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医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

100歳以上20年で10倍…51年前153人

2014-09-15 11:13:41 | 政治・社会・経済問題
読売新聞 2014年9月12日(金) 配信
 「敬老の日」を前に、厚生労働省は12日、100歳以上の高齢者は5万8820人(15日時点)で、前年同期に比べて4423人増え、44年連続で過去最多を更新すると発表した。
 このうち女性は5万1234人で、初めて5万人を超えた。
 同省によると、100歳以上の人数は20年前に比べて10・5倍に増加。統計を取り始めた1963年には全国で153人だけだったが、81年に1000人、98年に1万人をそれぞれ突破するなど、急速に高齢化が進んでいる。
 人口10万人に占める100歳以上の人数は、全国平均で46・21人。都道府県別では、島根県が90・17人と2年連続で最も多かった。逆に最も少なかったのは埼玉県の26・88人。東京は37・80人で40位、大阪は34・90人で43位だった。

天下一品の日本酒 世界に

2014-09-15 09:23:31 | 政治・社会・経済問題
吉久保酒造(茨城県水戸市)
http://www.ippin.co.jp/

天下一品の日本酒 世界に
世界で日本酒の最大ライバルは白ワイン。
日本酒部門で入賞しても意味がない。
ワイン部門に出品し、ワインに負けない日本酒をPRしたかった。
吉久保博之社長
「サンフランシスコ国際ワイン・コンペティション」に出品し、ダブルゴールドメダルを獲得。2014.07.03  「2014 サンフランシスコ国際ワインコンペティション」 ダブルゴールド、銀賞受賞!

アメリカで最も重要な国際ワインイベントの一つとされる、サンフランシスコ国際ワインコンペティション。毎年4000を超える出展があります。
今年2014年は、4570のワイン及び日本酒の出展が26州と31カ国からありました。
審査は6月20~22日に、サンフランシスコのホテルニッコーにて行われました。
おかげさまで、一品 純米大吟醸がダブルゴールド(該当カテゴリーの審査員全員が金と評価する)を、純米酒が銀賞を獲得することが出来ました。


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2014.7.02 「一品 相撲錦絵 東、西セット 発売開始」

江戸時代中期から後期にかけて出版された相撲錦絵を、ラベルに用いた辛口のお酒です。
相撲錦絵は日本相撲協会より、ご提供頂きました。
ラベルは全10種類、それらを5本ずつ、東、西、2つのセットに分けています。
180mlの5本セットで、2,727円(税抜)です。

東京旅行ガイド「タイムアウト東京」ブログで紹介されました。


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2014.06.04 「平成26年 全国新酒鑑評会」 金賞受賞!

おかげさまで、平成26年 全国新酒鑑評会において、吉久保酒造は、金賞を受賞しました。

高収入住民が「独立」 米、消える地域の一体性

2014-09-13 06:03:52 | 政治・社会・経済問題
「戦後70年」の世界 格差の衝撃
共同通信社 2014年9月11日(木) 配信

 米国で収入が高く白人の多い地域の「独立」が広がっている。コカ・コーラやCNNテレビが本社を置く南部ジョージア州フルトン郡もその一つだ。自らの税金が所得の低い黒人地域に回っているとの不満が背景にある。郡の一体性は消え、豊かな地域と貧しい地域に分断された。
 州と郡の中心アトランタから北へ車で30分。広い芝生に真っ白な住宅が点在するサンディスプリングスは米国の豊かさを感じさせる街だ。一角にあるオリバー・ポーター氏の自宅を訪ねた。
 「税金に見合うサービスを受けていないと思ってきた」。黒人の発言権が強いフルトン郡から新たな市として独立する運動の先頭に立ってきた。
 圧倒的賛成を集めた住民投票で2005年に市制化が決まると、行政サービスの徹底的な民間委託を奨励した。警察と消防以外はほぼ全て民間会社が請け負い、裁判官は随時時給100ドル(約1万円)で頼む。市役所も簡素な平屋。効率化の一点を突き進む。
 南北に細長い郡の人口は約100万人で、中央部のアトランタから南部に黒人が多く、北部は白人が多い。米国勢調査局によると郡の世帯平均年収は5万7600ドル(約580万円)だが、サンディスプリングスは6万5千ドルを超える。
 サンディスプリングスを追うように06年以降、3地区が市制化した。いずれも白人が多い。
 アトランタの南にある南フルトン地区は住民10万人のうち黒人が90%以上。郡理事の一人として南フルトンを代表するウィリアム・エドワーズ氏は「根底に人種差別がある」と言い切った。
 「独立」した側は人種差別を全面否定する。ポーター氏も「住民の30%が白人以外。貧困層も排除していない」と強調する。だが今年1月時点で、市制化した4市の市長と議員計27人のうち白人が26人を占めた。
 フルトン郡で市制化していないのは今や南フルトンだけになった。豊かな地域の「独立」で郡予算は減少し行政サービスは低下。地域の分断を懸念して市制化に反対してきたエドワーズ氏も流れに抗しきれず、市制化の検討を始めた。
 しかし思いは複雑だ。市になっても地域の貧しさは変わらない。アトランタは公民権運動を率い、人種の融合を訴えた黒人指導者キング牧師の出身地でもある。「行政の効率化もいいが、『一つのフルトン』が持っていた多様性はどうなるのか」と問い掛けた。(アトランタ共同=堀越豊裕)
   ×   ×
 持てる者と貧しい者とを隔てる溝が各国で広がっている。格差が地域や国の在り方まで変えようとしている現状を見た。
 ※行政の効率化
 地方自治体の財政悪化を背景に、主に自治体が担ってきた公共サービスを民間委託することで財政負担を小さくしようとする試み。パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP、公民連携)とも呼ばれる。サンディスプリングス市の例はPPPの成功例として注目を集め、米国内外から多くの視察団が訪れている。

イスラム国が新たな脅威になる

2014-09-12 05:58:10 | 政治・社会・経済問題

★「過激派を殺害しても、その地に統治や正義、経済発展を根付かせなければ結局は混乱で終わってしまう」米ジョンズ・ホプキンス大
高等國際問題研究所・ダニエル・サーワー教授
★「アル・カーイダは資金源を寄付に頼ってきた。
イスラム国はシリアやイラクの油田から原油を密輸し、年間5億~8億㌦の収益を上げている。
イスラム国に欧米の女性が流入し、民兵と結婚、子どもは10歳で民兵として養成するなど国家形成を進めている」フランスの民間警備コンサルタントのサミュセル・ローランさん
★欧州の若者閉塞感から過激派へ。
フランス人は約950人。
中学生の女の子ノラさんもシリア入り。
女性は10人くらいいる。
「殉教者になる」と渡航した英国の女子大学生(19)もいる。
イスラム国は18歳~25歳の独身女性による武装組織を結成。
ドイツ軍元兵士約20人もイスラム国に加わっている。

さらば、吉野家

2014-09-03 09:01:25 | 政治・社会・経済問題
ミスター牛丼、最後の独白

日本経済新聞2014年9月1日 7:00 電子版

 「ミスター牛丼」と呼ばれた吉野家の安部修仁がきのう、経営の第一線を退いた。店のアルバイトから社長に上りつめ、牛丼一筋の42年。経営危機からの再生と「牛丼御三家」の攻防、そして吉野家がない街でスタートさせた第2の人生……。最後の独白を聞く。


■「吉野家のない街」で
 JR東京駅にほど近く、日本を代表するビジネス街の大手町。安部は、その一角にそびえる高層オフィスビルの一室に事務所を置いた。最近まで通勤した吉野家の本社は埼玉県に近い東京都北区の赤羽。8月26日、入居して間もないオフィスに安部を訪ねた。
 「大手町のオフィスには、8月に引っ越してきました。毎日、午前中の2時間はここで過ごしています。午後はあちこちに行っていますよ」
 安部は牛丼事業会社の吉野家の社長を8月31日付で退任したが、持ち株会社の吉野家ホールディングスの会長職にはとどまっている。それなのに、なぜ、「吉野家の街」を出て行ったのか。カジュアルなライトブルーのジャケットを羽織った安部は、自分に言い聞かせるように語り出した。
 「同じビルで働いていると、習慣でコミュニケーションを取ってしまう。それは、あまりプラスにならないと思いました。吉野家はこれから新しい体制でやっていくのに、僕がいると邪魔しかねない。持ち株会社の会長と言っても、実は名前だけです。取締役は5月に外れています。会長という肩書は『経営に関与している』と社内外に誤解を与えかねないけど、経営にタッチする気なんて全くない。でなきゃ(本社から離れた)大手町に引っ越しませんよ」
 安部と吉野家の出合いは高度成長期の末期である1970年代のはじめだった。安部は高校卒業後に故郷の福岡県から上京したが、もともとはミュージシャン志望。たまたまバイト先に選んだのが、賄い付きの吉野家だった。
 「吉野家は(1980年に適用を申請した)会社更生法の下での再建など特異な歴史を持っています。いま、その過去を知らない社員が多くいる。そして、彼らは知りたがっている。なぜそうなったか、起こったことにどうアクションしたか、その結果どうなったか。僕は臨場感を持って語れるはずです。それを社員に伝えていきたい。『語り部』ですね」

■「競争相手は、まんまマネだから」
 退任後の仕事は、経営破綻の前後の社内外の動きをありのままに伝えることだという。この破綻こそ、「ミスター牛丼」と呼ばれる安部の原点だからだ。
 「最初から牛丼を商売にしたいというわけではなく、巡り合わせでオヤジ(吉野家の実質的な創業者である松田瑞穂)、そして吉野家の牛丼に出合いました。吉野家の牛丼はたぐいまれな発明品ですよ。ほかの牛丼屋さんは吉野家の牛丼から派生しているだけです。入社して牛丼に触れれば触れるほど、『これはとんでもないものだ』とつくづく思いました。ずっと携わることができたのは、この上ない幸せでした。単品でも成立するビジネスモデルが牛丼という商品の個性です。単品で1000店規模のチェーンが成り立つ。こんなビジネスは地球上にありません」
 吉野家が大切にしてきたはずの牛丼への強いこだわり。それが揺らいだことが、かつての倒産の一因だった。当時の吉野家は店舗拡大を急ぐあまり、乾燥肉を使い、粉末のタレに頼ったのだ。顧客にそっぽを向かれ、会社更生法の適用申請に追い込まれた。吉野家の経営が行き詰まると、「牛丼の時代」は終わったとも言われたが、安部らの働きによって品質を取り戻す。1987年、吉野家は更生計画を終えた。

(写真)吉野家は1980年、会社更生法適用を申請して経営再建に取り組んだ。保全管理人を務めた増岡章三弁護士と安部氏=中央後ろ
 「社内で『戦前』と言うと、『倒産前』、つまり会社更生法の適用を申請する前を指します。会社更生の期間中も、ためらわずに食材を売ってくれた取引先や支援スポンサー、保全管理人の弁護士の先生らに支えていただきました。もちろん、身内の社員たちにも、です。その後も逆境はたくさん味わいましたが、変わらないのは牛丼の持つ奥深さでした」
 「僕はアルバイトから始まり、入社して店長見習い、店長、『スーパーバイザー』と呼ばれる指導役、とステップを経るごとに、牛丼の奥深さが分かっていった。すごいものだとね。だから、コンペティター(競争相手)たちは吉野家を嫌いなくせに、マネをする。まんま、マネだから。そのぐらい優れたものなんです」

■「うまい・安い・早い」を変える
 安部は原点回帰で吉野家を再生させた。だが、社長として最後の仕事は、「吉野家にとっての大転換」だった。吉野家のキャッチフレーズである「うまい・安い・早い」のうち、「早い」の軌道修正だ。昨年12月、専用コンロに載せて提供する「牛すき鍋膳」を売り出した。
 「『早い』はなくなるわけでありません。クイック(早い)サービスは維持・継続するし、高めていきますよ。『うまい・安い・早い』は供給側の価値を表現しています。これとは別にお客様が『ごゆっくり』できる状況をつくろうとしているわけです。おいしくて、リーズナブルで安い商品をゆっくり食べるというお客様が吉野家に求める価値を、『うまい・安い・ごゆっくり』と表現しました。『うまい・安い・早い』の看板は決して下ろしませんが、お客様にごゆっくりしてもらうというのは吉野家にとって大転換でした。吉野家の常識からすると『ゲー』ってなものでしたよ」
 牛すき鍋膳は、女性やシニアにも支持されて大ヒット商品になった。吉野家は後発のゼンショーホールディングスの「すき家」に店舗数で抜かれていたが、吉野家を牛丼戦争で浮上させる原動力になった。そして、期せずして、ゼンショーを追い込んだ。ゼンショーは吉野家を追随したが、通常の牛丼より手間がかかるメニュー導入を急いだために現場が混乱。バイトが職場を離れて店舗の休業を余儀なくされる「鍋の乱」に発展した。
 「すき家に限らず、よその経営は分かりませんよ。他人の頭の中、心の中を開いて見られないんだから。僕はかみさんのことだってよく分かりません。それに他社を論評することはおかしいと思っています。ただし、最近の人手不足への対策に奇手はありません。当座できることはいっぱいありますよ。時給を上げるとか。でも、社員もパートもアルバイトも働くことに意義が感じられたり、企業風土に誇りが持てたりするということが大事ではないでしょうか」

■「吉呑み」は変革の象徴
 吉野家では、「人手不足で一時休業に追い込まれた」といったすき家のような事態は起きていない。安部が育てた吉野家の企業風土が強みになっているのだろうか。
 「これは一朝一夕にはできません。我慢してやり続けないといけない。そもそも吉野家に人手が十分にあったことはありませんし、ヒトとモノとカネが3拍子そろっているときなんてありませんよ。何かしら常に欠けている。ヒト不足のときはまだいいんです。外食全体としてはファミリーレストランを中心に売り上げが増えてきた。利益も増益のところが多いんじゃないのかな。そこで起きている人手不足だから、悩みとしてはむしろ楽なほうですよ」
 実は、吉野家は今夏から「缶ビールは1人に3本しか売らない」というルールをやめている。格安居酒屋として話題となった、ちょい飲みスペースの「吉呑み(よしのみ)」は都内などに6カ所あるが、2016年2月までに30カ所に増やす計画も温めている。牛丼を黙々とかき込み、食事を手早くすませる吉野家のイメージを変えつつある。
 「吉呑みを全店でできるかというと、(店舗の広さもあって)必ずしもそうではない。以前の吉野家は『一律に全店』というマスじゃないと取り組みませんでした。それ以外のものは課題にすら乗せませんでした。牛丼という商品の価値を高めるため、サービスならクイックに特化してきたのですが、そこへ食事(を楽しむ)価値もプラスしようと考え方を変えました。商品であれ、サービスであれ、立地や地域の特性に応じてやっていく。吉呑みは、その象徴です。夜にゆっくりアルコールを飲みながら食事を召し上がりたい方に利用してもらおうということです」

■「牛丼のない吉野家」からの教訓
 吉野家の代名詞になっていた「単品経営」を変えていく――。今の吉野家改革が一気に動き出したのは2004年、米国BSE(牛海綿状脳症)問題で米国産牛肉が使えなくなったことかもしれない。他チェーンが豪州産牛肉に調達を切り替えるなか、安部は「吉野家の味が再現できない」と言って牛丼をメニューからはずした。BSE問題発生以降、「牛丼のない吉野家」はおよそ2年半に及び、2年連続の最終赤字に沈んだ。

(写真)安部氏はBSE問題を受けて「牛丼」の販売中止という前代未聞の決断を下す。代わりに「豚丼」で乗り切ろうとした(2004年)
 「BSE問題が発生して、吉野家は『牛丼で一番』のポジションを手放すことになりました。今は、もう一度、ちゃんと吉野家の存在感をつくり直している最中です。一方、2007年につくった持ち株会社の吉野家ホールディングスには、讃岐うどんの『はなまる』、ステーキの『どん』、すしの『京樽』などがありますが、それぞれの分野でトップになってほしい。トップになるというのは価値や存在感でということです。規模で一番というわけではありません。お客様に『あそこが一番いい』、従業員に『同業他社よりはここが一番働きやすい』と思ってもらえるような、ステークホルダーそれぞれが一番に感じられるということです。まだ、どれ一つトップでありません」

■「やりたいことはまだたくさんあるけれど」
 インタビュー中、安部の表情は吉野家で現役バリバリだった頃より、どことなく穏やかに感じた。背負っていた重荷がはずれ、何かから解き放たれたかのように見えた。
 「(他社からの社外取締役の要請は)あるとかないとか言うと、『どこですか』と聞かれるので言いません。現職のうちは、代わる瞬間まで責任も立場もあります。次の人事を考えることはいいことじゃない。社長時代も部下にもそうしつけてきた。僕はね、『カッコマン』なんですよ。格好悪いことが嫌い。吉野家でやりたいことはまだたくさんあるけれど、人は年とともに衰えるものです。そうなってからは格好悪いでしょ。すべては9月から。おいおいやれることを考えるかもしれません」
 安部は、アルバイト出身という同じ境遇から出発した吉野家ホールディングス社長の河村泰貴に、吉野家社長の仕事も引き継いだ。しかし、まだ64歳。現役で働ける年齢だ。
 さらば、ミスター牛丼。彼に次が待っているのなら、どんなニックネームがつくのだろうか。 (黒井将人)
=敬称略






「自分に投資」、トップは旅行=月2万円超出費―住生調査

2014-09-02 07:24:07 | 政治・社会・経済問題
時事通信 2014/8/28 16:00

 住友生命保険は28日、「自分への投資」に関するアンケート調査の結果を発表した。「自分磨き」でお金を使った項目を複数回答で尋ねたところ、旅行と答えた割合が35.1%でトップ。2位は書籍購入(23.6%)、3位は映画・音楽鑑賞(22.3%)と、気分転換のための出費が上位を占めた。
 女性を中心に、6位ファッション(16.2%)、8位美容・エステ(11.9%)など「外見磨き」の回答も多かった。10位資格取得(7.3%)、13位外国語会話(2.9%)と、仕事に結び付く投資は下位にとどまった。自分磨きランキングを確認しますと下記の通りです。

1位 旅行

2位 書籍購入

3位 映画・音楽鑑賞

4位 交際費

5位 健康食品・サプリメント

6位 ファッション

7位 習い事

8位 美容・エステ

9位 スポーツクラブ

10位 資格取得

11位 セミナー参加

12位 健康器具

13位 外国語会話 (住友生命保険調べ)

 














アマゾン、出版社「格付け」 電子書籍、有利な契約優先

2014-08-29 12:58:18 | 政治・社会・経済問題

 「優位な立場利用」大手反発


朝日新聞 2014年8月28日05時00分

 ネット書店最大手のアマゾンが、電子書籍の販売条件で出版社を「格付け」し、アマゾンに有利な条件で契約した出版社の書籍を、読者に優先的に紹介する新たな仕組みを導入したことが分かった。出版社は「市場の支配力を背景とした脅しだ」などと反発。米国や欧州でも出版社や作家によるアマゾンへの抗議が広がっており、対立が浮き彫りとなっている。
 アマゾンが今春、出版各社に提示し、夏から順次始めている。出版社がアマゾンに支払う販売手数料の高さ、電子書籍の品ぞろえの充実度などに応じて出版社を4ランクに分け、ランク上位の社の電子書籍をホームページ上で目立たせたり、読者の購入履歴などに応じて「おすすめ」としてメールなどで紹介しやすくしたりする仕組み。
 紙の本でもアマゾンに有利な条件の出版社の本を優先的に読者に薦めているが、成長市場の電子書籍では紙よりも優先度に差をつけている。格付けが下の出版社の書籍は読者の目に触れにくくなり、出版社にとって死活問題だ。
 アマゾンは紙でも電子でも国内最大手の書店とみられ、本を売ってもらう出版社にとっては最大の取引先。一部の出版社は提案を受け入れたが、大手出版など多くの出版社は猛反発し、協議を続けている。文芸春秋は6月、「優越的地位の乱用などの疑義を招くのでは」などと抗議した。
 アマゾンはこれまでも、出版社に対し「スコアカード」という成績表を配り、アマゾンの要求にどれくらい応じたかを「偏差値」で示すなど、出版社への圧力を強めてきた。
 対立は世界で先鋭化している。米国では、電子書籍の値下げを求めるアマゾンが、要求に応じない一部の出版社の本の発送を遅らせるなど圧力をかけたとして、著名な作家900人が抗議した。フランスでは6月、ネット書店が値引きした書籍を無料配送することを禁じる「反アマゾン法」ともいわれる法律が可決。流通を握るアマゾンが自社に有利なルールを押しつけてくることへの反発や、町の書店が消えていくことへの危機感が背景にある。
 メディア研究者の大澤聡さんは、出版社がアマゾン対策に集中することにより「商品の質の低下が起きかねない」と指摘する。
 アマゾン広報部は「契約に関わることなのでコメントは難しい」としている。(守真弓)

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 2.

2014-08-29 12:55:44 | 政治・社会・経済問題

日本マグドナルドの栄光と挫折

日経新聞 2014年8月25日 7:00 電子版より

 創業者の藤田田は、「日本化」を徹底することで、米国の食文化を日本に浸透させ、外食業界の頂点にまで押し上げた。
だが、その強さが、次第に時代とのミスマッチを生み出すことになる。

■「デフレの勝ち組」の挫折
 藤田が東京・銀座の三越に1号店を出したのは1971年のこと。それまで海外の高級ブランド品を輸入販売する藤田商店を経営して成功を収めていた。その秘訣を藤田は「シュガーコーティング」と表現した。高級ブランド品でも、日本人好みに作りかえる(シュガーコート:砂糖でくるむ)ように、海外企業に指示を飛ばしていた。
 米マクドナルドの創業者、レイ・クロックとの交渉でも、「米国側のアドバイスは受けるが、注文は受けない」という条件をのませた。米本社が1号店の候補地を神奈川県の茅ケ崎と指定してきたが、「文化は銀座から日本中に広がる」と主張して譲らなかった。その読みは的中し、三越が予測した「日商15万円」をはるかにこえる「100万円」を達成、店舗網拡大の起爆剤となり、82年には小僧寿し本部を抜いて外食トップの座につく。95年にはハンバーガーを210円から130円に値下げしてヒットし、「デフレの勝ち組」とも称された。
 だが、世紀が変わる頃、経営の国際標準化と効率化が進む。そして、マクドナルドの日本的経営が問題を露呈することになる。
 一つは、店舗効率の低下がある。90年に776店だった店舗数を、10年間で5倍近い3598店に膨張させる。だが、専属の店長がいない「サテライト店舗」を大量出店し、商品構成が揃わず、ブランドの統一感が損なわれていった。商圏が重なるカニバリズム(自社競合)も起きた。2001年に念願の株式上場を果たすが、その審査で、マクドナルドから売上高の1%が藤田商店に「経営指導料」として流れていることが問題視された。
 上場後は業績が暗転、02、03年は2期連続の最終赤字に落ち込み、その混乱の中で藤田商店との契約が解除され、藤田は会社を去ることになる。
 そして、IT企業のアップルから原田を迎え入れ、「商い」から「合理的経営」へと大きく舵(かじ)を切る。
 原田が経営トップに就任した2004年以降、既存店売上高が急回復することになる。この復活劇は後に「原田マジック」と称されるが、彼はマクドナルドに2つの経営手法を持ち込んでいた。
 一つは「シーケンス(順番)戦略」というマーケティング手法だった。まず、荒れた店を立て直すため、QSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに専念させる。そして、客の評価が上がってきたところで、「100円バーガー」などの値引き戦略を繰り出して、客数を爆発的に伸ばす。その後、新商品や値上げによって、客単価を引き上げていく。
もう一つは、資産効率を上げる戦略だった。
 「原田さんの功績は、B/S(貸借対照表)の発想を持ち込んだこと。それまで、マックの社員はP/L(損益計算書)しか見ていなかった。B/Sはオーナー創業者である藤田さんが管理するから、考える必要がない」。マクドナルドの元幹部で、米マクドナルドのハンバーガー大学教員を務めた経歴を持つモスダイニング会長の友成勇樹は、そう原田を評する。
 原田がトップに就任した頃、直営店とフランチャイズ店(FC店)の比率は7:3だった。だが、米マクドナルドは、FC店が7割と逆の数字になっている。それは、ブランドと商品供給を管理することに重点を置き、リスクを極小化して確実に利益を上げることを意味した。店舗運営をFC店のオーナーに任せることで、資産がスリム化されて経営効率が上がる。人件費や労務管理の負担も大幅に軽減される。
■原田マジックの深層
 だが、FC店比率はすでに68%となり目標をほぼ達成している。そして、思わぬ副作用を生み出している。
 マクドナルドの売上高は、「直営店舗売上高」と「フランチャイズ収入」が合算されている。そのフランチャイズ収入に、店舗運営事業の売却益が計上されているため、営業利益をかさ上げする効果がある。多い年には年間43億円もの売却益が上がっていたため、原田の全盛期でも、市場関係者の間では「店舗売却がなければ減益ではないか」と囁(ささや)かれていた。
 こうしたFC化戦略の影響について、原田は8月23日、広報担当者を通じて「誤解のないようにお願いしたい」とコメントを寄せてきた。
 「FC店の1店舗当たりの売上高が1.8倍になっている。それに準じてキャッシュフローも潤沢になった」。そう成果を強調する。
 だが、「成功の代償」も大きい。店舗売却益という収益源が細っていくことは、今後の営業利益回復への道を困難なものにしている。
 もう一つの施策であるシーケンス戦略も、震災後、機能しなくなった。11年10月からビッグマックを200円にするなど次々と定番商品を値下げして話題を呼んだ。だが、値段を戻すと、プロモーション以前の売り上げに数字が戻らない。11年は売上高が減少に転じ、12年から減収減益に陥っている。13年の営業利益は、前年比53%減の115億円となった。
 これまでの(勝利の)方程式と違ってきた。原田はそう認めて、カナダ出身のサラ・カサノバにバトンを引き継いだ。カサノバは昨年8月に事業会社のトップに就くと、ファミリー層を中心とした店作りを掲げ、定番商品の価格を極端に上下動させない方針も打ち出している。
■スピード勝負の限界
 すでにデジタルプレイランドなど、子供向けの遊戯設備も開発した。だが、外食産業である以上、商品の価値と魅力を高めないと、本格的な業績回復には結びつかない。
 「マクドナルドの商品開発は極めて難しい状況にある」(外食関係者)。競合関係が複雑に入り組み、新たな定番商品を作る余地が狭まっている。「健康志向や高価格帯の定番商品を作ろうとしても、モスバーガーやフレッシュネスバーガー、サブウェイの牙城を崩すことは難しい」
 価格帯を上げにくい構造的な理由もある。マクドナルドの競争力の源泉は、スピード調理が可能な厨房システムにある。昨年1月、会計終了から1分以内に商品を提供できない場合、無料券を提供する「60秒サービス」を展開して話題を呼んだ。その背景には、多くの商品を35~50秒で作ることを目指してきた経験と実績がある。そのため、バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。
 だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。
 それだけに、チキンという主力商品を不振に陥れた期限切れ食肉事件は、大きな打撃となっている。決算の予想数字が出せない窮状は、販売現場が反転の糸口すらつかめていないことを意味する。そして、テコ入れを図ったキャンペーンが、直前まで価格決定で揺れて、挙げ句の果てに過剰請求を起こす…。
■組合の深謀遠慮
 売り上げの大幅減少によって、労働を「カット」される対象がさらに広まるという危機感が現場に広まっている。
 「退職勧奨の動きがある。それは何としても潰さなければならない」
 日本マクドナルドユニオン中央執行委員長の岡田篤の元には、社員からアルバイトまで、様々な職種から問い合わせが殺到している。「現場には雇用の不安が渦巻いている」。携帯電話やメール、SNSを駆使して、昼夜を問わず個別に相談に乗っている。
 組合はこの夏、連合傘下の金属機械業の産別組合、JAMに加盟することを決めた。「あえて中小零細の工場が集まる組合に入ったのは、マックの店と、規模や組織が似ているから。また、マクドナルドは経営陣と現場が離れすぎているから、組合だけでも、現場に近い存在でなければならない」
 その岡田は労使協力路線をうたっている。
 「中小の工場は、無理な要求をすると会社が倒れてしまう。だから、不要な資産の売却などを迫りながら、会社が傾かないように経営側と交渉していく。この手法が今のマクドナルドには必要だと思っている」
 現場で働く社員までもが、混迷の度を深める経営の行く末を憂慮している。果たして、マクドナルドは、外食王として君臨した時代の輝きを取り戻せるのか。これから繰り出す戦術で、もう失態は許されない。
敬称略 (編集委員 金田信一郎)

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 1.

2014-08-29 12:51:29 | 政治・社会・経済問題
日本をあまく見たマクドナルド


日経新聞 2014年8月25日 7:00 電子版より

 中国上海市の仕入れ先が使用期限切れの鶏肉を使用していた事件が起きて、日本マクドナルドホールディングスの店頭から顧客が目に見えて減っていった。既存店売上高は急落し、業績の予想すらできない窮状に陥っている。その客足が遠のいた店舗を歩くと、「迷走する経営」があぶり出されてくる。


■混乱のマック本社
 「30年以上、マクドナルドで働いているが、こんなにお粗末な失態は初めてだ」。京都府の店舗オーナーは呆れた口調で語った。
 8月20日、日本マクドナルドは、料金の過剰徴収を発表した。18日から「マックウィング」と「豆腐しんじょナゲット」を通常の半額程度の120円に値下げした。ところが、150円で販売する店が続出、全3135店の8割以上にあたる2583店で過剰請求が起きていた。
 背景にはマクドナルド本社の迷走がある。キャンペーン開始のわずか3日前に価格を150円から120円に変更する。だが、本社が一括管理しているレジの修正が間に合わず、120円と150円の2つのボタンが混在してしまった。しかも、190円のクーポン券がすでに配布されていた。
 「すべて120円で販売するように」という指示が全国の店舗に飛んだ。しかし、急な変更に16万人のクルー(店員)が対応できるはずがなく、批判の声が上がっている。
「ドライブスルーでは客にクーポン番号を読み上げてもらう。それをいちいち商品名と値段まで確認している余裕はない」「100人近いバイトを管理している。こんな複雑なことを全員に徹底できない」
7月下旬に、中国の加工メーカー「上海福喜食品」が期限切れの鶏肉を使用していた事件が発覚してから、1カ月しか経っていない。相次ぐ不祥事で、店舗には本社に対する不信感が渦巻いている。
 「そもそも、チキンとナゲットは客が敬遠している“NG商品”。在庫処分のつもりかもしれないが、それをキャンペーン商品にされて、店はたまったものじゃない」(兵庫県の店舗オーナー)
■「屋台の方が安全」
 外食産業の競争が激化する中、マクドナルドはヒット商品も不発で、今年2月から前年同月比の既存店売上高がマイナスで推移してきた。そこに、期限切れの鶏肉を使う映像が報じられ、7月の数字はさらに落下、17.4%減となった。
 事件が日本で大々的に報じられたのは、夏休みが始まったばかりの火曜日のことだった。週の平日は2割を超える減収となる店が続出。だが、影響の深さに店舗が震撼したのは週末のことだった。
 「休日は家族客が増えるはずなのに、ぴたっと子供連れが消えてしまった」(東京都のファーストアシスタントマネージャー)、「子供がチキンを頼もうとすると、親が慌てて制止する」(宮城県のセカンドアシスタントマネージャー)
 その週末、神奈川県の私鉄駅前にある店では、地元の祭りが開催されていた。だが、道はごった返しているが、店に人が入ってこない。売上高は、かつての4分の1程度に低迷し、平日の売上高すら下回った。「要するに、屋台の方が安全だと判断されてしまった」。そう言って、ベテランの店員は肩を落とす。
■赤字決算の危機
 販売急落は底を打ったのか。「少しずつ影響が減っている」。8月15日の取材で、日本マクドナルド上席執行役員の青木岳彦はそう語った。だが、その頃も、多くの店舗関係者が、休日には30%前後の落ち込みが続いていると証言している。
 「もし、売上高が3割の落ち込みになれば、赤字決算に陥る」。いちよし経済研究所主席研究員の鮫島誠一郎はそう予測する。
 野村証券エクイティ・リサーチ部エグゼクティブ・ディレクターの繁村京一郎は、今期の営業利益を91%減の10億円と見ていた。だが、その後に過剰徴収事件も起きている。「展開次第では、驚くべき決算になる」(繁村)
 客を呼び戻すシナリオが描けない。しびれを切らした店舗では、愚直な取り組みも始まった。
■カサノバ会見の影響
 「チキンを買ってくれたお客さんには、おじぎの角度を10度深くしろ」。神奈川県の店長は、そう指導している。背景には、社長兼最高経営責任者(CEO)のサラ・カサノバへの批判が込められていた。
 7月22日、中国の期限切れ食肉事件が日本でも大きく報じられると、翌日には供給を受けていたファミリーマートの社長が陳謝した。ところが、カサノバは会見を開かず、1週間後の中間決算発表の場で、冒頭に謝罪の言葉を読み上げた。しかも、事件に「憤りを感じる」と被害者としての発言を繰り返す。「この件は1つの地区の、1つの工場による数人の悪意を持った従業員による行動。他のサプライヤーには当てはまらない」。そう言って不快感を露わにした。
 「日本の消費者の気持ちをまったく考えていない。もし、店長が彼女のような態度をとったら、絶対にクレームがつく」(神奈川県の店長)
■「できるバイト」が消えていく
 そして、現場では負の連鎖が続いている。
 アルバイトやパートが「カット」と呼ばれる労働時間短縮を余儀なくされている。店舗では、30分ごとに販売の集計値が打ち出される。そこには、時間内の客数や売上高、サンドイッチ(ハンバーガー類)販売数、客単価などが記されている。そこに、販売状況に応じた必要な人数が明記されている。「プラス1」と書かれていれば、「売上高に対して店員が1人多い」という警告を意味する。
 「他のバイトと掛け持ちする『ダブルワーク』が横行している」(都内店舗のアシスタントマネージャー)。他の仕事が忙しくなり、去って行くクルーも少なくないという。
 マクドナルドでは、アルバイトやパートの店員も、研修を受けなければ店頭に立てない。その後も、一般のクルーに向けて「リーダー」「効率的なコミュニケーション」など10テーマの研修コースが用意されている。教材はすべて、米ハンバーガー大学の教授や専門家が作成し、毎年のように磨き上げている。「それを日本流に改良して、1つ上の階層の内容を盛り込んでいる。より高いマネジメントに移りたいという欲求が起きる」(人事本部ハンバーガー大学学長の中村浩)
 アルバイトにも、巨大な店舗を運営するマネジャーが存在する。それが、苦境で数字を積み上げる原動力となっていた。
 「かつて、売り上げが伸びない時は、(労働時間を)カットするのではなく、売り上げを作る方法を模索した」。関西の大型店舗でアシスタントマネージャーを務めたイーアンドシーエスサポート社長の掛川幸子は、そう述懐する。閑散時には割引券を配って客を呼び込み、試食サンプルを持って近隣のオフィスを回った。
 だが、今では「ブランドの統一感」が重視され、数値管理も厳格になっているため、店舗の裁量権は制限されてきている。それだけに、本社の失態が続く状況に、現場の不満が鬱積している。
 「現場を見ないで、本社が理屈だけで考える戦略が限界にきたのではないか」。かつて日本マクドナルドの代表取締役を務めた藤木努は、混乱の原因をそう分析している。
■「株価が半値になる」
 「ビジネスモデルが劣化し、客離れに歯止めがかかっていない」。そう指摘する野村証券の繁村は、8月8日に株価予想を下方修正、現在の2657円(8月22日終値)よりも47%低い水準となる1400円とした。鮫島も半年で1800円まで落ち込むと読む。そうなれば、2001年のJASDAQ上場時の4700円はおろか、業績が2期連続の赤字に陥って、アップルコンピュータ日本法人社長の原田泳幸を迎えた時の2380円をも下回る。8期連続で既存店売上高を伸ばした「原田マジック」の成果すら消え去ることになる。
 それは、米国生まれのハンバーガーチェーンを、独自の戦略で成長させた「“日本”マクドナルド」の終焉を意味する。産業界を代表する名経営者たちが率いた外食企業は、米国企業の一現地法人に戻ろうとしている。

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖 2.
 創業者の藤田田は、「日本化」を徹底することで、米国の食文化を日本に浸透させ、外食業界の頂点にまで押し上げた。だが、その強さが、次第に時代とのミスマッチを生み出すことになる。
■「デフレの勝ち組」の挫折
 藤田が東京・銀座の三越に1号店を出したのは1971年のこと。それまで海外の高級ブランド品を輸入販売する藤田商店を経営して成功を収めていた。その秘訣を藤田は「シュガーコーティング」と表現した。高級ブランド品でも、日本人好みに作りかえる(シュガーコート:砂糖でくるむ)ように、海外企業に指示を飛ばしていた。
 米マクドナルドの創業者、レイ・クロックとの交渉でも、「米国側のアドバイスは受けるが、注文は受けない」という条件をのませた。米本社が1号店の候補地を神奈川県の茅ケ崎と指定してきたが、「文化は銀座から日本中に広がる」と主張して譲らなかった。その読みは的中し、三越が予測した「日商15万円」をはるかにこえる「100万円」を達成、店舗網拡大の起爆剤となり、82年には小僧寿し本部を抜いて外食トップの座につく。95年にはハンバーガーを210円から130円に値下げしてヒットし、「デフレの勝ち組」とも称された。
 だが、世紀が変わる頃、経営の国際標準化と効率化が進む。そして、マクドナルドの日本的経営が問題を露呈することになる。
 一つは、店舗効率の低下がある。90年に776店だった店舗数を、10年間で5倍近い3598店に膨張させる。だが、専属の店長がいない「サテライト店舗」を大量出店し、商品構成が揃わず、ブランドの統一感が損なわれていった。商圏が重なるカニバリズム(自社競合)も起きた。2001年に念願の株式上場を果たすが、その審査で、マクドナルドから売上高の1%が藤田商店に「経営指導料」として流れていることが問題視された。
 上場後は業績が暗転、02、03年は2期連続の最終赤字に落ち込み、その混乱の中で藤田商店との契約が解除され、藤田は会社を去ることになる。
 そして、IT企業のアップルから原田を迎え入れ、「商い」から「合理的経営」へと大きく舵(かじ)を切る。
 原田が経営トップに就任した2004年以降、既存店売上高が急回復することになる。この復活劇は後に「原田マジック」と称されるが、彼はマクドナルドに2つの経営手法を持ち込んでいた。
 一つは「シーケンス(順番)戦略」というマーケティング手法だった。まず、荒れた店を立て直すため、QSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに専念させる。そして、客の評価が上がってきたところで、「100円バーガー」などの値引き戦略を繰り出して、客数を爆発的に伸ばす。その後、新商品や値上げによって、客単価を引き上げていく。
もう一つは、資産効率を上げる戦略だった。
 「原田さんの功績は、B/S(貸借対照表)の発想を持ち込んだこと。それまで、マックの社員はP/L(損益計算書)しか見ていなかった。B/Sはオーナー創業者である藤田さんが管理するから、考える必要がない」。マクドナルドの元幹部で、米マクドナルドのハンバーガー大学教員を務めた経歴を持つモスダイニング会長の友成勇樹は、そう原田を評する。
 原田がトップに就任した頃、直営店とフランチャイズ店(FC店)の比率は7:3だった。だが、米マクドナルドは、FC店が7割と逆の数字になっている。それは、ブランドと商品供給を管理することに重点を置き、リスクを極小化して確実に利益を上げることを意味した。店舗運営をFC店のオーナーに任せることで、資産がスリム化されて経営効率が上がる。人件費や労務管理の負担も大幅に軽減される。
■原田マジックの深層
 だが、FC店比率はすでに68%となり目標をほぼ達成している。そして、思わぬ副作用を生み出している。
 マクドナルドの売上高は、「直営店舗売上高」と「フランチャイズ収入」が合算されている。そのフランチャイズ収入に、店舗運営事業の売却益が計上されているため、営業利益をかさ上げする効果がある。多い年には年間43億円もの売却益が上がっていたため、原田の全盛期でも、市場関係者の間では「店舗売却がなければ減益ではないか」と囁(ささや)かれていた。
 こうしたFC化戦略の影響について、原田は8月23日、広報担当者を通じて「誤解のないようにお願いしたい」とコメントを寄せてきた。
 「FC店の1店舗当たりの売上高が1.8倍になっている。それに準じてキャッシュフローも潤沢になった」。そう成果を強調する。
 だが、「成功の代償」も大きい。店舗売却益という収益源が細っていくことは、今後の営業利益回復への道を困難なものにしている。
 もう一つの施策であるシーケンス戦略も、震災後、機能しなくなった。11年10月からビッグマックを200円にするなど次々と定番商品を値下げして話題を呼んだ。だが、値段を戻すと、プロモーション以前の売り上げに数字が戻らない。11年は売上高が減少に転じ、12年から減収減益に陥っている。13年の営業利益は、前年比53%減の115億円となった。
 これまでの(勝利の)方程式と違ってきた。原田はそう認めて、カナダ出身のサラ・カサノバにバトンを引き継いだ。カサノバは昨年8月に事業会社のトップに就くと、ファミリー層を中心とした店作りを掲げ、定番商品の価格を極端に上下動させない方針も打ち出している。
■スピード勝負の限界
 すでにデジタルプレイランドなど、子供向けの遊戯設備も開発した。だが、外食産業である以上、商品の価値と魅力を高めないと、本格的な業績回復には結びつかない。
 「マクドナルドの商品開発は極めて難しい状況にある」(外食関係者)。競合関係が複雑に入り組み、新たな定番商品を作る余地が狭まっている。「健康志向や高価格帯の定番商品を作ろうとしても、モスバーガーやフレッシュネスバーガー、サブウェイの牙城を崩すことは難しい」
 価格帯を上げにくい構造的な理由もある。マクドナルドの競争力の源泉は、スピード調理が可能な厨房システムにある。昨年1月、会計終了から1分以内に商品を提供できない場合、無料券を提供する「60秒サービス」を展開して話題を呼んだ。その背景には、多くの商品を35~50秒で作ることを目指してきた経験と実績がある。そのため、バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。
 だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。
 それだけに、チキンという主力商品を不振に陥れた期限切れ食肉事件は、大きな打撃となっている。決算の予想数字が出せない窮状は、販売現場が反転の糸口すらつかめていないことを意味する。そして、テコ入れを図ったキャンペーンが、直前まで価格決定で揺れて、挙げ句の果てに過剰請求を起こす…。
■組合の深謀遠慮
 売り上げの大幅減少によって、労働を「カット」される対象がさらに広まるという危機感が現場に広まっている。
 「退職勧奨の動きがある。それは何としても潰さなければならない」
 日本マクドナルドユニオン中央執行委員長の岡田篤の元には、社員からアルバイトまで、様々な職種から問い合わせが殺到している。「現場には雇用の不安が渦巻いている」。携帯電話やメール、SNSを駆使して、昼夜を問わず個別に相談に乗っている。
 組合はこの夏、連合傘下の金属機械業の産別組合、JAMに加盟することを決めた。「あえて中小零細の工場が集まる組合に入ったのは、マックの店と、規模や組織が似ているから。また、マクドナルドは経営陣と現場が離れすぎているから、組合だけでも、現場に近い存在でなければならない」
 その岡田は労使協力路線をうたっている。
 「中小の工場は、無理な要求をすると会社が倒れてしまう。だから、不要な資産の売却などを迫りながら、会社が傾かないように経営側と交渉していく。この手法が今のマクドナルドには必要だと思っている」
 現場で働く社員までもが、混迷の度を深める経営の行く末を憂慮している。果たして、マクドナルドは、外食王として君臨した時代の輝きを取り戻せるのか。これから繰り出す戦術で、もう失態は許されない。
敬称略 (編集委員 金田信一郎)

文化としての女性像

2014-07-28 12:59:48 | 政治・社会・経済問題

――意識の底にあり、分からないでいる男女差別

日経 編集部から

 都議会での女性議員へのやじ問題で、ずっとひっかかっていることがありました。
やじられた直後に女性議員が浮かべた小さな笑みについてです。「苦笑いを浮かべた」
と報じたメディアもあります。ひと言で表現すればそうなのでしょうが、内心に強い
怒りを感じているにもかかわらず、その場は笑わざるを得なかった心境を思うと、も
う少し複雑な反応だったのではないかという気がしていました。

 彼女はなぜその場で笑わざるを得なかったのか、笑顔の裏で何を思っていたのか、
同じ境遇に置かれれば誰でも彼女のように反応するのか。そんな疑問に答え、なんと
なく感じていたことを明確な言葉にしてくれたのが、長野美穂さんの「都議会やじ差
別発言、アメリカだったら…」です。女性であり、異文化体験の豊富な長野さんだか
らこその分析を読んで、日本の男社会で育った自分の理解が至らないわけもよくわか
りました。
(日経 電子報道部長 小森敬介)

都議会やじ差別発言、アメリカだったら…
米国在住ジャーナリスト 長野美穂


 「都議会での例の問題発言について、アメリカではどう受け止められているか、長野さん、コメントしてくれませんか? 今なら明日の朝刊に間に合いますんで!」。
 LA時間の深夜、日本の某新聞社の記者さんから電話がかかってきた。
 今では日本国内外であまりにも有名になった都議会の例のシーン。最初にそれをCNNの報道で見た時、一番印象に残ったのは、塩村議員のとっさの反応と、それを受けての周囲の議員たちの反応だった。
 驚いてはっと顔を上げ、発言者の方向を見た彼女は、とっさに言葉に詰まった。そして、次の瞬間には表情がぎこちないほほ笑みに変わった。首を傾けながら「ふーっ」と息を吐き出し、ほほ笑みとも困惑とも取れる表情を浮かべてスピーチを続けようとする彼女。そして彼女を取りまいたのは周囲からの笑い声だった。
 見た瞬間、いやーな感じがわき上がってきた。昔、自分がセーラー服を着た中学生だった頃、身動き取れないほど混んだ朝の電車の中で、痴漢に遭って「やめてください」と小さく声を上げても、周囲の大人の男性たちが誰ひとりとして助けてくれなかった時の「あの感覚」が蘇ってきた。
 「キャリー」というホラー映画で、主人公のキャリーが天井から降ってきた豚の血を浴びせられるいじめ場面があるが、まるでそのシーンを見せられているような気もした。
 投げつけられた差別発言のひどさは当然ながら、侮辱を受けた女性議員が、我慢して無理にほほ笑んで「自衛」するしかなかったその場の空気。そこに日本社会の闇の深さが見えて、切なくて、胸が痛んだ。
 議長が差別発言にストップをかけるでもなく、彼女を擁護して「やめろよ」と立ち上がる男性議員がひとりもいない環境で、女性議員がサバイバルするために瞬間的に身につけるしかなかったあの「微笑」なのだと思うと何とも悔しくて切ない。
 小さい頃から常に気配りや女子力を要求され、嫌がらせは上手にやり過ごせ、と社会から刷り込まれて育った日本女性が、公の場で、腹の底からの本気の怒りを表現することをずっと許されないできた社会の無言の圧力。
 そして、その根の深い閉塞感。
 これは日本で生まれ育った女性なら、肌でいやっていうほどわかるから、よけいに、はらわたが煮えくりかえるわけだ。
■差別を受ける側が安心して怒れない理由
 「アメリカやイギリスの女性なら、あの場面で黙って我慢しない。激怒して当然だし、そうしてるはずだ。日本女性ももっと強くなって男勝りになって欲しい」という趣旨のコラムをネット上で読んだが、筆者の男性は、なぜ塩村議員があの場でとっさにほほ笑んで「自衛」するしか手がなかったのか、その理由がわかっていないのか? と歯がゆく思う。
 アメリカ人女性なら、恐らくあの場でスピーチを中断し、発言が飛んできた方向に向かって「今の発言は誰ですか? どういうつもりですか?」と追及するだろう。でも、それは、アメリカ人女性の個人個人が勇気があって強いからではない。
 アメリカ社会、特に議会などという公人ばかりが集まる場面では「差別発言はそれだけでアウト」という「建前」が徹底しているからだ。
 米国でも国政に携わる連邦議会の議員が連邦議会内で発言をする場合、その発言を理由に訴訟を起こされることはないという「議員特権」が与えられている。
 だから例え連邦議会内で連邦議員が鈴木議員と同じ発言をしたとしてもその議員が訴えられることはない。
 だが、セクハラ発言や差別発言は、言った瞬間に自らの政治生命をその場で終了させる自殺行為だということは、住民から票を入れてもらって現在の職につけた人間なら、当然知っているのが当たり前だ。
■男女平等の「建前」が公の場で徹底しているということの意味
 公の場では「男女平等」の「建前」が徹底しているアメリカ社会では、女性が侮辱されて本気で怒っていい時に、女性が「女子力」という名の「手加減」や「ほほ笑み」を周囲から要求される社会ではない。
 そういう社会で赤ちゃんの時から育ってきたアメリカ女性たちが、「結婚したらいいんじゃないか」というスカッド・ミサイルを撃ち込まれたら、その場で瞬間的に厳しく抗議できるのは、当たり前のことなのだ。
 女性が腹の底から本気の怒りを顔いっぱいに100%自由に表して理不尽な扱いに怒ることが「レディらしくない」と批判されることがなく、当然「正しいこと」と完全に容認されている社会だからこそ、アメリカ人女性は安心して怒ることができるのだ。
 アメリカでも昔、南部の黒人奴隷には白人の主人に怒る権利などなかった。理不尽な差別に怒りを表現したら、必ず仕返しされるか、下手したら半殺しにされるとわかっているから怒りを抑圧するしかなかった。
 つまり、自分の人権が完全に保証されている場だと肌で感じられなければ、人は安心して怒りを自由に表現することなどできないのだ。

■男性ボスから言われた言葉「一歩下がって歩かないで!」
 実際には男女差別が存在するアメリカ社会で、この「建前」である男女平等がどのぐらい「公」で徹底しているかを実感したことがある。
 日本から北ミシガンの人口6000人の小さな街に移り住み、その街の新聞社で記者として働きはじめた第一日目、エディターのボスのケンから「ミホ、一緒にランチに行こう」と誘われた。
 レストランまで歩く道のりで、ケンは私にこう言った。
 「ミホ、私の一歩後ろを歩くのはやめてくれないかな。これじゃ、私がとんでもない男女差別主義者に見えちゃうよ。頼むから私の横に並んで歩くか、むしろ、私の半歩先を歩いてよ。お願いだから」。
 そう言われるまで気づかなかったが、無意識のうちに、自分より年上で、目上であるボスのケンよりも半歩から一歩後ろを歩いていた。
 その違和感を瞬時のうちに察知し、即座に私に指摘したケン。
 ああ、これがアメリカ人の男性ボスと一緒に、米国のアメリカ企業で働くということなんだな、と私が最初に実感した瞬間だった。
 小さな田舎街の唯一の新聞社のエディターとなれば、多くの人から「識者」として扱われ、街は知人だらけというのがケンの立場だ。議員ではないが、ほぼ公人と同じだ。白人だらけの街で、アジア人の女性を後ろに従えるようにして歩いている自分が周囲からどう見られるか、彼は一瞬で判断し、自分に被害が及ぶ前に危機管理をしたのだった。
■職場で誕生日を祝っても決して年齢は聞かない
 そしてその同じ年の私の誕生日には、マネジング・エディターが「みなさん、今日はミホの誕生日です!」と言って、ニューズルームでケーキをサプライズで用意してくれていた。
 「ハッピーバースデー!」と何十人もの社員から次々お祝いの言葉を受ける中で、ただの一度も「で、いくつになったの?」と私に聞く男女はいなかった。年齢を聞くこと、特に女性の年齢を聞くことは、アメリカ企業では絶対にタブーだからだ。
 アメリカ企業に入社する場合、「年齢、性別、人種差別などを我が社は許さないが、これに同意するか」という契約書にサインするのが普通だけに、年齢を聞くことは下手したら年齢差別になってしまうという共通認識なのだ。
 その後、大都会であるロサンゼルスの米新聞社に入社しても、年齢や結婚しているかどうか、子供がいるかどうかを同僚や上司から直接聞かれたことはない。
 隣に座って何年も一緒に仕事をしている男性の年齢や年収を私は知らないし、向こうも私に絶対に聞かない。年齢に関しては、男性からだけではなく、女性のボスや女性記者から聞かれたことも一度もない。
 例外はたった一度だけ、別部署の同僚の中国系のアメリカ人女性と一緒にテニスコートでテニスをしている時に「ねえ、同じアジア人の女性同士だから聞いちゃうけど、ミホはいくつなの?」と尋ねられた時だ。彼女は中国で育ち、アメリカに両親と一緒に移民してきた人だった。
 それが十数年間の私のアメリカ生活で、アメリカ人からたった一度だけ年齢を聞かれた体験だった。
■無菌室に菌が侵入したらレッドフラッグが上がる
 新聞記者やエディターというのは、言葉でご飯を食べている人間たちだ。そのせいか、私は議論の下手なアメリカ人記者や、自己主張をしないエディターをまず見たことがない。相手を瞬時に刺すような鋭い毒舌や、時にはFワードが機関銃のように飛び交うのがニューズルームだ。
 そんな中でも、サッカーで相手の身体を掴んだりするのがルール違反なように、年齢はいくつか、結婚歴や離婚歴があるか、または太っているやせているなどの身体的特徴などに関して、同じ職場で働く者同士、コメントしたり、質問したりしないのが最低限のお約束なのだ。
 職場では個人のプライバシーに関することは、相手が開示しない限り、完全にオフリミットなのだ、とみんな無言のうちに見事に「建前」を共有している。
 それは個人が内心どんな偏見を持っていようと、公の場ではそれを口にしないことを意味する。差別発言を口にした瞬間、職を失う危険がある。終身雇用制が存在しないというのは、そういうことなのだ。
 だから、どの米国企業や議会の内部でも、日頃「結婚しないのか」や「産んだらどうか」などの発言がない場所で、アメリカ人女性は生活しているわけだ。
 少なくとも建前上はそうだ。
 そんな中で差別発言を投げつけられたら、無菌室の中に菌が入り込んできたようなものだ。発言を聞いたとたんに誰の脳のセンサーでもその菌の存在が即座に認識でき、レッドフラッグが上がる。
 そんな場合、米国議会なら周囲から「異議あり!」と差別発言に対して声が上がるはずだ。これも、米議員の正義感が、日本人議員より強いからではない。
 「差別発言を聞いて反論せずに沈黙していること」イコール「差別発言に賛成している」と判断される徹底したスピーチ文化の米社会だから、自分の政治生命を何としても守るために「私はこんな差別発言には反対だ」と有権者らに公に示し、議事録に記録してもらう必要があるのだ。

■人種差別だらけの土地で、Fワードを暗記した日々
 女性差別も人種差別もそれだけで「公」ではアウトな行為だが、アメリカの土を踏んだとたん、私は自分の肌の色を理由に、差別発言を投げつけられるという経験を数限りなく味わってきた。ミシガンの田舎町で、すれ違いざまに集団で歩いている白人少年や白人男性たちから「チャイニーズ・ゴーホーム!」と叫ばれたことは何度もある。白人の友人と一緒にいる時は決して言われないが、ひとりだとこういう差別攻撃に遭った。それが現実だ。
 そんな時、どう対応するか。
 まず、初めて人種差別発言を投げつけられた時は、ショックで頭が真っ白になった。ものすごくひどいことを言われたことはわかる。すれ違いざまに予告なく爆弾を落とされた感じだ。でも、そのショックをすぐに「怒り」として表現できないのだ。発言者が笑いながら通り過ぎ、彼らが見えなくなった時、心の底から怒りがわき上がってくる。
 「あ、私、これ、怒っていいんだ」と遅まきながら脳が認識できるのもその時だ。
 時間差があるのだ。
 そうなると悔しくて眠れない。
 道で差別発言を何度か叫ばれるうちに、瞬時にしてやり返すにはどうしたらいいかを本気で考えた。
 同僚男性記者たちに相談すると「これを言え」と「相手を瞬殺できる破壊力満載のFワード」をいつくか教えてくれた。単なる「ファ××・ユー」では破壊力が足りないと、同僚たちはもっと長い複雑なフレーズ、特にデトロイトのゲットー出身の英語ネイティブが使うようなFワードのフレーズを教えてくれた。
 そう、ミシガン州はあのラッパーのエミネムを生んだ土地である。Fワードにも多彩な種類があり、エミネムの歌詞のように高度に韻を踏んだFワードは、こちらをガイジンだとバカにしている英語ネイティブの相手に、最大限の不意打ちとダメージを与えることができる。
 それを全てポストイットの紙に書き、車のダッシュボードに貼り、運転している間に何度も練習した。
 差別用語のミサイルが撃ち込まれたら、瞬時に考えずに口から出るように、異なる差別用語ごとに別のFワードをアレンジし、この言葉を言われたらコレ、あの言葉ならこっち、とパブロフの犬のように言えるように、脳神経に叩き込んだ。発音が悪くて相手に通じなかったら意味がない。徹底的に発音にも注意を払い、大きく口を開けて練習した。
 そんなある日、信号待ちで、Fワードを練習していたら、隣の車の運転席にいた知り合いの近所のお兄ちゃんが心底びっくりした顔をした。
 その瞬間、何やってるんだろう、私、と我に返った。自分がやっていることは「目には目を」のハムラビ法典手法で、自分の中に憎悪しか生まないことに気づき、一気に空しくなったのだ。
 
■白人のみの論説委員室で、人種差別発言が出る現実
 そんな中、アメリカ社会では、男女差別発言は決してしない人でも、人種差別発言と取れる言葉をふとした瞬間に発してしまう人も結構いることに、気づいた。
 特に同じ人種しかいない内輪空間ではその可能性が高まる。
 「うちの論説委員たちのエディトリアル・ミーティング、あれ、ひどいよ。もし黒人かアジア人がいたら、むっとするようなジョーク発言が出てくるんだもん。白人オンリーの場って本当にそうなんだよな」と社内デザイナーのSが飲み会の席でぼそっと言ったことがある。
 彼は編集部のエディトリアル・ミーティングのメンバーで、論説委員たちやトップ・エディターらが同席するその会のことを言っているのだ。
 このSも白人だ。だが、妻がタイ人なので、彼は白人以外の人種の人権には人一倍センシティブなのだ。
 その日の新聞の社説に何を載せるかを決めるのが、エディトリアル・ミーティングなのだが、密室の会議室の中での会話には、この場には白人しかいないからという安心感からか、普通だったらNGな人種ジョークが飛び交うこともあるとSは言う。
 ある程度規模の大きな新聞社の論説委員と言えば、アメリカ言論界のインテリたちだ。差別発言を自らの新聞に印刷して訴訟になるようなことはしないぐらいの頭脳センサーは備わっている。そんな集団でも、白人同士という仲間意識からの気の緩みか、差別発言と取られかねない発言が出てしまうという現状。
 つまり、どんな場でも差別発言が生まれる土壌はあり、偏見はどこにでもある、ということだ。密室での差別発言はなくならないだろう。
 問題は、そんな差別や偏見を公の場で口にした段階で、どれだけ重い社会的な罰がその発言者に自動的に下されるかにかかってくるし、そんな公の場が社会の中でどれだけ多くあるか、だ。
■「やられたのがコンディだったらブッシュも黙ってないだろ」
 ブッシュ政権時代に米国務長官だったコンドリーザ・ライス。
 シェリル・サンドバーグ的に言えば、アメリカで最も「リーン・イン」道を貫き、とことん出世し、高官の地位をゲットした女性のひとりだ。しかも白人ではなく黒人というマイノリティのハンディを背負って、出世しまくった女性だ。
 彼女のファンだという30代前半の記者のマイケルはこう言った。
 「ああ、あんなカミソリのように頭脳明晰な女性が次の大統領だったらかっこいいのにな。でもさ、コンディーは独身で子どもがいないから、大統領は無理かもしれないよね、実際。この国って何だかんだ言って、結婚して子供を持つ母であることが、女性リーダーに求められてるし。ハッピーなファミリー・イメージを演出しないと人格的に劣ってるみたいな。その点で保守的な国だよな。ま、次はヒラリーあたりで決まるんだろうけど。トンデモ発言が多い共和党のサラ・ペイリンがあれだけ男たちから支持を得たのも、結婚していて母だというカードを使えたからってのもあるし。独身ってだけで、下に見られて差別されかねないよな、女性は」。
 今回のやじを飛ばした鈴木議員が51歳。彼と同じ年代の50代のアメリカ人男性記者はこう言った。
 「もしも、コンドリーザ・ライスがあの都議会での発言を投げつけられていたら、もしかしたら、相手をパンチしてるかもね。それに彼女がそんなこと言われたら彼女のボスのブッシュが黙っていたと思う?」。
 確かに。特に、当時副大統領だったディック・チェイニーは、2006年にテキサスの荒野でハンティング中に、誤って他のハンターを撃ってしまったという経歴があるだけに、自分のスタッフの女性に差別発言をするような男性議員は、森の中で猟銃用ライフルで「うっかり誤射」してしまっていた可能性もあるかもしれない。
 
■彼がどんな父親に育てられたかそこが知りたいよ
 日本で働いた経験もあるこのアメリカ人男性記者はこうも言った。
 「私は53歳でこの鈴木議員とほぼ同じ年齢だけど、彼がどんな父親に育てられたのか知りたいよ。女性蔑視な発言や、母親を軽く見る発言を家庭の中で繰り返していた父親に育てられていたら、何の疑問もなく、父親をコピーするように、女性差別発言を口にするような男性に育つ可能性は高いと思うからね」。
 あなたにとって、日本女性とはどんなイメージですか?
 そんな質問を何人かのアメリカ人にしてみると、よく返ってくるのが「subservient」という言葉だ。「従順な」とか「受け身的で、相手に従う」という意味だ。
 女性の自立と友情と恋愛を『Sex and the City』でコミカルに描いた作家のキャンディス・ブシュネルさんに10年ほど前にインタビューしたとき、彼女に日本人女性のイメージを尋ねると、こう言った。
 「ぱっと思いつくのはふたつね。NYの五番街のブランド店でブランド物を買う消費者。そして、男性にsubservientというイメージ。正直、このふたつ以外の日本女性のイメージは私の中にないわね」。
 今回の都議会の事件に関して、私が話したアメリカ人男性たちは開口一番、「またか」と言った。
 「また日本人の男性政治家が女性蔑視発言で自爆か。言った本人は何が悪いのか全くわかってないのでは」。「コスモポリタン都市のはずの東京は、実のところは女性を二流市民として扱うような場所なんじゃないの?」という声も出た。
 ただ、今回の件が新しいのは、日本女性が「subservient」な存在だという海外での認識は、ひょっとしたら過去のものになるかもしれない、という希望だ。
 日本人女性だけでなく、多くの日本人男性もこの件に怒って「ノー」と声を上げているという報道が海外でもなされた。
 人々の「声」が政治のガソリンである「票」を実際に動かす民主主義の原則が機能するのかどうか。トウキョウは世界から見られている。
 東京の海外特派員協会で会見した塩村議員に対し「日本の恥を海外にさらす必要があるのか」と批判する意見もナンセンスだ。
 自国の庭でオリンピックという名の国際運動会を開くと宣言した瞬間から、世界に「開国する」と宣言し、黒船を東京湾に「どーぞ、ウチに来て下さい」と自ら招待したのと同じなのだ。
 オリンピックの開催都市で、公人が公人を公の場で差別する光景が世界に報道されなかったら、それは北朝鮮でオリンピックをするのとあまり変わりないってことだ。
 東京で何が起こっているか、世界で逐一報道されることは「恥」ではなく、むしろめちゃくちゃ健全なことなのだ。
長野美穂
 東京の出版社で雑誌編集記者として約9年間働いた後、渡米。ミシガン州の地元新聞社でインターン記者として働き、中絶問題の記事でミシガン・プレス・アソシエーションのフィーチャー記事賞を受賞。その後独立し、ネイティブ・アメリカンの取材などに没頭。ボストン大学を経て、イリノイ州のノースウェスタン大大学院でジャーナリズムを専攻。ミシガンでカヤック、キャンプ、クロスカントリー・スキー三昧するのが一番の楽しみ。現在は、カリフォルニア州ロサンゼルスの新聞社で記者を経て、フリーランスジャーナリストとして活動中。
[nikkei WOMAN Online2014年7月4日付記事を基に再構成]

事実を認めず、誤魔化してきた日本

2014-07-27 15:03:14 | 政治・社会・経済問題
★本質、実態を誤魔化す。
現実を曖昧にし、事実を覆い隠す。
原発事故以来、こんな事象が起こっていると東京電力は弁明するが・・・
事象=事故のことなのだ。
★事故が起きた場合、その国に破滅的な打撃を与える危険があることを福島原発事故は明らかにした。
★過酷事故がどれだけ脅威であるかを、チェルノブイリの原発事故は、世界に認識させた。
★放射線物質の大量放出は、周辺地域に耐えがたい被害を与え、回復不可能な痕跡を残した。
★1954年(昭和29年)、原子力予算の成立を契機に、政治家や専門家は核エネルギーのもパワーのとりこになり、その開発こそが先進国の仲間入りであり、戦後日本の復興には不可欠であると考えるようになった。
★商業用原発の導入、拡大が進められた1960年代、70年代は、原発の新設それ自体が目的となる。
★さらに原子炉の建造をめぐって電力会社、企業グループ、マスコミまでの利権構造が確立し、1990年代半ば過ぎまで、原発の増設はまさに直線的に伸びてきた。
(昨日、テレビでアメリカ側から日本人の本質を検証した番組を見た。
日本人は、日露戦争以来、少しも戦術が変わっていなかった。
日本語に精通し、日本人を分析した。
太平洋戦争では、日本人が遺した日記や捕虜から、情報を得たアメリカ。
武器より精神を重んじた日本軍は時代遅れで無知であったのだ。
そして事実を認めず、誤魔化してきた。
★全滅=玉砕
★撤退=転戦
厳密には黒船の脅威にさらされた江戸幕府に似た日本軍部であったのだ。

諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低い

2014-07-25 03:18:18 | 政治・社会・経済問題
特集 今を生きる若者の意識
~国際比較からみえてくるもの~
はじめに
○日本の将来を担う子どもたちは,我が国の一番の宝である。子どもたちの命と未来を守り,無限の
可能性に満ちたチャレンジ精神にあふれる若者が活躍する活力にみちた社会を創り上げていかなけ
ればならない。
○かけがえのない「今」を生きている子ども・若者が,自分や家族,社会に対してどのような思いを
抱いているのかを的確に把握することが重要。
○日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査(我が国と諸外国の若者の意識に
関する調査(平成25年度))の結果からみえる,日本の若者の意識の特徴を,自己認識,家庭,学
校,友人関係,職場,結婚・育児の6つの項目から分析し,子ども・若者育成支援施策に対する示
唆を考察。
1.自己認識
⑴ 自己肯定感
○諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低い。


 http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/pdf/tokushu_01.pdf

核兵器は絶対悪 核戦争発生で瞬時に7100万人死亡

2014-07-25 02:59:02 | 政治・社会・経済問題

核戦争、瞬時に7100万人死亡=冷戦期の被害想定―米公文書- 時事通信(2014年7月23日16時03分)
 【ワシントン時事】米ジョージ・ワシントン大学の国家安全保障公文書館は22日、冷戦中の1957~63年の間に国家安全保障会議(NSC)の小委員会が作成した核戦争の想定被害に関する年次機密報告書の要旨を公開した。米国民7100万人が瞬時に死亡するとの試算などを盛り込み、米政府が核戦力の優位を失ったと判断するに至った経緯を浮き彫りにしている。

 公開された文書のうち、ケネディ大統領が61年に就任後初めて受け取った報告書は、ソ連の先制攻撃を受け米国で直ちに4800万~7100万人が、米側の報復によりソ連で6700万人、中国で7600万人がそれぞれ死亡すると予想。他の著作で紹介されてきた「それでもわれわれは自らを人類と呼ぶのだろう」との大統領の嘆きは、報告直後に発せられたとみられるという。 

[時事通信社]

規制改革実施計画 閣議決定

2014-07-23 13:12:47 | 政治・社会・経済問題

 内閣府 6月24日 

規制改革は、我が国の経済を再生するに当たっての阻害要因を除去し、民需主導の経済成長を実現していくために不可欠の取組であり、内閣の最重要課題の一つである。
この課題に強力かつ着実に取り組むべく、規制改革を総合的に調査審議するため、内閣総理大臣の諮問機関として「規制改革会議」を平成25年1月に設置した。
規制改革会議においては、昨年6月に「規制改革に関する答申」を行ったが、その後引き続き成長戦略及び国民の選択肢拡大につながる規制改革を中心に検討が行われ、平成26年6月13日に「規制改革に関する第2次答申」が内閣総理大臣に提出された。
当該答申を踏まえ、対象となった規制や制度、その運用等については、直ちに改革に着手し、期限を定めて着実に実現を図っていくため、下記のとおり規制改革実施計画を定める。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/140624/item1-1.pdf


舞鶴殺害 無罪が確定

2014-07-17 23:52:58 | 政治・社会・経済問題


「被告の供述は当初は曖昧だったが、多数回にわたる長時間の取り調べの過程で、次第に具体的な供述に変わった」
今回の最高裁の決定は京都府警の取り調べについて、そう指摘した。
最高裁が、捜査の問題点をここまで書き込むのは異例だ。


舞鶴高1殺害事件、無罪が確定 遺族「真犯人を捜して」
朝日新聞 泉田洋平
2014年7月12日05時49分

 京都府舞鶴市で2008年5月に高校1年小杉美穂さん(当時15)が殺害された事件で、小杉さんの母親(44)が11日、殺人罪などに問われた男性被告(65)の無罪が確定する見通しになったことに対し、コメントを発表した。母親は「犯人が被告ではないのなら真犯人を捜してほしい。真相が明らかになるまで捜査機関は責任をもって対応してほしい」としている。

 遺族代理人の細川治弁護士(43)が記者会見で明らかにした。母親は小杉さんの携帯電話を解約せずに持っているといい、細川弁護士は「思いを口にすることはないが、察するにあまりある」と語った。そのうえで「捜査の問題点を検証してもらわないと、遺族は気持ちにどう整理をつけたらいいのかわからない」と述べた。(泉田洋平)

舞鶴高1殺害、被告の無罪確定へ 最高裁が上告棄却(7/10)

「目撃証言は捜査の過程で変容しやすく、世界的に見ても誤判の原因に最もなりやすい。目撃者の供述も可視化して記録しておく必要がある」
小坂井久弁護士