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40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

習主席「南京で30万人殺害」…国家哀悼日行事

2014-12-13 16:31:45 | 政治・社会・経済問題
読売新聞 12月13日(土)13時14分配信


 【南京=鈴木隆弘、北京=五十嵐文】中国の習近平(シージンピン)政権は、旧日本軍による「南京事件」(1937年)が起きた12月13日を「国家哀悼日」に制定してから初めてとなる記念行事を、13日午前、中国江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で行った。

 習国家主席は演説し、「南京事件」で「30万人の同胞が殺害された」と主張した。さらに「侵略の歴史を顧みない態度や、美化する言論に強く警戒し、断固反対しなければならない」とも述べた。

 11月に約3年ぶりに日中首脳会談が実現し、経済交流や対話などが動き出したが、来年の「抗日戦争勝利70年」に向け、習政権が歴史問題を巡って対日圧力を維持する姿勢を示した形だ。

 その一方で、習氏は「中日の両国民は代々にわたり友好を続けなければならない」「少数の軍国主義者が起こした侵略戦争によって、その民族(全体)を敵視すべきでない」とも語り、日中関係を重視する方針も強調した。

最終更新:12月13日(土)13時14分













夜8時、開票0%で「当確」の不思議

2014-12-13 12:33:36 | 政治・社会・経済問題

“選挙だ、急げ!”(9)最終回


日経新聞 電子版2014年12月12日

 10日、都内のテレビ局本社で衆院選投開票日の番組会議が開かれた。4日後に迫る投開票日の速報体制についての詰めの調整だ。約1時間の会議の中では、こんなやりとりがあったという。
 「8時の当確リストは何人くらいだ?」
 「すでに200人を超えました。焦点は自民党が単独で3分の2以上の議席を確保するかどうかです」
 「8時当確」とは、投票を締め切る午後8時の段階で流す当選確実の速報のことを指す。国政選挙でテレビ各局が次々と流す「○○区の××氏、当選確実」のテロップは選挙の風物詩だ。ただ、午後8時段階ではほぼ全ての選挙管理委員会で開票率0%。まだ投票箱が開いてさえいないなかで「当選確実」と打つために、報道各社は解散直後から猛烈な準備に追われる。
■「風向き」と固定票で分析
 社によって手法に差はあるが、各候補の当確を判断する材料は主に3種類ほどある。(1)独自に実施する投票行動調査(2)選挙区ごとの各陣営取材(3)開票所での観察――である。このうち午後8時段階では開票作業がほとんど始まっていないため、(1)と(2)での判断となる。それぞれ詳しく見てみよう。
 (1)の投票行動調査は、公示直後から選挙区ごとに無作為に抽出した番号に電話をかけて投票先を聞いたり、投票日に投票所の出口で誰に票を投じたかを聞いたりして分析する。(2)の陣営取材は特定の候補者を支援する業界団体や後援会がどれくらいの票数を固めているかなどを現地で取材する。無党派層が流れる「風」の向きと、固定支持層の票のまとまり具合を把握することで、大まかな選挙情勢が分かるというわけだ。
 状況にもよるが、地盤の強固な大物政治家がいる選挙区はこれらの事前調査で対抗馬に大差をつけていることが多い。選挙期間中に調査と取材を重ね、過去の選挙戦の動きも考慮したうえで、投開票前日までには「当選が確実な候補」を選定する。当日の出口調査の傾向と差異がなければ、投票終了の午後8時と同時に当確を流す運びとなる。
 テロップで速報するテレビの場合、午後8時ちょうどに当確が流れる人もいれば5分後に出る人もいる。大手テレビ局によると「この順番に大きな意味はない」。各支局や本社では担当者が選挙用端末の前で8時になるのを待ち構え、時報と同時に当確をクリックする。速報はこのクリックの順番に流れるため、いつ流れるかは担当者の反射神経次第なのだという。
 一方、接戦区は開票状況を見極める必要があるため、午後8時に当確を出すことは難しい。報道各社の「8時当確」の対象は大体同じ選挙区に集中する。選挙報道で他社と差別化を図るには、この接戦区でいかに早く正確な当確を打つかが重要になってくる。選挙管理委員会の開票作業を待っていては他社の後れを取る。多くの社は開票所にスタッフを派遣して実際の開票作業をリアルタイムで観察する。
■開票所のレイアウトを事前に把握
 開票所の作業はこうだ。開票時間になると投票箱のカギが開けられ、投票用紙が大きな机の上に広げられる。それを候補者ごとに山や束に分けて何枚あるか数えていく。報道陣は指定されたスペースに陣取り、脚立や双眼鏡などを駆使して選管職員の手元をチェック。どの候補者の投票用紙が、どれくらい集まっているかを確認する。
 当確の精度は、開票作業の様子をどこまで詳しく観察できるかにかかっている。あるテレビ局では開票作業の机の大きさ、高さ、作業員の人数と配置などのレイアウトを事前に細かく選挙管理委員会に問い合わせる。どの場所に何センチの高さの脚立を置けば開票作業の様子が良く見えるかを確認するためだ。
 開票が始まれば双眼鏡をのぞきながらバードウオッチングや通行量調査で使われるカウンターで票数を数え、本社にいる当確判断の担当者に連絡する。急ぐときはマイク付きのイヤホンを携帯電話につなぎ、随時、数えながら報告することもあるという。これらの作業のために、普段は報道に関わらない営業や事務系の社員を駆り出す社もある。
 報道各社の総力戦ともいえる選挙速報だが、視聴者や読者からは時に抗議や冷ややかな声が寄せられる。速報性にとらわれるあまり、誤った「当確」を出してしまえば言い訳もきかない。あるテレビ局では、選挙のたびに「開票率0%で当確を出すなんて有権者をばかにしている」との抗議が多数寄せられるという。ある当確打ちの担当者は「正確さと速報性のはざまで、民主主義の意味をかみしめながらクリックするんだ」と気を引き締める。14日午後8時はもうすぐだ。 (永井央紀)

財政健全化のためには大増税が必須

2014-12-13 12:25:02 | 政治・社会・経済問題
財政健全化のためには大増税が必須
消費税は20%程度は必要


大前研一メルマガ 2014年12月12日 配信

~大前研一ニュースの視点~ より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

国内株式市場・円相場・日本国債
~2020年までの財政健全化のためには大増税が必要

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-------------------------------------------------------------
▼ 株式市場、為替相場、いずれを見ても危険な徴候
-------------------------------------------------------------

日経新聞は、8~12日の週の日経平均株価は7年4カ月ぶりに1万8000円台を回復し、
上値を試す展開になると予想する記事を掲載しました。

11月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回ったことや、
7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の上方修正が予想されており、
相場の支援材料になる可能性が高いとのことです。

日経平均株価が1万8000円に近づいているとのことですが、これは危機の前兆でしかありません。

なぜなら、株価が上昇する正当な理由がないからです。

今、上がっている株を見ると、日経225や日経400といったインデックス銘柄です。

日経インデックスに関連している銘柄に集中していて、個別銘柄には何も意味がありません。
完全に作られたマーケットであり、官製相場になっています。
年金ファンドなども利用されており、やり過ぎだと思います。

実体経済と株価の差は、どんどん大きくなっています。

このような株式相場の事実を見ると、「安心感」など持てるはずもありません。
むしろ、危機感を募らせるばかりです。

また、円安が進み輸出関連企業に有利だと言われていますが、
円安もここまで進むとマイナス要因が大きくなり、私は非常に深刻な状況だと見ています。

5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大きく下落し、
一時は121円69銭まで下げ、2007年7月20日以来およそ7年4カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

日銀が10月末に追加金融緩和に踏み切って以降、10円強の円安が進んだ形です。

また、貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は
1973年1月以来、約42年ぶりの弱さとのことです。

対米ドルで為替の推移を見ると、乱高下のイメージがあるかも知れませんが、
古くは360円からスタートし、一時は80年台の異常値の時代もあり、
今は過去20年の平均値に戻ってきている、という状態です。

輸出額と円相場の推移を見ると、円安が進んでいるのに全く輸出が増えていないことがわかります。
日本企業は為替によって輸出を増やしてはいない、ということです。

円ベースで増えていないということは、米ドルベースで見れば
むしろ輸出額は減っているというのが現実です。

日本と中国のGDPの推移を見ても、米ドルベースで見ると、2009年に中国が逆転し、
2012年頃まではそれほど差は開いていませんでしたが、この円安の影響もあって今となっては2倍の差になっています。

さらには、ドイツにも急速に近づかれつつあります。

このような状況を見ていると、何も良いことはありません。

安倍総理は必死に円安のプラス効果を強調していますが、全く何もわかっていないのでしょうか。

日銀の黒田総裁は、さすがに一方的な円安容認の姿勢に変化を見せ始めており、危険性を理解しているのだと思います。


-------------------------------------------------------------
▼ 2020年までの財政健全化のためには、大増税が必須
-------------------------------------------------------------

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、
日本国債の格付けを最上位から4番目の「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたと発表しました。

安倍政権の消費再増税の先送りなどを受けて、
2020年の財政健全化目標達成の不確実性が高まったことなどが要因とのことです。

またムーディーズは2日、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行など
邦銀5行と日本生命保険など生命保険2社の格付けを1段階引き下げたと発表しています。

日本国債格下げの影響が国債を大量に持つ金融機関にも波及した格好です。

これも非常に深刻な問題です。
日本のランクは、ボツワナやスロバキアと同じで、韓国を下回っています。

主要投資家別の日本国債の保有残高を見ると、
日銀が国債を買い込んでいる実態がわかります。

国内銀行は日銀に国債を売っている形で、日銀の保有残高は200兆円を超え、
保険会社の保有残高を上回って最大の保有主体になっています。

それでも、保険会社で約190兆円、国内銀行でも約130兆円の国債を保有しています。

日本国債の格付けが下がれば、金融機関の格付けも下げられてしまうのは致し方ないでしょう。

このような日本経済の状況から、2020年の財政健全化は可能なのか?
というと、かなり難しいでしょう。

歳出を減らし、増税するしか方法はありません。

今、日本は約100兆円の予算を組んでいますが、
そのうち約50兆円強は社会保障と過去の借金返済に割り当てるもので、減らすことはできません。

実質的に削減できるのは40%程度の項目ですが、それを実行するしかないでしょう。

また「増税」は必須であり、しかも消費税で言えば、20%程度が必要とされます。

消費税10%では、2020年までに財政健全化(プライマリーバランスの均衡)を実現することは不可能です。

消費税を2%増やしたところで、せいぜい経済効果は5兆円程度です。

その程度の増税すら先送りするのが、今の日本の政治家です。全く情けない限りです。

こんなレベルでは、2020年までに財政健全化は無理ですから、むしろ発表しないほうがマシだと私は思ってしまいます。

---
※この記事は12月7日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています

財政健全化のためには大増税が必須

2014-12-13 12:10:44 | 政治・社会・経済問題
財政健全化のためには大増税が必須
消費税は20%程度は必要


大前研一メルマガ 2014年12月12日 配信

~大前研一ニュースの視点~ より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

国内株式市場・円相場・日本国債
~2020年までの財政健全化のためには大増税が必要

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▼ 株式市場、為替相場、いずれを見ても危険な徴候
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日経新聞は、8~12日の週の日経平均株価は7年4カ月ぶりに1万8000円台を回復し、
上値を試す展開になると予想する記事を掲載しました。

11月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回ったことや、
7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の上方修正が予想されており、
相場の支援材料になる可能性が高いとのことです。

日経平均株価が1万8000円に近づいているとのことですが、これは危機の前兆でしかありません。

なぜなら、株価が上昇する正当な理由がないからです。

今、上がっている株を見ると、日経225や日経400といったインデックス銘柄です。

日経インデックスに関連している銘柄に集中していて、個別銘柄には何も意味がありません。
完全に作られたマーケットであり、官製相場になっています。
年金ファンドなども利用されており、やり過ぎだと思います。

実体経済と株価の差は、どんどん大きくなっています。

このような株式相場の事実を見ると、「安心感」など持てるはずもありません。
むしろ、危機感を募らせるばかりです。

また、円安が進み輸出関連企業に有利だと言われていますが、
円安もここまで進むとマイナス要因が大きくなり、私は非常に深刻な状況だと見ています。

5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大きく下落し、
一時は121円69銭まで下げ、2007年7月20日以来およそ7年4カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

日銀が10月末に追加金融緩和に踏み切って以降、10円強の円安が進んだ形です。

また、貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は
1973年1月以来、約42年ぶりの弱さとのことです。

対米ドルで為替の推移を見ると、乱高下のイメージがあるかも知れませんが、
古くは360円からスタートし、一時は80年台の異常値の時代もあり、
今は過去20年の平均値に戻ってきている、という状態です。

輸出額と円相場の推移を見ると、円安が進んでいるのに全く輸出が増えていないことがわかります。
日本企業は為替によって輸出を増やしてはいない、ということです。

円ベースで増えていないということは、米ドルベースで見れば
むしろ輸出額は減っているというのが現実です。

日本と中国のGDPの推移を見ても、米ドルベースで見ると、2009年に中国が逆転し、
2012年頃まではそれほど差は開いていませんでしたが、この円安の影響もあって今となっては2倍の差になっています。

さらには、ドイツにも急速に近づかれつつあります。

このような状況を見ていると、何も良いことはありません。

安倍総理は必死に円安のプラス効果を強調していますが、全く何もわかっていないのでしょうか。

日銀の黒田総裁は、さすがに一方的な円安容認の姿勢に変化を見せ始めており、危険性を理解しているのだと思います。


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▼ 2020年までの財政健全化のためには、大増税が必須
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米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、
日本国債の格付けを最上位から4番目の「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたと発表しました。

安倍政権の消費再増税の先送りなどを受けて、
2020年の財政健全化目標達成の不確実性が高まったことなどが要因とのことです。

またムーディーズは2日、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行など
邦銀5行と日本生命保険など生命保険2社の格付けを1段階引き下げたと発表しています。

日本国債格下げの影響が国債を大量に持つ金融機関にも波及した格好です。

これも非常に深刻な問題です。
日本のランクは、ボツワナやスロバキアと同じで、韓国を下回っています。

主要投資家別の日本国債の保有残高を見ると、
日銀が国債を買い込んでいる実態がわかります。

国内銀行は日銀に国債を売っている形で、日銀の保有残高は200兆円を超え、
保険会社の保有残高を上回って最大の保有主体になっています。

それでも、保険会社で約190兆円、国内銀行でも約130兆円の国債を保有しています。

日本国債の格付けが下がれば、金融機関の格付けも下げられてしまうのは致し方ないでしょう。

このような日本経済の状況から、2020年の財政健全化は可能なのか?
というと、かなり難しいでしょう。

歳出を減らし、増税するしか方法はありません。

今、日本は約100兆円の予算を組んでいますが、
そのうち約50兆円強は社会保障と過去の借金返済に割り当てるもので、減らすことはできません。

実質的に削減できるのは40%程度の項目ですが、それを実行するしかないでしょう。

また「増税」は必須であり、しかも消費税で言えば、20%程度が必要とされます。

消費税10%では、2020年までに財政健全化(プライマリーバランスの均衡)を実現することは不可能です。

消費税を2%増やしたところで、せいぜい経済効果は5兆円程度です。

その程度の増税すら先送りするのが、今の日本の政治家です。全く情けない限りです。

こんなレベルでは、2020年までに財政健全化は無理ですから、むしろ発表しないほうがマシだと私は思ってしまいます。

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※この記事は12月7日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています

財政健全化のためには大増税が必須

2014-12-13 12:10:44 | 政治・社会・経済問題
財政健全化のためには大増税が必須
消費税は20%程度は必要


大前研一メルマガ 2014年12月12日 配信

~大前研一ニュースの視点~ より
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国内株式市場・円相場・日本国債
~2020年までの財政健全化のためには大増税が必要

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▼ 株式市場、為替相場、いずれを見ても危険な徴候
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日経新聞は、8~12日の週の日経平均株価は7年4カ月ぶりに1万8000円台を回復し、
上値を試す展開になると予想する記事を掲載しました。

11月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回ったことや、
7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の上方修正が予想されており、
相場の支援材料になる可能性が高いとのことです。

日経平均株価が1万8000円に近づいているとのことですが、これは危機の前兆でしかありません。

なぜなら、株価が上昇する正当な理由がないからです。

今、上がっている株を見ると、日経225や日経400といったインデックス銘柄です。

日経インデックスに関連している銘柄に集中していて、個別銘柄には何も意味がありません。
完全に作られたマーケットであり、官製相場になっています。
年金ファンドなども利用されており、やり過ぎだと思います。

実体経済と株価の差は、どんどん大きくなっています。

このような株式相場の事実を見ると、「安心感」など持てるはずもありません。
むしろ、危機感を募らせるばかりです。

また、円安が進み輸出関連企業に有利だと言われていますが、
円安もここまで進むとマイナス要因が大きくなり、私は非常に深刻な状況だと見ています。

5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大きく下落し、
一時は121円69銭まで下げ、2007年7月20日以来およそ7年4カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

日銀が10月末に追加金融緩和に踏み切って以降、10円強の円安が進んだ形です。

また、貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は
1973年1月以来、約42年ぶりの弱さとのことです。

対米ドルで為替の推移を見ると、乱高下のイメージがあるかも知れませんが、
古くは360円からスタートし、一時は80年台の異常値の時代もあり、
今は過去20年の平均値に戻ってきている、という状態です。

輸出額と円相場の推移を見ると、円安が進んでいるのに全く輸出が増えていないことがわかります。
日本企業は為替によって輸出を増やしてはいない、ということです。

円ベースで増えていないということは、米ドルベースで見れば
むしろ輸出額は減っているというのが現実です。

日本と中国のGDPの推移を見ても、米ドルベースで見ると、2009年に中国が逆転し、
2012年頃まではそれほど差は開いていませんでしたが、この円安の影響もあって今となっては2倍の差になっています。

さらには、ドイツにも急速に近づかれつつあります。

このような状況を見ていると、何も良いことはありません。

安倍総理は必死に円安のプラス効果を強調していますが、全く何もわかっていないのでしょうか。

日銀の黒田総裁は、さすがに一方的な円安容認の姿勢に変化を見せ始めており、危険性を理解しているのだと思います。


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▼ 2020年までの財政健全化のためには、大増税が必須
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米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、
日本国債の格付けを最上位から4番目の「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたと発表しました。

安倍政権の消費再増税の先送りなどを受けて、
2020年の財政健全化目標達成の不確実性が高まったことなどが要因とのことです。

またムーディーズは2日、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行など
邦銀5行と日本生命保険など生命保険2社の格付けを1段階引き下げたと発表しています。

日本国債格下げの影響が国債を大量に持つ金融機関にも波及した格好です。

これも非常に深刻な問題です。
日本のランクは、ボツワナやスロバキアと同じで、韓国を下回っています。

主要投資家別の日本国債の保有残高を見ると、
日銀が国債を買い込んでいる実態がわかります。

国内銀行は日銀に国債を売っている形で、日銀の保有残高は200兆円を超え、
保険会社の保有残高を上回って最大の保有主体になっています。

それでも、保険会社で約190兆円、国内銀行でも約130兆円の国債を保有しています。

日本国債の格付けが下がれば、金融機関の格付けも下げられてしまうのは致し方ないでしょう。

このような日本経済の状況から、2020年の財政健全化は可能なのか?
というと、かなり難しいでしょう。

歳出を減らし、増税するしか方法はありません。

今、日本は約100兆円の予算を組んでいますが、
そのうち約50兆円強は社会保障と過去の借金返済に割り当てるもので、減らすことはできません。

実質的に削減できるのは40%程度の項目ですが、それを実行するしかないでしょう。

また「増税」は必須であり、しかも消費税で言えば、20%程度が必要とされます。

消費税10%では、2020年までに財政健全化(プライマリーバランスの均衡)を実現することは不可能です。

消費税を2%増やしたところで、せいぜい経済効果は5兆円程度です。

その程度の増税すら先送りするのが、今の日本の政治家です。全く情けない限りです。

こんなレベルでは、2020年までに財政健全化は無理ですから、むしろ発表しないほうがマシだと私は思ってしまいます。

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※この記事は12月7日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています

財政健全化のためには大増税が必須

2014-12-13 12:08:54 | 政治・社会・経済問題
財政健全化のためには大増税が必須
消費税は20%程度は必要


大前研一メルマガ 2014年12月12日 配信

~大前研一ニュースの視点~ より
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国内株式市場・円相場・日本国債
~2020年までの財政健全化のためには大増税が必要

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▼ 株式市場、為替相場、いずれを見ても危険な徴候
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日経新聞は、8~12日の週の日経平均株価は7年4カ月ぶりに1万8000円台を回復し、
上値を試す展開になると予想する記事を掲載しました。

11月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回ったことや、
7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の上方修正が予想されており、
相場の支援材料になる可能性が高いとのことです。

日経平均株価が1万8000円に近づいているとのことですが、これは危機の前兆でしかありません。

なぜなら、株価が上昇する正当な理由がないからです。

今、上がっている株を見ると、日経225や日経400といったインデックス銘柄です。

日経インデックスに関連している銘柄に集中していて、個別銘柄には何も意味がありません。
完全に作られたマーケットであり、官製相場になっています。
年金ファンドなども利用されており、やり過ぎだと思います。

実体経済と株価の差は、どんどん大きくなっています。

このような株式相場の事実を見ると、「安心感」など持てるはずもありません。
むしろ、危機感を募らせるばかりです。

また、円安が進み輸出関連企業に有利だと言われていますが、
円安もここまで進むとマイナス要因が大きくなり、私は非常に深刻な状況だと見ています。

5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大きく下落し、
一時は121円69銭まで下げ、2007年7月20日以来およそ7年4カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

日銀が10月末に追加金融緩和に踏み切って以降、10円強の円安が進んだ形です。

また、貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は
1973年1月以来、約42年ぶりの弱さとのことです。

対米ドルで為替の推移を見ると、乱高下のイメージがあるかも知れませんが、
古くは360円からスタートし、一時は80年台の異常値の時代もあり、
今は過去20年の平均値に戻ってきている、という状態です。

輸出額と円相場の推移を見ると、円安が進んでいるのに全く輸出が増えていないことがわかります。
日本企業は為替によって輸出を増やしてはいない、ということです。

円ベースで増えていないということは、米ドルベースで見れば
むしろ輸出額は減っているというのが現実です。

日本と中国のGDPの推移を見ても、米ドルベースで見ると、2009年に中国が逆転し、
2012年頃まではそれほど差は開いていませんでしたが、この円安の影響もあって今となっては2倍の差になっています。

さらには、ドイツにも急速に近づかれつつあります。

このような状況を見ていると、何も良いことはありません。

安倍総理は必死に円安のプラス効果を強調していますが、全く何もわかっていないのでしょうか。

日銀の黒田総裁は、さすがに一方的な円安容認の姿勢に変化を見せ始めており、危険性を理解しているのだと思います。


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▼ 2020年までの財政健全化のためには、大増税が必須
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米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、
日本国債の格付けを最上位から4番目の「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたと発表しました。

安倍政権の消費再増税の先送りなどを受けて、
2020年の財政健全化目標達成の不確実性が高まったことなどが要因とのことです。

またムーディーズは2日、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行など
邦銀5行と日本生命保険など生命保険2社の格付けを1段階引き下げたと発表しています。

日本国債格下げの影響が国債を大量に持つ金融機関にも波及した格好です。

これも非常に深刻な問題です。
日本のランクは、ボツワナやスロバキアと同じで、韓国を下回っています。

主要投資家別の日本国債の保有残高を見ると、
日銀が国債を買い込んでいる実態がわかります。

国内銀行は日銀に国債を売っている形で、日銀の保有残高は200兆円を超え、
保険会社の保有残高を上回って最大の保有主体になっています。

それでも、保険会社で約190兆円、国内銀行でも約130兆円の国債を保有しています。

日本国債の格付けが下がれば、金融機関の格付けも下げられてしまうのは致し方ないでしょう。

このような日本経済の状況から、2020年の財政健全化は可能なのか?
というと、かなり難しいでしょう。

歳出を減らし、増税するしか方法はありません。

今、日本は約100兆円の予算を組んでいますが、
そのうち約50兆円強は社会保障と過去の借金返済に割り当てるもので、減らすことはできません。

実質的に削減できるのは40%程度の項目ですが、それを実行するしかないでしょう。

また「増税」は必須であり、しかも消費税で言えば、20%程度が必要とされます。

消費税10%では、2020年までに財政健全化(プライマリーバランスの均衡)を実現することは不可能です。

消費税を2%増やしたところで、せいぜい経済効果は5兆円程度です。

その程度の増税すら先送りするのが、今の日本の政治家です。全く情けない限りです。

こんなレベルでは、2020年までに財政健全化は無理ですから、むしろ発表しないほうがマシだと私は思ってしまいます。

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※この記事は12月7日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し本メールマガジン向けに編集しています

選挙期間中に暴かれるウソ

2014-12-11 23:22:35 | 政治・社会・経済問題
高橋洋一の「俗論を撃つ」
マスコミ、エコノミスト……


ダイヤモンド・オンライン 2014年12月11日 配信

 選挙は政策選択の品評会であると筆者は思っている。政治家がいろいろなビジョンを有権者に語る機会が格段に増えるからだ。
■マスコミには統計の素養がない
 と同時に、それを報じるマスコミの力量も試される。その観点から見ると、内閣府が8日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)の2次速報について、「下方修正」という記事が各紙の一面にのっていたのは酷かった。
 筆者はもう20年近く新聞を読んでいない。ただし、ときたま、テレビ、ラジオなどに出演することがあるが、その時にはその当日の新聞を番組で取り上げる材料として見ることもある。9日、ニッポン放送の16時から「ザ・ボイス そこまで言うか」に出演した。15時頃にニッポン放送のスタジオ入りして、番組担当者から進行スケジュールを聞き、材料を見る。
 各新聞一面で報じていた「7~9月期の実質GDP改定値、年率1.9%減に下方修正 速報は1.6%減」という各紙の記事のコピーが用意されていた。
 これに対して筆者のコメントは「なぜこんなつまらない記事が一面なのですか」だ。いかに今の経済状況が悪いかの解説を期待していた番組スタッフはみんな怪訝そうな顔をした。
 続けて「実質GDPを実額で見ると、7~9月期の二次速報は一次速報より少し上方修正された。ただし、4~6月期も上方修正されたので、7~9月期を4~6月期の前期比でみれば、下がり幅が少し大きくなっただけ」、「データとして一次速報と対して変わらないので、ニュースの価値なし」と言った。
 マスコミでは、筆者のような説明はないという。実額で「上方修正」されたのに、前期比で「下方修正」というのはおかしい。前期比の「下方修正」が意味を持つのは、4~6月期の実額が同じ場合であるが、4~6月期の実額も「上方修正」されている。
 マスコミが基本的な統計の素養がないというだけの話だ。GDP統計について、内閣府のサイトなど見たこともないのだろう。
 その中から、11月17日公表の一次速報と12月8日公表の二次速報のそれぞれについて、実額実質GDPの実質・季節調整済のデータを取り出せば、表のとおりだ。


 これで、筆者の言ったことがわかるだろう。
 なお、同じ時に、筆者は所属大学の学生に対し、消費増税の悪影響で実質GDPがどうなっているのか、内閣府のサイトからデータをダウンロードしグラフ作成を指導していた。大手マスコミより学生のほうが出来がよく、まともだった。
 マスコミは、四半期GDP統計でも、名目か実質か、原系列か季節調整済かの統計属性があり、どれを選んだらいいのかさえも知らずに、GDP統計といって報道をしている。伸び率を見るときでも、前期比と前年同期比の2つを見なければいけないが、実額の数字を知らずに、マスコミは前期比だけがGDP統計だと思い込んでいる。
 筆者は、消費増税の影響をはっきり示すために、前期比ではなく前年同期比の数字を使った実質GDP伸び率のグラフを使った。この数字は、実額の実質GDPの数字から簡単に計算できる。
 ところが、マスコミ出身の池田信夫氏は、グラフが捏造だといってきた。マスコミでそうしたグラフを見たことがなかったからだろう。ただし、そんなデタラメはネットの上ではすぐに見破られる。池田氏は自らのサイトの上で捏造だとする文章を削除した。ただし、捏造呼ばわりした筆者に対する謝罪はない。
■経済学者も評価にさらされる
 次はマスコミ報道ではないが、アベノミクスの評価に関して、経済学者のかつての発言内容が取り上げられることもある。経済学の評価の場合、実験ができないので、過去における発言がその後の事実と合っているか、ずれているかが、発言の信憑性を大きく左右する。普段であれば言い放しのことも、政策検証の場にさらされる。
 増税を主張してきた経済学者やエコノミストは辛いだろう。なにしろ財務省のいいなりで、消費増税でも経済に対する影響は軽微であると言ってきたからだ。それは全くの誤りで、上述のとおり、経済は落ち込んでしまった。
 金融業界のエコノミストが、調子よくデタラメな予測をするとは従来から知られていたが、有名大学の経済学者が情けない存在であったことが、素人目にもわかってしまった。こうした情報はネットの上でもすぐに探せる。
 アベノミクスの検証なので、金融緩和しても効果が無いといっていた人も馬脚を現してしまった。次の文は、金融緩和が効かないという主張の人が、2年前に言っていたことである。
「こういう議論の前提になっているのはですね、名目金利=実質金利+インフレ率という関係があるんです。フィッシャー方程式といいますが。インフレ率が上がった時に名目金利が一定だから実質金利が下がるという議論です。それは間違いです。インフレ期待が上がると実質金利が一定で名目金利が上がるんです。実質金利が下がるということは無いです」
 こうした意見も、黒田日銀の異次元緩和の前であれば、議論としてありえないわけではなかった。ただし、今となっては明確に否定されている。というのは、財務省のサイトを見ると、名目金利が上がらずに、実質金利が下がっていることがわかる。筆者から見れば、この事実はリーマンショック後の欧米でも見られて普遍的な事実であるので、欧米のデータを見ていれば、とても言えないと思う。
 何はともあれ、選挙期間中にいろいろなウソが暴かれていくのはいいことだ。

きょう施行 秘密法めぐる懸念

2014-12-10 10:31:59 | 政治・社会・経済問題
2014年12月10日(水) 4時34分掲載

特定秘密保護法を巡る懸念(毎日新聞)
<秘密保護法>10日施行 「知る権利」侵害の恐れ
 国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法が10日、施行される。安全保障に著しい支障を与える恐れのある情報を政府が特定秘密に指定して秘匿する。公務員の漏えいには最高懲役10年、共謀やそそのかしは同5年。昨年12月に国会で採決を強行し批判を浴びたことから、安倍政権は施行に先立ち運用基準を策定、「適正な運用」を強調する。しかし根本的な改善には至らず、政府に不都合な情報の半永久的な隠蔽(いんぺい)や、国民の「知る権利」侵害への懸念が根強いままの実施となる。【松本晃、佐藤慶】(毎日新聞)

各地で知る権利侵害にNO 秘密保護法成立1年

2014-12-08 00:27:28 | 政治・社会・経済問題
2014年12月6日 18時16分

 特定秘密保護法の施行に反対する集会で、プラカードを掲げ気勢を上げる参加者=6日午後、東京・日比谷野外音楽堂


 特定秘密保護法が成立して1年となる6日、各地で市民団体が集会を開いた。10日に施行が迫った同法をめぐっては、政府の恣意的な秘密指定や、国民の知る権利侵害の恐れを指摘する声が消えない。集会では「知る権利封じ込めを許すな」「諦めずに訴え続けよう」といった声が相次いだ。

 東京・日比谷野外音楽堂では新聞労連などが主催する集会が開かれ、約1600人が参加した。

 主催者代表としてあいさつした海渡雄一弁護士が「市民団体などには基地や原発の監視活動を続けて大丈夫かという危機感が高まっている」としながらも「萎縮することなく法廃止を求めて闘い続ける」と宣言した。

(共同)

語られぬ「負担と給付」

2014-12-05 19:31:04 | 政治・社会・経済問題
格差縮まらず財源は不足
「選択の意義」社会保障・雇用労働


共同通信社 2014年12月5日(金) 配信

 子どもや現役世代に冷たく、本来の役割である格差是正の機能も弱い―。国際比較で端的に表現すれば、これが日本の社会保障の姿だ。自民、公明、民主3党が2012年に合意した社会保障と税の一体改革は、こうした構造を変えるのが目的だったが、消費税再増税の延期で、各党はあるべき「負担と給付」の議論を避けている。
 日本の社会保障支出は高齢者向けが約半分を占め、子育て支援は6%弱、国内総生産(GDP)比では欧州諸国の4割程度の水準にとどまる。一体改革では、消費税増税で得られる財源を保育所の待機児童解消などに手厚く配分し、年約7千億円を充てる方針。だが、再増税先送りで来年度は社会保障充実に回す約4500億円が不足する。
 「子育て支援や認知症対策、介護職員の待遇改善などはしっかりやっていく」。安倍晋三首相はこう強調するが、財源をどこに求めるのか明確な説明はない。
 子育て支援の代わりに来年度の実施が見送られたのが、低年金者への月最大5千円の給付。この決断は、日本の社会保障が抱えるもう一つの弱点を悪化させかねない。
 先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の09年時点のデータによると、貧富の差を表す「ジニ係数」で、日本は社会保障と税による所得の再分配前は悪い方から数えて13番目。ところが、再分配後は7番目になってしまい、社会保障が格差を縮める役割を十分果たしていないことがうかがえる。
 低年金者対策として、民主党は金看板の「最低保障年金」創設を今回も掲げた。しかし、必要財源をどう確保するのか。1日の党首討論で安倍氏に突っ込まれた海江田万里代表は「検討しているところ」と答えただけ。財源論に踏み込まないのは野党も同じだ。
 雇用の分野では、首相は労働者派遣法改正など規制緩和で「多様な働き方」と「失業なき労働移動」を進めたい考え。ただ、規制緩和は負の影響を受ける人へのセーフティーネットが整備されなければ、格差を広げる恐れもある。
 社会保障が大きな争点になっていない今回の衆院選。各党が語る政策はどんな結果をもたらすのか。語られていないことは何か。見極める眼力が有権者には求められる。

消費税の軽減税率 “8%が有力な選択肢

2014-12-05 11:17:01 | 政治・社会・経済問題
公明党の山口代表

NHK 12月5日 4時20分

公明党の山口代表は、民放のBS放送の番組で、導入を目指している消費税の軽減税率について、現在の消費税率の8%が有力な選択肢になるという考えを示しました。

自民・公明両党は、平成29年4月に消費税率を10%に引き上げるのと同時に軽減税率を導入することを目指して、対象品目や区分経理などの具体的な検討を早急に進めることで合意しています。
これに関連して、公明党の山口代表は、4日夜、民放のBS放送の番組で「恒久的な低所得者対策として負担軽減の恩恵を実感してもらうため、ぜひとも実現すべきだ」と述べました。
そのうえで、山口氏は軽減税率の具体的な水準について「税率が8%を超えることはない。現実に8%で機能しているので、1つの基準になる。8%は有力な税収確保の手段だ」と述べ、現在の消費税率の8%が有力な選択肢になるという考えを示しました。

有権者はブレーキをかけられるか)

2014-12-04 16:59:06 | 政治・社会・経済問題
※自民党圧倒的優勢の予測の中、こんな見方もありました

安倍政治の猪突猛進に

田中秀征「政権ウォッチ」【第260回】
ダイヤモンド・オンライン 2014年12月4日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
■取り返しがつかない安倍首相の誤算
 12月2日、衆議院総選挙が公示され、日本列島全体が14日の投票日に向けて走り出した。
 だが、組織政党は別として、野党では選挙直前の大会や出陣式の集まりが悪くて盛り上がりに欠けているようだ。
 私の目や耳に入る事前の調査では、例外なく大多数の選挙区で自民候補が強く、今のところ自民党の圧勝に終わると予想されている。
 そこに水をかけたのが、11月28日、29日に実施された共同通信社の内閣支持率調査の結果である。
 なんと、内閣支持率は43.6%、不支持率は47.3%で、安倍晋三内閣の支持率は2年前の発足以来、初めて不支持が支持を上回ったのである。
 また、前回調査(19日、20日)からほぼ10日の短期間に、支持率は3.8%も下落し、不支持率は3.2%も上昇したのだ。この傾向が投票日までに劇的に変わる要因はなさそうだが、自民党はこれを覆す有力な戦略を持ち合わせているのだろうか。
 既に本欄で指摘してきたが、安倍首相の解散戦略は「好調なアベノミクス」を絶対の前提としている。
 しかし、11月17日発表の7~9月のGDP速報値(年率換算マイナス1.6%)でこの戦略はあっけなく崩れ去った。
 その改定値は、12月初旬、投票日前に発表される予定だが、もしもマイナス1.6%よりもっと悪い数字が出たら安倍戦略は一気に瓦解することにもなりかねない。
 残る手立てと言えば、首相が良い数字を大声で叫び、悪い数字にはあえて触れないことしかないだろう。しかし、万一そんなことをすれば逆の効果を招くだろう。
 また、仮に、アベノミクスが好調であったとしても、それが必然的に経済格差を拡大する政策であることを多くの人が既に気づいてしまっている。首相が一転してアベノミクスの大転換に踏み切る事しか他に道がないように思われる。
■有権者が“野党連合”を形成する可能性も
 これに対する野党の動きも期待外れだが、それでも197選挙区で野党協力が実現している。
 私は真剣な有権者が絶妙の判断をして、票の分散による野党の共倒れを防ぐ投票行動を起こすものと信じている。お互いに無連絡な有権者が実質的な野党連合の形成に動くということだ。
 すなわち、明確な主張をし、当選可能性の高い候補に有権者が票を集中させることだ。所属党派を二の次にして野党勝利を優先する道だ。
 特に、(1)集団的自衛権の行使容認、(2)原発再稼働、(3)行政改革を怠った消費税増税について、あいまいな主張をする候補を見捨て、党派を越えて主張が明確な候補に支持を集中させるであろう。それほどこの3つの重要問題についての有権者の関心は高い。
 今回の総選挙は、選挙後にどのような政権をつくるかと言うより、とりあえず猪突猛進する安倍政権を有権者が立ちはだかって止めるかどうかと言うことに尽きる。「ストップ・ザ・安倍」である。総選挙は終盤に向かって盛り上がり、この筋で大きく展開するのは間違いない。
 思えば、私も関係した1993年の政変も同じようなものだった。
 われわれは、新政権の樹立を考えていなかったし、世間もそうであった。ただ、当時の自民党の腐敗政治との決別を誓って、8党会派がそれぞれの立場で自民党城に攻め込んだのだ。そして、思いがけず、自民党が過半数割れの結果を招き、8党会派はこぞって細川護熙政権を樹立したのである。その原動力は結束した国民世論であったという他はない。
 ところで、2年前の民主党政権の末期には、米国経済に確かな復調の兆しがあり、その後堅実な歩みを続け、ついに量的緩和に終止符を打つに至った。当初アベノミクスが、いわゆるマインドに大きなプラス効果を与えたことは評価するものの、やはり米国経済の堅調な回復など海外要因がアベノミクスの底流で有効に作用したことは否めないだろう。
 アベノミクスが順調でありさえすれば、他の問題(特に前述の3つ)は容易に突破できる。そう安倍首相は考えていたのだろう。しかし、その肝心のアベノミクスに今や最も厳しい批判と反発が寄せられているのだ。これは安倍首相の歴史的誤算と言うべきだろう。

マイナンバー導入の工程表、作成へ

2014-12-04 16:55:29 | 政治・社会・経済問題
政府のIT総合戦略本部の分科会
朝日新聞 2014年12月3日(水) 配信

 政府のIT総合戦略本部の分科会は2日、国民全員に番号を割り振る「共通番号(マイナンバー)制度」について、2017年以降の本格運用に向けた工程表を14年度中につくることで一致した。マイナンバーは行政機関などが国民の情報を共有し、社会保障や税などの分野に活用する。
 マイナンバーは来年10月から通知が始まり、16年1月から年金相談や確定申告などで一部の機関が利用を始める。インターネットで国民が自分の情報をみられるページや行政機関どうしの情報連携は17年以降にスタートする。

総選挙で野党は何を訴えるべきか?

2014-12-04 16:26:36 | 政治・社会・経済問題
【山崎元のマルチスコープ】
ダイヤモンド・オンライン 12月3日 配信 

実はぎりぎりの勝負ではないか
安倍政権の勝敗ラインは「270」?
 衆議院選挙が昨日公示された。
 自民党だけで294もの議席を持ち、2年の任期を残しながら解散に打って出た安倍政権にとっての実質的な勝敗ラインは、どのくらいのものだろうか。
 安倍首相は、解散を発表する記者会見で与党で過半数と述べたようだが、さすがに本気でそうは思っていまい。「勝敗ライン」を自分で述べると、後の制約になりかねないので、建前の数字を述べて、質問を相手にしなかったというあたりが本音だろう。
 今回の総選挙の過半数は238議席だ。現有31議席の公明党の議席数は安定していそうだから、自公でこの近辺の議席数になると、自民党は210議席程度に減ることになる。この場合、安倍首相は首相として再任されようが、2015年秋に予定されている自民党総裁選では、「議席数を大きく減らす解散を行った」と批判されて、厳しい状況に陥るだろう。
 自民党だけで単独過半数の238を割り込むことになった場合、自民党の公明党に対する交渉力が大きく低下することになる。もともと小選挙区制では、公明党の協力に対する依存度が大きい。公明党の協力なしで当選できない選挙事情を抱えた自民党議員は、少なくないはずだ。
 単独過半数を失ったという数字になれば、安倍政権としては「明白な負け」と認識せざるを得ないだろう。「負け」という言葉を使わないかもしれないが、解散が「失敗」であったことは認めざるを得なくなるだろう。
 それでは、現有議席を減らす場合に、「議席が減った」ことを「最大2年間のフリーハンドを追加で得た」ことが上回ると見なされる議席数はどのくらいか。全ての常任委員会で委員の過半数を確保し、かつ各委員会で委員長を独占するのに必要な「絶対安定多数」は、266議席だ。
 これを十分上回る議席数を自民党が確保できれば、安倍首相の解散は「成功だった」と見なされるのではないだろうか。選挙後の議員の死亡やスキャンダル、離党などの可能性を考えると、270議席くらいが勝敗ラインになるのではないか。
 このラインを割り込んだ場合、表面上すぐには何も起こらないかもしれないが、自民党内には安倍首相への対抗勢力の「核」ができるだろう。また、そうした核ができると、官僚集団は民主党政権時代に「親小沢(一郎氏)」と「反小沢」を対立させて仲間割れさせたように、安倍政権の弱体化を工作することが可能になろう。
 もちろん、自民党が現有議席を維持ないし増加させるような大勝を得る可能性もある。こうした場合、自民党内で安倍政権に逆らえる勢力は登場しにくくなり、官僚集団も安倍政権に従順に従わざるを得なくなるだろう。
 あれこれ考えると、一見余裕の解散に見えるが、安倍政権にとって今回の総選挙は、実質的にはぎりぎりの勝負なのではないだろうか。その後の風向きを左右する数字をあえて1つ挙げると「270議席」だと筆者は思う。
解散は明白に不都合
奇襲を受けた野党の「戦い方」
 選挙には相手がある。安倍政権が「勝ち」を得ることができるかどうかに大きな影響を持つのは、野党の戦い方だ。
 今回の解散にあって最大の判断材料の1つは、野党の選挙準備が整っていないと見えたことだっただろう。与党側で「なぜ今解散?」という疑問の余地は大いにあるが、それ以上に野党側にとって、解散は明白に不都合だ。サラリーマンで言うと、おそらく入浴中に緊急の呼び出しを受けたような感じだろう。
 民主党は、候補者の選定が進んでいないことに加えて、有権者にとって印象の悪い前政権にあって要職にいた方々が並ぶ幹部のメンバーが良くない。維新の党は、前回選挙で初めて当選したばかりの議員が多い候補者メンバーの弱さに加えて、旧太陽の党の人々の離脱に結いの党の合流と、人と組織が安定していない。
 そして、第三極の政党としてそれなりの存在感を持ちつつあったみんなの党は、率直に言って、渡辺喜美前代表のお蔭でバラバラになってしまった。「今」の解散は、正直なところ野党にとって厳しい。
 一方、現時点のメディアの観測では、前回総選挙の自民党大勝の反動を見込むこともあり、自民党が議席減、民主党が議席増、維新の党が議席減と予測する向きが多い。
候補者は民主、政策は維新
野党の公約をチェックする
 得票を決定する主な要因は、各党が公約に掲げる政策ではなさそうだ。しかし、野党が何を掲げて選挙戦を戦うかは、今回の選挙結果にそれなりに影響するだろうし、それ以上に今後の政治状況を考える上で重要だ。
 野党が国政レベルで反攻に転じることが可能になるのは、現実的には2016年の参議院選挙からだろう。そのときに国民の支持を集め、野党勢力の核になることができるのはどの勢力なのかを判断する上で、今回掲げる政策は重要だ。
 特に、民主党と維新の党がどのような公約で今回の選挙に臨んでいるのかを見てみた。
 前回の本連載では、アベノミクスが失業を減らし、物価にプラスの影響を与え始めてデフレ脱却の「途上」にあること、この段階では中間層の実質所得がむしろ悪化すること、中間層を含む全国民の生活レベル改善のためには、規制緩和を中心とした生産性向上のための施策が必要であることを述べた。
 アベノミクスの三本の矢の譬えに沿ってまとめると、次のような認識になる。
 1本目(金融政策)の金融緩和は適切であった。しかし、2本目(財政政策)の財政支出はこの段階で適切だったが、それが公共事業に集中しすぎたことがいささか問題だった。第二の矢は、打った方向が少々悪かったと言えよう。
 そして、4月の消費税率引き上げは失敗だった。加えて、最大の問題は、第三の矢がさっぱり飛ばないことだ。1本目「肯定」、2本目「修正」、3本目「推進!」が、正しい政策パッケージだ。
 民主党のマニフェストを見ると、「行き過ぎた円安に対策を打ちます」「『過度な異次元緩和』よりも、経済・財政状況、市場環境を踏まえ、『国民生活に十分留意した柔軟な金融政策』を日本銀行に求めます」とあり、金融緩和にブレーキを踏む方向性を示している。
これではデフレに逆戻り
残念な民主党のマニフェスト
 率直に言って、これではデフレに戻る危険がある。金融緩和による実質賃金の低下は、失業率の低下やアルバイトの時給上昇などを通じて、雇用市場の最弱者にメリットを与えた。現段階で単に金融緩和を逆行させ、たとえば円高に戻すのでは、彼らに再び実害が及ぶことになる。
 あえて言えば、今回の総選挙で民主党が政権に就く形勢にないことは、日本の経済・市場にとっては大きな安心材料だ。
 付け加えるなら、今回景気に大きなブレーキをかけた消費増税を選挙で問うことなしに決めたのは、民主党政権だった。マニフェストには、このことの反省が一言もない。10%への引き上げの先送りには反対しないようだが、仮に民主党が政権党であれば、スケジュール通りの引き上げを強行した可能性があり、その場合の日本経済の状況は悲惨だろう。
 民主党の現執行部は、とにもかくにも「アベノミクスに反対!」しようとして、正しい方向を見失ってしまったのではないだろうか。かつて万年野党のポジションで、「何でも与党の反対」だった日本社会党の野党ボケ的な症状に、似てきたのではないか。
 第二の矢に関しては、「バラマキ財政」を「人への投資」に変えるという方向性はいいのだが、具体性に乏しい。民主党は、公共事業による非効率的で受益層が偏る「不透明な再配分」ではなく、ルール化された減税や給付金を中心として使途の自由なお金を人に分配する「透明な再分配」を推進する政策を、もっと磨くべきだ。
 具体性を欠く点では、第三の矢である「成長戦略」が「グリーン、ライフ、農林水産業、中小企業」を列挙するだけで、全く迫力に乏しい。
 2009年の政権を獲った総選挙で、具体的に政策を書き込んだマニフェストを後に実行することができなかったことがトラウマになっているのかもしれないが、民主党が目指すべきは、具体的な政策を実行できるマネジメント力を持つことであって、公約を曖昧にすることではない。
 他方、維新の党のマニフェストは、アベノミクスの評価と問題指摘が的確にできている。金融緩和に関しては「一本目の矢は、円高を是正して株価を押し上げ、経済回復へのかすかな光をもたらしました」と評されている。
 二本目の矢が、「的を大きく外しました」という指摘も的確だ。「公共事業のバラマキは、現場のニーズや事情もお構いなしに進められ、工事着工も予定通りに進まず、地方の経済を押し上げることはできませんでした」とある。
 そして、「失われた『第三の矢』を維新の手で」と、共同代表挨拶文の次に、第三の矢を強調する政策のトップとして掲げている。
競争政策を行財政改革と共に実行
期待できる維新の党のマニフェスト
 維新の党の成長戦略は、競争政策を行財政改革と共に実行しようとする点に特徴がある。
 まず、「身を切る改革」と称する政策の主な中身は、公務員の人件費削減、独立行政法人や官民ファンドの売却、独立行政法人の資金管理一元化、JT、日本政策投資銀行等の政府の保有株式売却、歳入庁設置などで財源を強化しながら行政を効率化しようとする。
 加えて、景気が悪くても消費税10%への引き上げを強行する「景気条項の削除」に反対していることも適切だ。景気条項の削除は、安倍政権が官僚と妥協するために必要としたものだろうが、経済政策論理的には与党側の弱点だ。
 また、「費用対効果の悪い消費税の軽減税率や一律の給付金ではなく、マイナンバー制度を前提に『給付付き税額控除』(いわゆる「負の所得税」)を実現する」と述べる再分配への配慮も、おおむね適切だ。
 今回の総選挙では、公明党が「軽減税率実現党」に改名しそうな勢いで消費税における軽減税率導入を強調しているが、軽減税率は品目の指定が利権化しやすく、また事務的にも煩雑になるし、加えて富裕層にも貧困層と同様の恩恵が及ぶことになる、経済的弱者対策としては効率の悪い制度だ。せっかく与党の一角にあって、政権に影響力を及ぼすことができるポジションを得ているのだから、経済政策的にもう少し賢くなることができないものか。
 また、維新の党の成長戦略は、「『稼げる国』へ、徹底した競争政策」と題して、①供給者への補助金からバウチャーへ、消費者優先の政策への転換、②新規参入規制の撤廃・緩和、③敗者の破綻処理の整備、といった経済的な効率性とフェアネスを強調する。
 たとえば、医療の成長産業化にあっては、ビッグデータ活用による医療の標準化、混合診療の解禁、医師以外の民間経営者による病院経営を可能にする規制改革など、いずれも経済合理的な施策が並ぶ。
 官製インフラビジネスの開放や、電波における周波数オークションの導入なども的確だ。
 経済政策を総合的に見ると、維新の党が「アベノミクスの不足」を補う政策を的確に提案しているように思う。
2016年参議院選挙に向けた宿題
政権交代可能な野党に結集できるか?
 建前上、選挙では何が起こるかわからないから、今回総選挙を与党勝利と見切って次に関心を向けるのは良くないことかもしれないが、野党勢力が自民党政権に対して本格的な反攻体制を築くことができるのは、2016年に予定されている参議院選挙からだろう。
 そのときまでに、政権交代が可能な野党勢力を結集するには何が必要か。
 経済政策は、現在の維新の党の方向性にまとめるといいのではないか。同党のマニフェストは、方向性として、国民から熱烈な支持を得た民主党の2009年総選挙のマニフェストに近い。経済を理解し、組合とのしがらみを絶った「本来の民主党」は、政策的に維新の党とまとまることができるはずだ。
 一方、維新の党にも課題がある。これまでに随分時間がありながら、候補者人材を十分揃えることができていない。
 政権時代の民主党の失敗は、行政組織のマネジメントができなかった「経営的失敗」だったが、維新の党は人材採用に不熱心であることで、別の経営的失敗に陥っているのではないだろうか。リクルーティングもまた、経営の根幹だ。
 維新の党と民主党が、おおむね今回の維新の党のような政策の方向性でまとまって、地に足の着いた経営力を養うなら、2016年くらいから、自民党と十分勝負になる政権交代可能な野党勢力となることができるのではないだろうか。
 いかにも気が早い話だが、総選挙後の展開として期待しておきたい。

政治の劣化は、国民の劣化を意味している

2014-12-01 11:34:10 | 政治・社会・経済問題
今や空気、雰囲気、感性が社会を動かしている。
その時代に合っているからこそ、安倍晋三首相は高い支持率を得ている。
こういう時代には、政党もスローガンで選挙を戦うことになりがちだし、それに頼っているだけの議員が当選してしまう。
政治の劣化は、国民の劣化を意味している。
軍部が先に戦争を起こしたというが、当時は国民がそれを待望していた。
ファシズムとは社会が劣化して加速する現象だ。
この国はどうにもならないと傍観者的に考える社会的ニヒリズムが、劣化と歩調を合わせて進み、社会をさらに衰退させる。
日本は危うい道を歩初めていると感じている。
歴史に学び、日本の立場を理解したうえで、自分はどう生きるのか、幸福とは何かを自問自答し続けることが、日本の将来を選ぶことにつながる。
考えることを放棄したら、劣化は止められない。
それができるかどうかが今、問われている。ノンフィクション作家・保坂正康さん