ、ニオイというのは指摘する側も指摘される側も、心に痛みを伴うテーマだ。だからこそ、自分のニオイに悩む人は身近な人に相談しづらく、相手のニオイに嫌悪感を持つ人も決して本人に伝えられない。では、そんな両者は具体的にどのような本音を抱えているのだろうか。匿名性だからこそ本音で相談しやすい、Q&Aサイトに寄せられたニオイにまつわる男女の悩みを紹介しながら、秋・冬に必要なニオイ対策を考えてみたい。
■秋冬もニオイの悩みは減らない
涼しい季節は「口臭」「車のニオイ」が気になる?
OKWave総合研究所が「質問・疑問 に答えるQ&AサイトOKWave」上で30~60代男性の投稿者を対象に、「臭」というキーワードにまつわる質問をされたデータを抽出。それによって得られた4358件の質問データについて分析を行った(データ抽出期間:2000年1月1日~2014年8月4日)。
まず見ていただきたいのが、「臭」についての質問数の季節変動だ。2013年までのデータから質問データの月別累計数を見ると、やはり徐々に暑くなる5月から質問数は上昇。9月にはピークの1ヵ月で411件となっている。では涼しくなる9月からは激減するのかというと、実はそうではない。なんと10月は324件になるものの、11月は増えて346件、12月は336件とピークの9月と比べても15%~20%ほどの差しかなかったのだ。
「ニオイ」に関する質問数の月別推移
ただ、暑い時期と涼しい時期では、「臭」に関する悩みの中身はどうやら若干異なっている。「臭」と一緒に使われる質問の頻出ワードを暑い季節(6~9月)と涼しい季節(10~1月)に分けて分析したところ、ともに1位は「車」、2位は「部屋」だったものの、暑い季節に3位だった「汗」が涼しい季節には14位にダウン。一方、暑い季節には6位の「車」が涼しい季節には3位へ。同じく9位だった「口臭」も6位にアップしている。
■「私が話すと相手が1メートル引きます」
口臭、体臭、足のニオイに悩む男たち
では、秋・冬に寄せられているニオイの悩みとは、具体的にどんなものなのだろうか。30代以上の男性の悩みを、ニオイの種類別(発する場所別)に紹介していきたい。
・口 臭
「最近自分の口臭がとても気になります。付き合ってる彼女に言われました。自分では気づかなかったんですが……」
「秘書的な部下の女の子も優秀な子がつけられ、意気込んでいたのですが、どうも私に近寄りがたい感じが伺えます。私が話しかけると口に手を添え、挙句の果てにマスクをするようになってきてやっと自分が臭いってことに気づいたとこです」
「夕方になると口臭がします。酒の臭いにそっくりの口臭です。そのため、夕方に車で出かけると『酒を飲んできた?』と言われます」
「仕事の打ち合わせなどの時、私が話すと相手が50センチから1メートルくらい引くのがわかります」
・体 臭
「最近、自分の車に乗るときによく思う!臭い!おっさん!くっさー(自分で思う)。まー俺しか乗れへんから自分の臭いなのだろうと思うのだが、会社の連中は、気を使ってか?『おっさん、くっさいで』って言わない」
「自分の部屋やふとんがにおいます。これはストレスのためでしょうか?年齢のためでしょうか?」
「ここ数年体臭が気になります。夏はもちろん汗をかくのでかなり臭いますが、あまり汗をかかない時期でも臭います。サイトで肝臓の悪い人は体臭がひどいと知り、2年程ウコンや肝臓に良い食品を食べてますが効果無しです」
・ 足
「最近、足の臭いに困ってます。(中略)消臭剤も効力が無いくらいの臭いに悩まされてます。靴のせい?とか思って、新しいものに買い替えたり、風呂で足を洗う時もかなり丁寧に洗ってますが、何とも効果が出ません」
「ここ1年で急激に臭くなり、靴を脱いで歩いただけで魚の腐ったような臭いが立ち込めます」
「30歳を越えた頃から足のニオイがきつくなりました。(中略)履物を脱いだだけで隣で作業している同僚が『靴、脱いだだろ』と言うくらいにニオイが漂ってしまいます」
これらを見ていくとわかるように、年齢とともに気になり始めたニオイへの悩みが多く寄せられていることがわかる。体臭で、「汗をかかない季節でも気になる」という人がいたように、冬でもやはり体臭は侮れないようだ。
足に関しては、冬になると靴下が分厚くなることで通気性も悪くなり、ニオイが立ち込めやすくなるので、こうした悩みが生まれるのは仕方ないのかもしれない。口臭については、夏でも問題があったはずだが、おそらく汗のニオイに気を取られてそれほど気にしなかった部分が、秋・冬になって特に気に留められているのではないだろうか。車内でニオイが気になるようになるのは、冬は社内で暖房をかけ、換気をする機会がなくなることも影響しているように推測される。
■男女でニオイの感じ方は違う!?
「体が発するニオイ」に疎い男性たち
また興味深いのは、男女別にニオイに関する質問内容を比較したとき、その種類が大きく異なることだ。ニオイを「周辺環境によるもの」と「体が発するもの」に大別した場合、女性は「周辺環境のニオイ」が65%、「体が発するニオイ」が35%だったのに対し、男性では「体が発するニオイ」28%と女性を7ポイントも下回っていた。
男女で異なる「臭」と一緒に質問で使われているワード。女性の方が男性より体が発するニオイに敏感
「ジアセチル」という原因物質を含む“ミドル脂臭”と呼ばれる30~40代男性に独特のニオイは、男性は自覚しにくく、女性の方が強く認識しやすいと言われている。まさにこれらは、男性が自分の体のニオイには無頓着なのに対し、周囲のニオイだけは気になって不満を持つ理由の1つと言っていいように思われる。
夏は老いも若きも、男性も女性もニオイケアを特にする季節だが、それが終わったからと油断は禁物。秋冬にこそ、汗に惑わされない、本当のニオイケアを行うようにしたいものだ。
(ダイヤモンド・オンライン 林恭子)
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