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医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

高度な政策提案を行える存在へと成長

2015-04-24 06:57:00 | 政治・社会・経済問題

「地方創生」は、国替えともいえる大転換事業。
国民もどれだけ当事者として関われるかが問われる。
「地方分権推進法」ができたのが1995年。
地方が国に逆らえたのは、この法律ができたこと。
地方への権限委譲が形式的には進んだが,
「住民自治」がごこまで進んだかである。
“依存から自立へ”という地方自治の時代を迎える。
2008年から日本の人口が減少に転じた。
このため地方自治の力が本当に問われてくる。
地方自治体の首長、議会、公務員である職員、彼らの考え方が本気で依存型から自立型のかわらないとダメだ。
本質的に変わったとことこそが生き残り、将来を展望できる。
成長時代は中央集権体制でもよかった。
しかし、もう成長による果実で社会福祉や地方政策が賄えなくなってきている。
超高齢化社会に突入し、医療、介護、福祉を包括した地域でのケアを自治体で回していかなければならない。
国には国の役割がある。
県や市町村がどういう負担をしていくか。
そういった具体的な積み上げが「地方創生」で問われ始める。
もはや財政に頼った行政というのは困難。
必要なことは地域の知恵や民間の力をどう引き出すかだ。
特に東京の一極集中に歯止めをかけ是正する。
今や貧困率が若い世代で16%くらい。
6人に1人は貧困家庭で育っている。
若者や片親の家庭がそれなりの所得が得られる仕事場を、地域にどう作りだしていくか。
これらは「地方創生」の本質につながる。
一人でも能力を持った人間がたくさ増えれば行政も変わっていく。
人材募集、選別、訓練が必要。
「地方創生」には、利益誘導から政策優先の選挙への転換が求められる。
地方政治は「実績重視」の時代へ。
予算配分は、従来の「陳情型」から「企画提案型」になってきた。
東日本大震災を経て、有権者の地方議員を見る目も変化した。
「期待重視」から「実力重視」「実績重視」へ確実に変わってきた。
「地方創生」のためには、地方議会、地方議員が旧態依然の議員像を脱却して、高度な政策提案を行える存在へと成長しなければならない。












不満を政治にぶつけるだけで仕事が完結

2015-04-24 00:53:38 | 政治・社会・経済問題
共産党は、何が問題なのか?
彼らは不満を政治にぶつけるだけで仕事が完結しまっている。
政治とは結果責任であり、結局は「有権者のため、国民のためにどんな政策を推進、実現したか」である。
国民、地域の人たちの要望を地方の政策、さらに国政に反映しなければ、政治家の存在意義はない。












今更ながら古賀茂明氏「報ステ騒動」の是非を考える

2015-04-19 21:10:34 | 政治・社会・経済問題
本当に「報道の自由」の危機か?

DIAMOND online 2015年4月17日(金)

“岸 博幸”の政策ウォッチ 【第6回】 2015年4月17日

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

 古賀茂明氏の「報道ステーション騒動」からだいぶ時間が経ちましたが、古賀氏や関係しているであろう方々は、ネット上や紙媒体などで報道ステーションやテレビ朝日の批判を続けています。しかし、その主張の内容には改めて首を傾げざるを得ない部分が多いので、今更ではありますが、改めて古賀氏の主張について考えてみたいと思います。
■本当に「報道の自由」の危機か?
 古賀氏は、今週のネット上の連載で概要、以下のように述べています。
「報道ステーションの中で、原発推進の政策が目立たない形で推進されている、政策金融機関の改革が後退して天下りが復活している、というフリップを出し、これらがなぜ大きなニュースにならないのかという問題提起をしたかった」
「その答えは、政権の圧力でもマスコミ側の自粛でもない。マスコミの現場が圧力に負けたり自粛したりしているうちに、自分たちの重大な責務である政権の監視という仕事を果たす能力を失ってしまったのではないか」
(現代ビジネス『古賀茂明「日本再生に挑む」』2015年4月10日配信「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン」より要約して抜粋)
 その延長として報道の自由の危機を訴えているのですが、この古賀氏の主張には、テレビ番組にコメンテーターとして出演している者として違和感を持たざるを得ません。
 報道の自由は当然守られるべきであり、かつ報道機関の使命の一つがいわゆる“Watch Dog”、即ち権力側の監視であることも当然です。しかし同時に、報道機関には、そうした自由や使命とともに、ビジネスという側面があることも忘れるべきではないからです。
 ビジネスという側面からは、例えば報道ステーションのようなテレビの報道番組でも視聴率が重要になります。もちろん視聴率自体の良し悪しという問題はありますが、分単位で視聴率が出る中で他局と競争している以上、番組を制作する側は視聴率というビジネスの結果を意識せざるを得ません。
 かつ、そもそも毎日たくさんのニュースが入ってきます。古賀氏が言及しているエネルギーや行政の問題のみならず、経済、外交、安全保障、社会問題と多岐にわたり、日々膨大な量のニュースが生まれています。
 従って、テレビ局としてはジャーナリズムの観点のみならず視聴率の観点からも日々の番組で扱うニュースを選ぶ必要が出てきます。となれば、視聴者である一般市民の関心が大きい、いわゆる世間受けするニュースを扱う割合が多くなって当然です。
 例えば、昨年は、安倍政権の経済運営に問題が多かったにも拘らず、報道番組が音楽家の佐村河内守氏、STAP細胞の小保方晴子氏、更には元兵庫県議の野々村竜太郎氏といった“イロモノ”に多くの時間を割いたのも、マスメディアの現実を考えるとやむを得ない面があるのです。
■個人の「表現の自由」と「報道の自由」は違う
 ついでに言えば、政策についても、そのときどきによって世間から注目されるテーマは変わりますし、かつ何が政策の重要課題かについての判断は専門家によって異なります。
 例えば、古賀氏は報道番組が原発と行革を扱わないことを非難していますが、私は、今はそれらの問題よりもデフレ・低成長からの確実な脱却の方が相対的に重要であり、岩盤規制の改革や地方創生の方が注視すべき課題だと思います。更に言えば、原発についてはむしろ再稼働が大幅に遅れていることと、2030年のエネルギーミックスにおける原発の比率がまだ決められていないことの方が大問題だと思っています。
 このように、古賀氏の主張が政策に関するベストの見解である保証などどこにもないのです。私のみならず、多くの元官僚や専門家はそれぞれ独自の異なった意見、考えを持っています。
 要は、毎日多量のニュースが生まれ、世間の関心の流行り廃れが激しく、そして政策で何が今重要かの価値判断は人によって異なる中で、当たり前のことですが、毎日の番組でどのニュースやテーマを扱うかを選ぶ権利と責任はテレビ局の側にあります。そしてテレビ局は、ジャーナリズムと視聴率の狭間で悩みながら毎日のニュースを選んでいるのです。
 そうした現実を考えると、自分が重要と思うテーマが自分の思った形で扱われないことをもって報道の自由が危機だとテレビ局や番組を批判するというのは、少し違うのではないでしょうか。古賀氏が原発や行革が最重要と考えて主張するのはあくまで個人の自由(思想・信条の自由、表現の自由)に過ぎず、それを番組で扱うかどうかを決めるのはテレビ局の自由だからです。
 ついでに言えば、テレビ局に圧力をかけたと官房長官や官邸を批判することにも違和感を覚えます。安倍政権の政策を批判する識者や番組がたくさんある中で、それらの個人やテレビ局に対して圧力をかけられるほど官房長官はヒマではないし、そもそも古賀氏が最重要人物(危険人物?)と官邸が考える理由もないからです。
 例えば、小泉時代に不良債権処理や郵政民営化に取り組んでいるとき、本当にたくさんのテレビ番組、新聞、週刊誌や識者が、竹中大臣(当時)を人格否定も含めて激しく批判・攻撃しましたが、竹中大臣も当時秘書官だった私もそれらに対して圧力をかける余裕など一切ありませんでした。それが政権中枢の現実なのです。
■古賀氏が改革を進めたいなら
“ゼロ・イチ”になってはいけない
 ちなみに、古賀氏の報道ステーションでの言動について付言しておくと、コメンテーターの役割は番組で扱うテーマに沿ってコメントして新しい視点を提供することです。コメンテーターは公共の電波を使って自分が言いたいことを主張できる機会や権利を与えられた訳ではありません。そうした中で心あるコメンテーターの多くは、そのルールを守りながらも色々な工夫をして自分の主張や正論を織り込んでいるのです。
 そうした現実からは、古賀氏の番組内での発言は単なるルール破りに止まらず、コメンテーター全般に対するテレビ局側の不信や制約を増幅させかねない意味で、迷惑極まりない行動だったと思います。
 ところで、噂では古賀氏はこれから政党を組織するのではないかと言われています。それに参加するという有名人の名前も数名聞きました。それに向けた打ち上げ花火として報道ステーション騒動を起こしたのか分かりませんが、もし政治の場を通じて自分が信じる改革を進めたいと本当に考えているならば、そのこと自体は評価できるかもしれません。
 ただ、古賀氏の有能さは誰よりも知っているからこそ、私は、古賀氏が政治の場から改革を本当に進めたいならば、今の“ゼロ・イチ”のスタンス、つまり自分が信じる100点満点が実現されないならすべてダメだというやり方を、変えてほしいと心から思ってしまいます。
 これまで古賀氏は、経産省を辞めるときは自分を登用せず東電を破綻処理しない経産省を厳しく批判し、大阪市の特別顧問として脱原発を進めようとしたときは橋下市長が現実路線を取ったことを批判し、今度は報道ステーションを批判しました。しかし、自分の意見が全面的に取り入れられないからといって、自分が一時期でもお世話になったところに後ろ足で砂をかけるように全面否定しては、誰も古賀氏を応援しなくなってしまいます。実際、元官僚の大半が「もう古賀氏とは関われない」と言っています。
 そして、このことこそが、政策の世界で改革派と言われる人が「報道ステーション騒動」から学ぶべき教訓ではないかと思います。改革派と言われる人には古賀氏のような“ゼロ・イチ”のスタンスの人が意外と多いのですが、このようなスタンスを続けると、いくら改革を進めようと思っても難しいのではないでしょうか。
 小泉時代の経験から私は、特に日本のように既得権益が強固な国では、改革は、もちろん最初は100点満点を目指しつつも、実際には60点の成果が得られれば合格点であり、満足すべきだと思っています。更に言えば、郵政民営化の今の状況からも明らかなように、改革では「三歩進んで二歩下がる」が当たり前です。そういう現実的な改革を目指すことが必要であり、原理主義的になり過ぎてしまっては、逆に改革派が内紛を起こしてしまい、結果として既得権益を利するだけなのです。

藤井市長の市長選の出陣式

2015-04-19 12:36:00 | 政治・社会・経済問題
お腹の痛みが治ったと思っていたら、再び痛みだした。
このため午前8時30分の待ち合わせをどうしようかと迷ったが、ミスターマックス前まで行く。
少し遅れて友人の富田さんが来た時には、お腹の痛みはおさまっていた。
ところが、小掘の赤田さんの家で会合中に再び痛み出す。
10時10分ころ家へ戻り、藤井市長の市長選の出陣式を見に行く。
毎日新聞、読売新聞、茨城新聞の腕章を付けている取材陣のほか、報道関係者と思われる女性が3人いた。
多くの来賓が挨拶し、最後にガンバローコール。
国会議員、県会議員、市議会議員、各市の市長、長町も来ていた。
医師会長、歯科医師会長の姿も。
駐車場の出口でモスバーガーのポテトフライ無料券をもらう。
選挙事務所で出したわけではないだろう?
お腹が痛くなり、モスバーガーとホテトフライが食べられず自宅へ持ち帰る。
メロンソーダーを飲んだ、それもお腹の痛みを増したように思われた。









厚労相「国保の安定化」 

2015-04-17 11:43:06 | 政治・社会・経済問題
野党「改革先送り」と批判

共同通信社 2015年4月15日(水 )配信

 塩崎恭久厚生労働相は14日午後の衆院本会議で行われた医療保険制度改革の関連法案の審議で、市町村が運営する国民健康保険(国保)を都道府県に移管する利点について「多様なリスクが分散される。都道府県が効率的な事業運営の確保などでも中心的な役割を担うことで、国保の安定化につながる」と説明した。質疑に立った野党3党は法案を批判した。
 民主党の岡本充功氏は「持続可能な医療保険を構築するというが、高齢者医療の抜本的な改革を先送りしている」と強調。維新の党の牧義夫氏は「増え続ける高齢者の医療費を現役世代が無理をして支え続ける構図には全く手が付けられていない」と指摘した。
 共産党の高橋千鶴子氏は、保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」の拡大策である「患者申出療養」を「新たな治療や薬が保険外に留め置かれる懸念もある」と述べた。

ジャーナリスト殺害 メキシコでは過去100人以上

2015-04-11 02:02:06 | 政治・社会・経済問題
国際ペンは、日本のジャーナリスト、後藤健二氏(42)が、「イラクとシリアのイスラム国」(ISIS)と称する反乱グループによって殺害されたことに衝撃を受けている。グループは、経験豊かな戦場ジャーナリストで作家の後藤氏を斬首するビデオを公開した。後藤氏は、ISISに捕えられていた治安コンサルタントの湯川遥菜氏の安全と解放を求めて、シリアに向かい2014年10月に捕えられていた。
 ここ数カ月間でも、ISISによってイラクのジャーナリスト、モハナド・アル・アキジ氏、2名の米国ジャーナリスト、ジェームス・フォレイ、ステファン・ソトロフ両氏ら、何人かのジャーナリストが殺害されている。 
 ジョン・ラルストン・サウル国際ペン会長は「後藤健二氏の残酷な殺害は、表現の自由という基本的な権利を実践したばかりに、命の危険にさらされている世界中のジャーナリストや他の人々の、もう一つの悲劇的な記憶となる。悲しいことに後藤氏の殺害は例外的ではなく、ジャーナリスト達が、世界の大部分で表現の自由が抑圧されているなかで活動を続けていることを示している」と語った。
 浅田次郎日本ペンクラブ会長は「日本ペンクラブは後藤健二氏の残虐な殺害を最も厳しい言葉で非難する。私たちは後藤健二氏のご家族に深い同情とお悔みの言葉を送らせていただくとともに、このような難しい状況においても、紛争解決のための平和的対話を求める」と述べた。
 堀武昭国際ペン専務理事(日本ペンクラブ常務理事)は「どのような状況であれ、ジャーナリストの安全は尊重されるべきで、ジャーナリストの活動を危険に陥れるどのような行為も全く許容できないものである。日本ペンは後藤健二氏の殺害に責任のある人々が正義の裁きを直ちにうけるよう求める」と述べた。


 国際ペンは世界に140のセンター(支部)があり、20000人以上の職業作家、ジャーナリストらが所属する国際市民団体です。

発迹顕本(ほつしゃくけんぽん)

2015-04-03 07:31:45 | 政治・社会・経済問題


迹(しゃく)を発(はら)って本を顕す。

公明党は「大衆とともに」を立党精神に掲げた政党。
市町村議員→都道府県議員→国会議員のネットワークにより、地域の声を形にし、政策を立案、実績をあげてきている。
公明党は今回の統一選挙では、「人が生きる、地方創生」をテーマに戦っている。
党のネットワークの基盤になる選挙としている。











舛添都知事が1カ月入院へ

2015-04-02 10:29:26 | 政治・社会・経済問題
腰痛で手術、病室で執務
新聞各紙2015年3月31日

 東京都の舛添要一知事は31日の定例記者会見で、4月1日の執務終了後から約1カ月間入院すると発表した。
持病の腰痛が悪化したため、診察を受けたところ変形性股関節症と診断され、手術を受けることになった。
 外科的手術を受けた後、入院生活を送りながらリハビリを行う。
代理は置かず、病室で執務を続ける。










独占公開、”塀の中”で綴ったあの日の「獄中日記」

2015-04-02 09:24:18 | 政治・社会・経済問題
【20110311144618.1 あの瞬間とわたし】
第8回 鈴木宗男氏 元衆院議員
日経ビジネスオンライン 2015年3月31日

東日本大震災で日本が混乱にある中、元衆院議員・鈴木宗男氏は栃木県の刑務所にい
た。テレビなどの情報から遮断された生活を送っていた鈴木氏はあの日をどう迎え、
何を考えたのか。当時の「獄中日記」を見せてもらいながら、回顧する。
以下をご覧下さい。

http://nkbp.jp/1HeEKdZ














NHK 9時の大越キャスター更迭は官邸の意向!

2015-03-31 07:47:37 | 政治・社会・経済問題
安倍お気に入り美人記者も協力?

LITERA 2015年3月27日

 安倍政権のメディア支配が限度を超える域にまで達してきた。テレビ朝日の人気報道番組『報道ステーション』で「I am not ABE」と発言した元経産官僚の古賀茂明氏が官邸の猛抗議を受け、同氏を起用し続けたプロデューサーともども“粛清”されることになったことはすでに当サイトでも報じたが、こんどはNHKの看板番組『ニュースウオッチ9』である。
 同番組で5年間、キャスターを務めた大越健介氏が今日で降板するのは既報のとおりだが、実はこの人事、「安倍官邸の意向」によるものだったというのである。23日発売の「週刊現代」(講談社)が〈左遷! さらば、NHK大越キャスター エースはなぜ飛ばされたのか〉というタイトルで舞台裏を詳報している。
「まさに青天の霹靂でした。NHK局内の現場でも、誰もこのタイミングで大越さんが降りるとは思っていなかった。まさに異例のキャスター交代ですよ」
 同記事は、そんな記者の言葉から始まる。NHKでは毎年秋ごろ、幹部による「キャスター委員会」という会議が開かれ、各番組の次年度のキャスターを誰にするかが話し合われる。春の番組改編でキャスター交代の可能性があれば、ここでリストが挙げられ検討される。昨年秋の委員会では『ニュースウオッチ9』のキャスター人事は俎上にすら上がっていなかった。
 それが昨年暮れ、総選挙で自民党の圧勝が決まったころから雲行きが怪しくなった。大越氏は12月のある日突然、上層部から呼び出され、降板を言い渡された。なぜこのタイミングなのか、もう少しやらせて欲しいと食い下がったが、幹部は聞く耳を持たなかったという。一組織の人事とはいえ、視聴者からの好感度も高い人気キャスターを、こうも強引に切ってしまっていいのだろうか。
 “大越おろし”の原因はいうまでなく、ニュースの間にはさむコメントが「安倍官邸のお気に召さなかった」ということらしい。とはいえ所詮はNHKの番組である。いくら大越氏が従来のNHKの枠を越えた「モノを言う」キャスターだったとはいえ、“歯に衣着せぬ”といった物言いではなく、ごくごく当たり前の内容を穏当な言葉で話すだけだった。例えば、大越氏は事故後の福島第一原発サイトに過去6回、足を運んでリポートをするほど原発問題に関心が強かった。昨年2月に訪れた際には、次のような言葉で締めくくった。
「(原発)再稼動の申請が相次いでいますが、自然ははるかに人間の想定を超える力を発揮しうるという教訓に立ち、慎重な上にも慎重な安全確認が行われなければならないでしょう」
 これだけだ。反原発でも何でもない。また、一部報道では大越氏がブログで原発再稼動に慎重な姿勢を見せていたことが問題視されたとの指摘があるが、実際に調べてみると、〈原発事故の教訓はどうなったのか〉〈(福島原発事故は)原子力の安全神話を崩壊させ、技術への過信に大きな警鐘を鳴らした〉といった程度の記述だった。
 昨年7月には原発の件とは別に 、大越氏のコメントにNHK経営委員会で当時経営委員だった安倍晋三首相の盟友、百田尚樹氏が噛みつき、ネットで炎上しかかったことがあった。大越氏は、在日コリアン3世の結婚観のリポート後、次のように発言したのだ。
「在日コリアン1世の方たちというのは、1910年の韓国併合後に強制的に日本に連れて来られたり、職を求めて移り住んで来た人たちで、大変な苦労を重ねて生活の基盤を築いてきたという経緯があります……」
 いったいどこが問題なのか分からない人も多いと思うが、「強制的に連れて来られた」というのがNGワードだったようだ。百田氏はNHK理事に向かって、「日本が強制連行したと言っていいのか。証拠はあるのか。NHKとして検証したのか」と執拗に迫ったという。いずれにしても、一般の人にとってはごく当たり前の発言も、安倍政権や安倍一派の琴線に触れると「許せん」となるらしい。前出の「週刊現代」の記事にもこんな証言が紹介されている。
〈ある大手紙政治部記者が語る。
「安倍首相は公邸か自宅で9時のニュースを見ることが多いのですが、大越キャスターの話すことがいちいち癇に障るみたいです。一度、私が公邸で同席したときには、大越さんがコメントを始めると舌打ちして『また始まったよ』とぼやいていました」〉
 そして、記事はこう分析する。
〈戦後70年という節目を迎える今年は、安倍談話の発表があるし、集団的自衛権についても議論が白熱するだろう。官邸にとってみれば、そんなデリケートな時期に、大越氏のような人材は目障り以外の何物でもない〉
 なんともケツの穴の小さい話である。こうした「官邸の意向」は逐一NHK上層部に伝えられ、選挙圧勝を合図に一気にコトが動いたようなのだ。官邸とNHKの間には菅義偉官房長官と籾井勝人会長のホットラインの他に、さまざまなレベルのパイプがある。そして、今回の人事のキーマンならぬキーウーマンだったのではないかといわれているのが、政治部で大越氏の後輩だった同局のエース記者といわれる岩田明子解説委員である。
 1970年生まれ、東大法学部卒の才女で、地方局での駆け出しの頃から特ダネ記者として鳴らしていた。テレビで観たことのある人も多いと思うが、スラッとして、元宝塚の天海祐希似と評判の美人だ。小泉政権下で安倍首相が官房副長官だったときに番記者となったのがきっかけで安倍氏に食い込み、いまや「安倍首相にもっとも近い記者」「自宅にも出入りできる数少ない記者のひとり」として知る人ぞ知る存在だ。同僚記者はこう語る。
「番記者時代に安倍さんの私邸の近くにマンションを買って引っ越すほど仕事熱心で、 週刊誌に“安倍ストーカー”と書かれたほど。政権中枢がネタ元としか思えないスクープをバンバン取ってきたのはいいのですが、安倍さんの退陣直後は頬がそげ落ち、激ヤセするほどの心労でした。もちろんいまは安倍さんの復活とともに元気になり、表舞台でも活躍するようになりました」
 岩田氏の“復活”をまざまざと見せつけたのが、2013年10月に放送されたNHKスペシャル『ドキュメント消費税増税 安倍政権 2か月の攻防』だ。番組冒頭は「NHKのカメラが今回初めて総理大臣執務室に入りました」というナレーションで始まって、安倍首相が消費税増税についてどんな覚悟と勇気を持って決断したかが描かれた、完全な政権ヨイショ番組だった。
 記者として取材対象に食い込むことはもちろん大事だが、岩田氏の場合、露骨な安倍応援団、あるいは指南役になってしまっていた。最近は解説委員として顔出しで政治解説をすることも多いが、安倍政権にネガティブな情報が出ると、さりげなくフォローのコメントをはさむシーンがたびたびだ。先の「週刊現代」には、元政治部記者のこんなコメントが出ている。
〈「あくまで報道は中立であるべきと考える大越さんは、以前から岩田さんの取材姿勢を疑問視していました。逆に岩田さんは、大越キャスターのコメントのしかたに不満がたまっているようです」〉
 その岩田氏が今回、確執もあいまって大越おろしに動き、官邸の意向を伝書鳩のようにNHK上層部に伝えていたのではないかといわれているのだ。
 いずれにせよ、こうしたさまざまなチャンネルからの圧力によって、大越氏を疎んじる空気がNHK内部に共有され、今回の降板人事につながっていったのは間違いない。
 もっとも、当の大越氏は降板が発表されて以降は吹っ切れたのか、むしろ絶好調だ。2月25日の放送では村山富市元首相にインタビューし、戦後70年の安倍談話を牽制してみせた。そして、同日付のブログには〈安倍総理は、村山談話をどう引き継ぐのか。(中略)全体的に引き継ぐとしながら、村山さんが言うキーワードを使うかどうかは霧の中だ〉と書いた。
 3月25日の放送では、辺野古基地建設を巡って沖縄と安倍政権が真っ向対立する中、自ら翁長雄志知事と菅官房長官の双方に個別インタビューをして、それぞれの言い分をいっさいのコメントなしにそのまま出した。翁長知事の「日本の0.6%の土地である沖縄に、米軍基地の74%を押し付け続け、さらにまた沖縄県の民意に反して新たな米軍基地建設を強行する。私は自民党、保守の政治家として日米同盟の重要性は認めるが、こんなことをしていたら、その日米同盟が危うくなる」というコメントに菅官房長官はまったく反論できていなかった。
 今日の最終回、大越キャスターはいったいどんな内容の解説をして、どんなコメントを発するのか。もちろん、大越氏はNHKを退職するわけではないので限界はあるだろうが、ジャーナリズムの独立性を守るためにも最後の一刺しをぜひ期待したい。
(野尻民夫)














さらに続報! 古賀茂明が『報ステ』

2015-03-31 07:43:21 | 政治・社会・経済問題
放送中・放送後のスタッフとのやりとりをすべて明かした!

LITERA 

2015年3月29日
元経産官僚・古賀茂明氏の『報道ステーション』(テレビ朝日系)爆弾発言について、本サイト・リテラはこれまで2本の記事を配信したが、さらに続報である。
 放送中に一体何が起きていたのか、そして、古賀氏はなぜ発言したのか。テレビ朝日の報道局員は、「報道フロアはもう騒然となってましたよ。報道局幹部は、激怒してましたが、番組のスタッフや局員からは、よく本当のことを言ったという称賛の声や、普通のことを言っただけじゃないかという冷静な声、激論はあってもいい、面白い、視聴率が取れるといった様々な声が出てました。幹部の前では言えませんけどね」と話す。局内も古賀批判一色ではないようだ。
 放送から一夜明け、古賀氏が、彼に非常に近い新聞記者に語った内容を我々は独自ルートで入手した(古賀氏本人に確認したところ「ノーコメント」ということだった)。
 生々しい証言のため、ほぼ全編を掲載する。
●あの時、スタジオでいったい何が起きていたのか!?
 僕と古舘さんとわーっとやり合って、CMに入りまして、そこで(番組の幹部W氏が)来るんですよ。「打ち合わせに無いことをしゃべるな」と言ってきたんです。だから僕は「えっ?」と驚いて、「打ち合わせしたこと以外は、しゃべっちゃいけないんですね、もう一回言ってください」と言ったら、「だから打ち合わせに無いことを言わないでください、古賀さん」と言ったから、僕はそれを紙に書いたんです。
『打ち合わせに無いことを喋らないでくださいと(番組の幹部W氏は)言いましたので、私はこの番組の中では打ち合わせたこと以外しゃべれなくなってしまいました』って、(CMのあと)最初にそれを言ってから、私はしゃべりますからと言ったんです。CM中のことです。
 そしたら(番組の幹部W氏)は、すごいあせっちゃって、「なんでそんなこと言うんですか」と言うから、だってあなたが今言ったでしょ、と。
 僕の立場としては言いたいことを全部言いたいけど、でも、それを言わないんだったら、何で言わないか説明しなければならないじゃないですか、と話をして、あなたは名前を出さないで裏でそういうふうに圧力かければすべて済むからいいですけど、僕は名前出してやっているんですよ、と。だからあなたも正々堂々と言えると思っているんだったら、名前を言っても何も困らないでしょうと言ったら、それは困ると言って。
 そして今度は何か「いきなりあんなことをしゃべるのはフェアじゃない」と言い出して。結局、(番組の幹部W氏は)その時に何を心配しているかというと、そういう「圧力がかかった」とか、あるいは「言うなとか言った」とか、そういうことを言われることだけを一生懸命気にしているわけ。というのが一回やりとりがありました。
 古舘さんが何で怒ったのかよくわからなかったんです。最初は。僕は、古舘さんのことを悪く言うつもりはなかった。それなのに古舘さんが急に怒ったんですね。それが、ちょうど古舘プロの佐藤(孝)会長の名前が出た時だったんです。もう顔色が変わったんですね。私がその名前を言ったとたんに。何か古舘さんは一生懸命に、それでも「正しいものを作っているんです」、とか言ったんです。
 だから僕は、全部、Mプロデューサーとかディレクターが一生懸命やったからで、そのプロデューサーを更迭しちゃってどうするんですかって話をしたんです。そしたら古舘さんは「更迭じゃない」と言ったんです。
●Mプロデューサーの更迭、コメンテーターの恵村氏、古賀氏の降板
(Mプロデューサーは)もう去年の暮れか年明け早々には異動を言われていたはずです。もちろん、古舘さんはそれを知ってました。一方、局側は、それを3月26日木曜日まで隠していた。何でかというと後ろめたいからなんですよ。
 古舘さんはとにかく僕に対して、前回出演したときに謝っているんですよ。謝った理由は何かというと、要するに「自分はわざと知らないフリをしてきました」と、Mプロデューサーが代わるとか、コメンテーターの恵村(順一郎)さんが代わるとか、僕も出さないということは、もちろん、彼だって知ってはいるんですよ。知ってはいるんだけどテレビ局側にはわざと聞かないで、知らないフリをしました、と。自分は単なる出入り業者に過ぎないから、とか卑下して言うんですよ。
 もちろん、彼には正式な意味での人事権はない。だけど実際は、これは、古舘プロダクションの関係者に聞いた話だけど、古舘氏の番組人事への事実上の影響力はすごく大きくて彼自身これまでもそれを行使してきたんです。形としては佐藤会長を通してかもしれないけど。それなのに彼はMプロデューサーも恵村さんも守らなかった。守ろうとして諦めたのではなく、最初から逃げたんです。だから僕のところに謝りに来たんです。
 楽屋に来て、「本当に古賀さん申し訳ありません」と頭を下げて、そしたら僕としたらもうどうしようもないですよね。だって、古舘さんはもう認めちゃっているわけですから。もう僕には何にも言う言葉がない。古舘さんはそういう方だったんだと扱うしかないな、と。要するに闘う人間ではなくて、ただ、自分の保身だけの人間なんだということだとわかったんです。
 それなのにあそこの場(27日生放送中)で、如何にも自分が戦っている、こんなに自分はがんばっているみたいなことを言い、且つ、(Mプロデューサーは)更迭じゃないと言い、公共放送を使って、自分の立場を守るために言わば嘘を言ったわけですよ。
●番組の最後、番組と古舘氏がやったこと
 番組の最後の最後で、古舘さんが「一部承服しがたいことがあった……」とか言いましたよね。一部承服しがたいというのは、他のかなりの部分を承服しているのか、よくわかりませんが、あの時は、最後に、お詫びの原稿が古舘さんのところに回ってきて、彼は、最後に何十秒でこれを読む、最後終わるぎりぎりでそれを読んで、番組が終わりというのを狙った。つまり、僕が反論できないようにした。
 それもおかしくて、その前の議論では、「もうこういう話をするのはやめましょうよ、視聴者に分からないんですから」と古舘さんは散々言っていて、私も、やめましょうと言って、ニュースの中身の話だけになったんですよね。それなのに、そういうように議論を切っておきながら、やりとりしたら自分が負けちゃうからなのか、一番最後の最後に、もう僕が反論できないような時間に言っているんです。だから全然言っていることとやっていることが違うんです。
●放送終了後、報道局長が仁王立ちで……
 そして放送が終わったらスタジオに番組幹部らが来て「おかしいじゃないですか」とずっと言いながら、私が楽屋に戻るのにもずっとついてきて、楽屋から出ると、通路の真ん中に仁王立ちした報道局長がいて、通路を通さない感じで、彼はおそらく僕にきっちり抗議した、と、周りに分からせようというのもあるのか、みんなの前で見せるように、「何であんなことを言うんだ」「あれはおかしいじゃないか、ニュースの中身と関係ないじゃないか」とかそんなことを色々言いながら、私についてきて、私は無視して、でもエレベーターまでついてきて、地下のハイヤーの乗り口までずっとついてきて、そういうことをずっと言うわけです。
 だけど、僕が途中から、あなたの仕事はこういうことが仕事なの? 違うでしょ、なんで(Mプロデューサーを)更迭したの?」と。
 そしたら報道局長は「更迭じゃない」と最初は言い張っていたんだけど、僕が「じゃあ、なんで(Mプロデューサーを)代えるの? 古舘さんにしても(Mプロデューサーを)代えたいわけじゃないでしょ。(Mプロデューサーを)守るのがあなたの仕事でしょ」と、ずっと僕は色々言ったら、報道局長は途中から黙ってしまった。完全に何も言えなくなっていました。
●テレビ朝日が古賀氏を訴えるとの見方も流れているが……
(訴訟してくるかどうか)それはわかりません。もちろんその可能性はあると思いますよ。だから、訴訟になっても絶対に大丈夫だというだけの証拠を揃えて、発言の内容もその範囲を絶対に超えないように事前に一言一句考えてましたし、相手の出方も複数のシナリオを考えてましたから。
 本当は、もう少し言えたんですけど、やはり古舘さんとの今までの関係を考えるとそこまでは言えませんでした。時間もなくなって、ガンジーの言葉をどうしても言いたかったから、あれ以上は言えませんでした。
 まあ、冷静に考えれば、そんなことをして、わざわざ寝た子を起こすようなことをするのが得なのかどうか、と考えるかもしれませんが。1週間も経てば、静かになりますよね。今のマスコミの状況では。
●古賀氏はなぜ、降板問題を告発したのか
 僕がなぜあの発言をしたかというと、最大のポイントは菅(義偉)官房長官が、僕を個人攻撃してきているんですね。菅さんが会見でやや間接的に、さらに記者らにオフレコで、僕のことと分かるような言い方で、頭に来たとか、放送法に違反しているのではないかとか、記者らに言っていて、それは耳に入ってきている。複数の記者がいるところでの発言なので、僕の耳にも入ることを分かった上での発言で、つまり、それは脅しになると計算して言ってきているので、それをやられているときに、私は黙れないんです、やっぱり。
 そこで私が黙っていたら、前にあったテレビ局への自民党からの圧力文書の時、テレビ局が何も抗議しなかったことと同じになってしまう。だから私は黙っているわけにはいかない。菅さんが脅してくるなら、私はそれを言いますからねと、だから申し訳ないけど私はああいうことを言わせてもらった。
 しかも、菅さん一人じゃ『報道ステーション』を転向させることはできないので、テレビ朝日の早河(洋)会長や古舘プロダクションの佐藤会長なども巻き込んでやっているという話も入ってくるわけです。
 でも、その戦いの中で、古舘さんは、ずっと下のほうにいるんですよ。古舘さんは早河会長に従うしかない立場に落ちているんです。だから、僕の戦いの中で、古舘さんは関係ないんです。
 僕は番組中に古舘さんに言ったんです。「僕は古舘さんを攻撃しているわけじゃないんですよ」と言っていたんですけど、彼は何故か最後まで私を攻撃しようとした。何故なのかなと考えました。自分がかっこ悪く見えるのが嫌だったので言い訳したのか。でも、彼のあの言い訳はかえって彼の姿を惨めなものにしてしまいました。
 あとは、佐藤会長や早河会長の手前、それはもう思いっきり反論しておかなければならないということだったのかな、ということくらいしか僕には思いつきませんでしたね。
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 以上が我々の入手した古賀氏の証言のすべてだ。この古賀氏の言葉を聞いて、『報道ステーション』のスタッフ、いや、他局も含めた報道関係者は、一体何を思うのだろうか。
(木庵 葉)












続報! 古賀茂明『報ステ』爆弾発言

2015-03-31 07:39:11 | 政治・社会・経済問題
菅官房長官の圧力が動機だった! 古賀批判は的外れLITERA 
2015年3月28日
 27日の『報道ステーション』(テレビ朝日系)での古賀茂明氏の発言が大きな反響を呼んでいる。本サイトでも2ヵ月前に報道していた「官邸からの圧力による『報ステ』女性チーフプロデューサーの更迭と古賀降板」を裏付ける内容に、ツイッターで「報ステはだらしない」「古賀さん、よく言った!」「やっぱり官邸の圧力なのか」などの書き込みが殺到している。
 しかし、不可解なのが、その一方で古賀批判が盛り上がりを見せていることだ。その代表的なものが「官邸の圧力というのは古賀氏の被害妄想」という意見だろう。たとえば、池田信夫氏などはブログで「(テレビ局に対し)政治家が出演者をおろせなどということは絶対ない(あったら大事件になる)。」「彼は政治とメディアの関係を誤解しているようだが、報ステのような番組に政治家から圧力がかかることはありえない。」等と言っているが、政府がメディアに公式で出演者降板を申し入れたりしないのは当然。問題は、上層部や番記者、報道への抗議を利用した揺さぶり、さまざまなチャンネルを使った裏の圧力なのだ。池田氏らはこの間、安倍官邸が裏でマスコミに何を仕掛けてきたか、本当に知らないのだろうか。
 『報ステ』の古賀氏発言についても、菅官房長官は番記者を集めたオフレコ懇談ではっきりと「放送法違反」「免許取り消し」などをちらつかせて、プレッシャーをかけている。テレビ朝日上層部に対しては、番組審議会委員長の見城徹幻冬舎社長を使った揺さぶりもあった。
 まあ、池田氏の場合は政治スタンスからしてなんとしても現政権の圧力を否定したいだろうから当然としても、驚いたのは比較的リベラルだと思われたジャーナリストたちも古賀批判を口にしていることだ。
 ツイッターを見ると、『とくダネ!』や『Mr.サンデー』(ともにフジテレビ系)にレギュラー出演している『ニューズウイーク日本版』元編集長の竹田圭吾氏は「古賀茂明という人はテレビで発言する機会を与えられていることの責任と義務をまったく理解していない」とつぶやき、ジャーナリストの江川紹子氏も「公共の電波で自分の見解を伝えるという貴重な機会を、個人的な恨みの吐露に使っている」などと書き込んでいる。
 いったいこの人たちは何を言っているんだろう。古賀氏が言ったのは、「テレビ朝日の早河会長と、古舘プロジェクトの佐藤会長のご意向で今日が最後ということで。これまで本当に多くの方に激励していただいた。一方で菅官房長官をはじめとして官邸のみなさんからものすごいバッシングを受けてきました」という言葉だけだ。
 その後のやりとりは、キャスターの古舘氏から「ちょっと待ってください。今の話は私としては承服できません」「古賀さんがテレビ側から降ろされるというのは違うと思うんです」などと反論されたために、「ただ、古舘さんも言いましたよね、私がこうなったことに対して『僕は何もできなかった。本当に申しわけない』と」と応戦したにすぎない。
 古賀氏が言いたかったのは“降板”についての恨みつらみではない。発言のポイントは「官邸のバッシングで」という部分にある。それがより鮮明になるのが後半戦だ。安保法制を始めとする国会論戦についての感想を求められ、「国民的議論がないまま、アメリカの言いなりで先へ先へ行こうとしているのは、とんでもないことではないか」ときわめてまっとうな意見を述べた。そして、いま安倍政権が進めているのは(1)原発大国、(2)武器輸出大国、(3)ギャンブル大国――への道だと指摘し、自分でつくってきたという「I am not ABE」のフリップを掲げ、「これは単なる安倍批判じゃないんです。日本人としてどう生きるかを考える材料にして欲しい」「官邸からまたいろいろ批判があるでしょうが、菅さんも、陰でコソコソ言わないで直接、言ってきてください」とかましたのだ。
 ところが、ここでまた古舘氏が墓穴を掘る。「古賀さんのお考えは理解できますが、一方ではっきり申し上げておきたいのは…」と切り出し、過去に報ステが取り組んできた、原発再稼働への不安や核のゴミの問題、沖縄の辺野古の基地建設など、批判すべきところはしっかりやってきたと返した。すると古賀氏は、「そういう立派な特集をつくってきたプロデューサーが、(官邸の圧力で)更迭されるのも事実ですよね」と。古舘氏は「更迭じゃないと思いますよ。人事のことはわかりませんが」と応じるのが精一杯だった。
 古賀氏が一貫して言いたかったのは、圧力があっても言うべきことは言い続けなければならないということだった。最後はマハトマ・ガンジーの言葉を紹介し、人が自粛して言いたいことを言わないようになると、知らず知らずのうちに自分が変わってしまう。そして、本当に大きな問題が起きているのに気づかなくなってしまう。そうならないためには、圧力があっても言うべきことは言い続ける。「これを古舘さんにも贈りたいんです」と締めくくった。
 これを「私物化」だの「責任を理解してない」などと言うのは、それこそ、普段、番組に媚びて電波芸者を演じている自分たちを正当化したいだけだろう。 また、一部ネットには「プロレスと同じでシナリオのあるやらせでは」などと書かれているが、これもありえない。すべてガチンコ、事前打ち合わせなしの“ゲリラ発言”だったのだ。
 実際、テレビ朝日内部は蜂の巣をつついたような状態となっていた。番組終了後、古賀氏の携帯に親しい知人が何人も電話を入れたが、呼び出し音が鳴るだけだった。実はこのとき、古賀氏はテレ朝報道局の幹部から約40分、吊るし上げをくらっていたというのである。テレ朝関係者はこう明かす。
「局幹部はみんな顔面蒼白でしたよ。番組終了後、4月人事で交代するプロデューサーやスタッフ、コメンテーターの恵村順一郎さんらを囲んだ送別会があったんですが、重要な関係者が顔を見せない。もちろん古賀さんも来ない。別室に呼ばれて“事情聴取”を受けていたんです」
 古賀氏はそこで「ニュースと関係ないことを話しては困る」「なんで事前に言ってくれなかったのか」などとなじられたという。だが、ここには古賀氏の深謀遠慮があった。というのも、前回「I am not ABE」とやったときは事前にスタッフにも相談し、フリップもつくってもらっていた。ところがオンエア後、首相官邸から抗議を受けたことで現場スタッフは上層部から「何で止めなかったんだ」と責められた。そこで今回は誰にも言わず、自前のフリップを用意して本番に臨んだ。これで、末端の責任が問われることはなくなった。
 古賀氏がここまでやらなければならなかったのには訳があった。親しい知人はこう打ち明ける。
「古賀さんのターゲットはズバリ菅官房長官です。番組中も何度も何度も繰り返し、菅さんの名前を口にしていたでしょ。菅さんは本気で古賀さんを潰そうと、裏で相当なことをやっていた。古賀さんだけではありません。安倍政権に批判的なコメンテーターを個人攻撃したり、逆に懐柔したりが目に余るようになってきた。一方、古賀さんの話によれば、テレ朝に対しても『(古賀氏の発言は)放送法違反に当たるかもしれない』と、免許取り消しをほのめかしながらプレッシャーをかけてきたと言うんです。これはもう看過できない。古賀さんはこう言っていました。『テレ朝には申し訳ないけど、ここで私が沈黙したら言論が権力に屈することになる。古舘さんら番組関係者は相談もなくいきなり言い出したので、私に裏切られたと思っているかもしれないが、時間が経てば理解してくれるはず』と。あれはいわば宣戦布告。戦いはこれからですよ」
 いずれにしても、スタッフの入れ代わった4月からの新生『報道ステーション』がどうなるのか、ぜひチェックをしていきたい。
(野尻民夫)

『報道ステーション』で何が起きているのか。リテラが半年以上前から検証してきた記事、そして、今回の古賀氏の爆弾発言を取り上げた第一報はこちら。
●朝日新聞の次は『報道ステーション』がやられる!? 古舘降板、番組終了も
●官邸の圧力!?『報道ステーション』で安倍批判をした古賀茂明が番組を降ろされた!
●『報道ステーション』で古賀茂明が「官邸の圧力で降板」の内情暴露! 古舘が大慌て
●メディア工作も? 幻冬舎・見城社長と安倍首相のただならぬ関係













安倍批判をした古賀茂明が番組を降ろされた

2015-03-31 07:36:04 | 政治・社会・経済問題
官邸の圧力!?『報道ステーション』
LITERA
 
2015年2月16日
古賀茂明氏といえば、元経産官僚ながら歯に衣着せぬ批判で知られる評論家。とくに昨年9月に『国家の暴走 安倍政権の世論操作術』(角川oneテーマ21)を上梓してからは「安倍政権による“軍事立国”化を食い止めよ!」と“反安倍”の姿勢を鮮明にしていた。
 その古賀氏が、定期的に出演していた『報道ステーション』(テレビ朝日系)のコメンテーターを3月一杯で“更迭”されることになった。
 かねて安倍官邸から敵視されていたため、いつかこんな日が来るのではないかと心配されていたが、直接のきっかけと見られているのが先月1月23日の放送だ。「イスラム国」による人質事件の最中でほとんどのメディアが政権批判を控えているなか、敢然と、しかも痛烈かつ的確な言葉で安倍晋三首相の外交姿勢を批判したのだ。
 古賀氏の論理は明快だった。
〈日本政府は、2人の日本人が人質に取られ、後藤健二さんに関しては身代金を要求されていることを事前に知っていた。「人命第一」に考えるなら、いちばん大事なことは犯人を刺激しないこと。10億円、20億円程度なら官房機密費ですぐに払える。1月に首相の中東訪問を控えているなら、それまでに解決しておくこともできた。にもかかわらず、それをしないでわざわざ「イスラム国」を刺激するようなパフォーマンスを繰り返し、「『イスラム国』と戦う周辺国に2億ドル出します」と宣戦布告のようなことを言ってしまった。これは「イスラム国」の側からすれば交渉の余地なしということになる。だったら、宣伝に使うか、思いっきりふっかけてやろうということになったのが今回の事態ではないか。
 ではなぜ、安倍さんは人質が取られていることを知りながら挑発的な言動を繰り返したのか? それは、「後藤さん犠牲になっちゃうかもしれないけど、でも、もっと大事なことがある」と判断したのだと思う。では、安倍さんにとってもっと大事なこと、何が第一だったのかというと、「イスラム国と戦っている有志連合の仲間に入れて欲しい」ということだ。しかし、アメリカやイギリスと一緒になって空爆を(安倍さんはしたいけど)するわけにはいかない。だから人道支援ということにしたわけだ。ただ、この人道支援はあくまでも「『イスラム国』と戦うための支援ですよ」ということをアピールしたくて、ああいう言い方になったと思う。
 ただ、我々はやはり「日本は戦争をしない国なんだ」というところにもう一度、立ち返らなければいけないと思う。安倍さんは「有志連合に入りたい」と願っているかもしれないが、日本は憲法もあるし、できないはず。それが今回、安倍さんの発言によって日本の良いイメージが逆の方向に行ってしまった。日本という国は「アメリカの正義」を正義と思い込んでいるんじゃないか? アメリカやイギリスと一緒なんじゃないか? そういうことが世界に発信されてしまい、「イスラム国」にも利用された。しかし、我々は「いや、そうじゃないんだ」と言うべきだ。「日本は戦争をしない国だし、日本を攻めてこないような人たちを一方的に敵だなんて思いませんよ」と、もう一度、世界にアピールしていく必要がある〉
 そして、こう言い放ったのだ。
〈“私はシャルリー”っていうプラカードを持ってフランス人が行進しましたけど、まぁ私だったら“I am not ABE”(私は安倍じゃない)というプラカードを掲げて、『日本人は違いますよ』ということを、しっかり言っていく必要があるんじゃないかと思いましたね〉
 時間にしておよそ7分。この“演説”に官邸がどれほど激怒したことか。放送中から番組関係者の元には数分と置かず抗議と思しき電話が入った。しかしオンエア中なので出られず、着信だけがずらりと残り、官邸のイラつきの激しさがわかったという。そして、あまりに電話に出なかったため、最後は怒りのメールで締めくくられた。テレビ朝日関係者がこう話す。
「官邸からダイレクトに局の上層部にも連絡があったと聞いています。さまざまなルートでプレッシャーをかけてきた。『古賀に何を言わせてるんだッ』『発言を止めろ!』って。いつもは番組終了後に反省会があるのですが、あの日はそれどころではなかったですね」
 それにしても、「抗議」というのはどういう了見なのだろう。古賀氏は古賀氏の責任において、今回の事態に対する自らの見解を述べたに過ぎない。しかも、テレビで顔出しをして。人質解放の交渉の余地があったのになぜしなかったのか? 人質が取られていると知っていながらなぜ相手を刺激するパフォーマンスを繰り返したのか? 一国民として誰もが抱く疑問を口にして、元官僚の知見からそれに対する解説を述べただけだ。それが政権にとって都合の悪い内容だったから、国民に知られてはマズイ内容だったから、抗議をしたというのだろうか。
 いずれにしてもこの一件で、4月以降、古賀氏の姿は『報ステ』から(おそらくテレ朝全体から)消えることになった。すぐに降板とならなかったのは、3月一杯の出演日をあらかじめ決めていたからだ。テレ朝幹部はこの間の古賀氏の出演日には、どんな言葉が飛び出すか固唾を飲んで見守っているという。当の古賀氏自身は相変わらずだ。2月13日の放送でも「先進国のなかで原発が安いと言っているのは日本だけ」と、健在ぶりを見せつけていた。
 実は、今回の古賀氏“更迭”は、本サイトがしばしば指摘してきた官邸による「報ステ潰し」の一環のようなのだ。というのも、“粛清”は古賀氏だけではなさそうなのだ。いま局内で囁かれているのが、メーンキャスターの古舘伊知郎の信頼が厚く、これまでの『報ステ』路線を支えてきた番組統括の女性チーフプロデューサー、そして古舘と絶妙なコンビネーションワークで視聴者に人気のあったコメンテーターの恵村順一郎氏(朝日新聞論説委員)の2人が、古賀氏と同時に4月から“粛清”されることが決まったという。先のテレ朝関係者が言う。
「チーフプロデューサーは『報ステ』の前身の『ニュースステーション』時代からディレクターを務めてきた人で、安倍政権に限らず歴代与党からの圧力にも臆することなく『報ステ』路線を貫いてきた。古舘さんや恵村さんが自由にコメントできたのも、彼女の存在が大きかった。それだけに、上層部が官邸サイドから『あの女プロデューサーをなんとかしろ』と言われているという噂はずっとあった。その意味で、今回の人事はあまりにわかりやす過ぎ。4月以降、番組の雰囲気はガラリと変わるかもしれません」
 この“粛清人事”を主導しているのは、これも本サイトが何度も書いてきた、安倍首相→見城徹(幻冬舎社長)→早河洋(テレビ朝日会長)ラインだといわれている。
 安倍首相のマスコミ対策指南役ともいわれる幻冬舎の見城社長は現在、テレビ朝日の放送番組審議会委員長を務めていて、審議会の席でもしばしば『報ステ』とコメンテーターの恵村氏批判を繰り返していたという。
 一方、開局以来、朝日新聞社の支配が続いていたテレ朝で史上初の生え抜き社長となった早河会長の悲願はテレ朝の「脱朝日新聞化」だ。朝日新聞の不祥事が続いたこの機に乗じて、一気に達成したいという思惑がある。
 この二人が安倍首相の手先となって、いよいよ反原発や政権批判を続ける報ステの“改革”に乗り出したということらしい。
 安倍首相が人質事件の対応であれだけの下手を打っておきながら内閣支持率が下がらないどころか上昇しているのは、NHKを筆頭にテレビが政権にとって「不都合な真実」をほとんど伝えていないからだ。これは、再登板した安倍首相が前政権時代の教訓で早くから報道各社の幹部と会食を繰り返すなどして、メディアを手なずけることに成功したからだ。
 これで『報ステ』が安倍政権の軍門に下れば、日本のテレビ翼賛体制はますます強固になるだろう。『報ステ』にはなんとか踏ん張ってほしいと思うが、状況は絶望的といわざるをえない。
(田部祥太)













ブラック企業から若者守る

2015-03-29 06:16:50 | 政治・社会・経済問題
公明新聞:2015年3月28日(土)付 質問する長沢(右)、杉の両氏=27日 参院予算委党青年委訴え、初の法制化へfont color="green">立入調査実現で厚労相「まさに公明の提言実行」
参院予算委で長沢、杉氏
労基法改正案
裁量労働制の拡大 単純な営業は対象外
高度プロ制度 年収など法律で限定
参院予算委員会は27日、安倍晋三首相らが出席して経済・財政・国際問題に関する集中審議を行い、公明党から長沢広明参院国会対策委員長と杉久武氏が質問に立った。

長沢氏は、政府が今国会での提出を予定している労働基準法改正案に関して、「働き過ぎの防止へどのように取り組むのか」とただした。塩崎恭久厚生労働相は、有給休暇の取得義務化など「実効性ある対策を検討している」と答えた。

続いて長沢氏は、労働者に働く時間などを委ねた上で、一定時間働いたとみなした額の賃金を支払う「裁量労働制」に言及。改正案で「課題解決型提案営業」を対象に加えることから、「ほとんど全ての営業職が対象になるとの論調がある」と指摘した。塩崎厚労相は「法人を相手に、全社的に重要な位置付けの商品やサービスを取り扱う業務」などに対象を限ると説明。個人が相手の業務や、得意先を定期的に訪問するルートセールスなどの単純な業務は認めないと述べた。

さらに長沢氏は、高度専門職を労働時間規制の適用外とする「高度プロフェッショナル制度」の創設に触れ、対象者や制度の意義を尋ねた。塩崎厚労相は、法案に「高度の専門的知識などを要する」「労働時間と成果との関係性が強くない」「年収が平均の3倍超」などの要件を定めるとして「法改正しない限り対象拡大はできない」と答弁。安倍首相は、同制度が「アイデアが湧いたときに集中して働くなど、創造性を存分に発揮できる環境をつくるもの」であるとの考えを示した。

一方、杉氏は、公明党青年委員会の提言を反映し政府が今国会に提出した、ブラック企業被害を防ぐための若者の雇用促進法案(青少年雇用促進法案)【表参照】 について質問した。

杉氏は「高齢者や障がい者、女性を対象とした雇用対策法はあったが、若者に光を当てた法律はなかった」として、同法案の意義を強調。安倍首相は、同法案の成立と併せてきめ細かな就労支援を実施し、「若者が安心してチャレンジできる環境づくりに全力で取り組みたい」と答えた。

また杉氏は、企業と求職者のミスマッチ解消へ、同法案で職場情報の提供を義務付けたことを評価した上で、「さらに積極的な企業側の(情報)開示を促す仕組みが必要」と主張した。

このほか杉氏は、全国28万人超への調査を基に党青年委が2013年6月、安倍首相にブラック企業対策を強く求めた結果、同年9月に若者の使い捨てが疑われる事業所への立ち入り調査が実現した点に言及。「ブラック企業対策を前進させ、国を動かしてきたのは公明党だ」と訴えた。

塩崎厚労相は「まさに公明党(青年委)の提言が実行に移された」と述べた。